4歳男児怪獣の襲来 その4

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コラム
こんにちは。
元保健室の先生、ちいこです。



先日アメリカに帰った、4歳の孫には
ASD(自閉スペクトラム症)という
発達障害があります。

久しぶりの娘と孫の帰国に喜んだのですが、
このASD怪獣との生活は、
私の気ままな独り暮らしに、台風襲来!
というほどのインパクトでした。

前回のブログで、医療機関で受診をして
ASD(の可能性あり)の診断が出て、
臨床心理士さんと面談を
したというところまで書きました。

その中で、「なるほど~!」
と思った、いくつかを紹介します。

✅目に見えるものは理解できるが、
 抽象的なことには指示が伝わりにくい
  ↓
 「おかたづけしよう」ではなく
 「時計の長い針が6のところまでに、
  恐竜のおもちゃをこの箱にしまおう」
 のように、具体的に指示する。
 しかも、タスクはなるべく少なく、
 目に見えるお手本があった方がわかりやすい

✅彼独自のマイルールがあって、
 それを崩されると、かんしゃくを起こす。
   ↓
 受け入れる場所と時間によっては
 なるべく受け入れてあげるが、
 できないとき(ほかに人がいるとき、
 急いでいるときなど)は、それができなかった
 悲しい気持ちは受け入れつつ、
 本人が解決できるように促す。
 例えば、マンションの2基あるエレベーターの
 左に乗り、自分で9階のボタンを押す
 というマイルールがあるが、
 他の人が乗っているときには
 ボタンが押せないときもあるので
 「ボタンが押せなかったのは残念だったね」
 と、気持ちを受け入れつつ、
「でも、他の人がいるときに、
 迷惑にならないようにするにはどうしようか」
 と、本人にも考えさせる。

✅かるた、オセロなど、ゲームに勝ちたい
 気持ちが勝って、ルールに従えない
   ↓
 一度ゲームを傍観させる。
 第3者目線で、とったりとられたり、
 勝ったり負けたりするのがゲームで、
 とられたり負けたりしても、
 楽しそうにしている様子を見せる。
 ゲームを楽しむためには、ルールに従う
 必要があることを感じさせる。

他にも、
✅集団生活では、園や学校の先生と
 よく連携をとって、できれば本人の
 「取り扱い説明書」のようなものを共有する
✅一度に多くを望まず、スモールステップで。
 本人が納得するのが大事

✅周囲の環境を整えることは大事だが
 障壁となりうることをあれもこれも取り払って
 あまり快適にしすぎると、
 社会性が育たなくなるので
 小さな障壁を乗り越えながら進むのが良い

当然と言えば、当然のことですが、
ASDの孫の、嵐のようなかんしゃく、パニックを
たびたび経験していると、心の余裕がなくなります。

自分たちだけが、困っている…
そんな気持ちにさえなってきます。

でも、時には専門家のアドバイスを求めたり
だれかに愚痴を聞いてもらったりする中で
親や家族が、心に余裕をもてれば
子育てほど楽しいものはありません。

この4か月で、4歳男児ASD怪獣は
幼稚園がすごーく楽しかったと言って、
アメリカに帰っていきました。

日本の幼稚園という集団生活の中で、
今まで経験してこなかった、
時には自分が我慢したり、人に譲ったり、
ルールを守ったりという経験を
ポジティブに感じたに違いありません。

でも、これで終わりではありません。
まだまだ彼にはこの先、彼には
試練が待っていることでしょう。

日本のばあばも、次に彼に会うときに
どんな怪獣に変身しているか、
わくわく・ドキドキ!
楽しみにしています。

おしまい


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