就職決定のお祝い金?再就職手当とは

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前回のブログでは、失業給付が支払われるスケジュールの詳細や認定日について書かせていただきました。
今回は、晴れて就職が決まった際の給付金や手続きについて書きたいと思います。
失業給付の制度の概要や条件、金額や支給されるスケジュールなどについてお知りになりたい方は前回までの記事をお読みください。

↓前回までの記事



<※必ずお読みください>
このブログは、失業給付の受給を検討している方に参考にしていただく目的で個人が書いているものです。
(※2024年4月時点の制度をもとにしています)
特定のハローワーク、労働局、省庁の公式の見解を記したものではありません。
なお、実際に受給できるかどうかは管轄のハローワークの判断になります。確実な受給を保証するものではありません。
以上のことをあらかじめご承知おきの上お読みください。
また、偽った申し込みをして不正に受給をすることは絶対におやめください。

再就職が決まった時にもらえる給付金とは?

再就職が決まるとお祝い金がもらえる制度がある…という話を聞いたことがある方もおられるかもしれません。
これは「再就職手当」という給付金です。
失業給付を受給していた方が、一定の条件を満たして早期に就職できた場合に支給されます。
失業給付は就職の前日までで停止となるため、早く就職した場合のメリット、およびお祝いのような意味を含んだ制度となります。
金額は、就職日時点で残っている所定給付日数の70%または60%で、これは残日数によってパーセンテージが変わります。

再就職手当の受給条件

条件は、下記の8つです。
(ハローワークのパンフレットとはあえて順番を入れ替えています)

①7日間の待期期間を過ぎた後に就職していること
②就職の前日までの失業給付を受給した上で、所定給付日数が三分の一以上残っていること
③雇用保険に加入する(または週20時間以上かつ31日以上継続して働く)条件の就職であること
④1年を超えて継続して働く可能性のある就職であること
⑤失業給付の受給手続きをする以前に内定が出ていた事業所への就職でないこと
⑥前職と同じ事業所、または関連会社への就職でないこと
⑦就職日から過去三年以内の就職において、再就職手当や常用就職支度手当を受給していないこと
⑧(給付制限期間のある方のみ)給付制限期間の最初の1ヶ月間の就職である場合は、その就職がハローワークまたは厚労省から認可を受けている職業紹介事業者の紹介による就職であること

それぞれ詳しく見ていきましょう。

①7日間の待期期間を過ぎた後の就職

待期期間とは手続きをしたその日から7日間発生する、就労をしていないことを確認する期間のことです。
通常、手続きをした日から7日経過以降の就職であれば問題ありませんが、その7日間の間にアルバイトをしていたり、初回の認定日に行っていない方は待期期間がずれ込む可能性があるため注意が必要です。

②所定給付日数が三分の一以上残っている

これが早期の就職の定義となります。
所定給付日数は人によって異なりますが、例えば日数が90日の方はこれを30日以上残しての就職であればOKです。
注意すべきポイントは、就職の前日までの失業給付を受給した上での残日数で考えるという点です。
就職日によっては、内定が出た時点では三分の一以上残っていても、就職前日時点では三分の一を切る…ということがあり得るためです。

③雇用保険に加入する(または週20時間以上かつ31日以上継続して働く)

制度の上では、あくまで雇用保険に加入する要件の仕事に就くことを就職として扱うため、雇用保険に加入しないような短時間の就職では再就職手当の条件に当てはまりません。
また、起業する場合でも、週20時間以上かつ31日以上継続のボリュームで働くのであれば就職の取り扱いになります。
その場合、就職の事実確認に必要な書類が通常とは異なるため、詳細は管轄のハローワークからの指示を受けましょう。

④1年を超えて継続して働く

正社員や特に期間の定めのない無期雇用のパートなどであればまず問題ありません。
契約期間の定めのある契約社員でも、更新の可能性があり、更新した結果1年以上働く見込みがあるのであれば問題ありません。
1年限定で更新の可能性の無い仕事や、3ヶ月更新であり更新限度が2回までといった仕事の場合はこれに該当しません。

⑤受給手続き以前に内定が出ていない

そもそも失業給付は就職が決まっている状態だと手続きできませんが、「内定が出ているがまだ検討中であり、求職活動を継続する」といった場合には手続きができます。
しかし、その内定が出ていた会社に就職を決めた場合は、再就職手当は対象外となります。

⑥前職と同じ事業所、または関連会社への就職でない

会社ぐるみで就職・退職・失業給付・再就職手当…というループをすることを防ぐための制限です。
同じ会社でなくても、親会社・子会社・グループ会社などの出資・人事において深く関係している会社も含まれます。

⑦過去三年以内に、再就職手当や常用就職支度手当を受給していない

⑥と同様に受給ループに対する制限です。
(常用就職支度手当に関する説明はここでは省きます)
申請書の提出日や振込日でなく、就職日で考えます。

⑧給付制限期間の最初の1ヶ月間の就職は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職であること

給付制限期間がある方のみの条件となります。
7日の待期期間満了後、1ヶ月の間に就職した場合は、ハローワークからの紹介または職業紹介事業者の転職エージェントの方の紹介を通しての就職でなければ条件に該当しません。
こちらも内定日ではなく就職日で考えるため、就職日を調整することで不該当を回避できる場合もあります。

要点・確認方法

ぱっと見で8つもあって難しそう…と思われるかもしれませんが、特に注意すべきポイントは限られます。
多くの方の場合、ポイントとなる部分は②〜④および⑧あたりでしょう。
派遣社員の退職・就職を繰り返している場合などは、⑥も注意が必要です(派遣元が同じ場合は派遣先が異なっていても同じ事業所への就職扱いになります
なお、就職日・内定日・契約期間・前職の事業所との関係性は「再就職手当支給申請書」上に再就職先の会社から証明を受けることによって判断されます。
月初に土日があり月曜日からの出勤になるような場合は、就職日の認識がずれないよう事前に会社によく確認することをおすすめします。

再就職手当を受けるよりも失業給付を全部受け取り切った方が得?

再就職手当は最大でも70%なら残りの30%は受け取れないんだよね?
それなら就職せずに失業給付を全部受け取り切る方が金額としてはいいんじゃ…?と思われた方もおられるかもしれませんが、この残り30%分は全く受け取れないというわけではありません。

再就職手当を受給した後、その職場で6ヶ月以上継続して働き、なおかつそのお給料が前職のお給料に比べて低下していた場合、その差額を残り30%分から受け取れる「就業促進定着手当」という制度があります。

あるいは、再就職後何らかの事情でその職場を短期間で退職した場合、受給期間満了日(原則、前職の退職日から1年間)までの間であれば残りの日数分の受給を再開することができます。

上記はそれぞれ条件があるので、必ず100%全部を受け取れるわけではありませんが、早期に就職できれば再就職手当を受け取った上に再就職先の給与も発生する、という利点があります。
所定給付日数や基本手当日額によっては、再就職手当は100万円を超えてくるような場合もあるため、金額的にも再就職手当の受給を目指す価値はあるでしょう。

あとがき

今回までで、失業給付の受給について手続きから再就職後まで一通りの内容を書かせていただきました。
上記を読んで、「私の場合はこれはどうなるんだろう?」と引っかかる点があるのであれば、お住まいの管轄のハローワークの給付係に問い合わせるか、離職票や身分証を持って直接窓口に行くことをおすすめします。

このブログの反響によっては、今後期間限定で電話相談やチャット相談の出品を検討しています。
次回以降は、窓口でよく質問された内容や、離職理由にまつわることを覚書も兼ねて書いていけたらと思います。
ご興味を持っていただけた方はぜひ引き続きお付き合いください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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