『独り』になるのが怖くて、本音が言えないとき

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こんにちは。心理カウンセラーをしています。

『独りになるのが怖くて、いつも周りに合わせてしまうし、
 他の人に嫌われないか、いつも不安です。』

周りの方との繋がりが無くなってしまうのが不安で、
どんなに疲れていても、本当はあまり興味が無くても、

友人からの誘いを断れなかったり、連絡を取り合ってしまい、
気づいたら、いつも自分の時間が無くなってしまうと、
ご相談いただいた方のお話です。

*私:「具体的にはどのような場面で、
 いつも周りの方に合わせてしまっていると感じますか?」
*ご相談者様:「本当は違うアイドルやドラマが好きなのに、
皆が好きなことを好きと言って、そのアイドルのライブに一緒に行くために、アルバイト代をつぎ込んでしまったり、ドラマを無理して見てしまったりします。」

*私:「ご自身は、そんなに興味がないのに、ご友人達に合わせてしまうんですね。」
*ご相談者様:「グループLINEでもそうなんです。本当は早く寝たいときに、みんなのやり取りが盛り上がっていると、会話に参加しなきゃって無理をして、夜中まで頑張ってしまうときもあります。」

*私:「みんなと同じことをしないと、ご友人達にどう思われてしまうと感じますか?」
*ご相談者様:「みんなと『違う』と思われたりとか、自分勝手だと思われてしまうんじゃないかと思います。」

*私:「ご友人達と『違う』と思われると、どうなってしまうと思いますか?」
*ご相談者様:「仲間外れにされて、独りぼっちになってしまうと思います。」

*私:「みんなと意見や気持ちが一緒だから、みんなと一緒に過ごせていると思うのですね?」
*ご相談者様:「そう思います。だって、意見が違うなんて、上手くいくわけないですよね。」

*私:「意見や気持ちが違う人がいると、どんな風に上手くいかないと思いますか?」
*ご相談者様:「意見がぶつかったり、意見が違う人だけが浮いてしまったり、同じ意見同士の人で、違う人のことを、陰で悪く言ったりしてしまうとか。」

*私:「なるほど。確かに、そういう状況が起こると、きれいにまとまらないし、ギスギスとしてしまう感じはありますね。」
*ご相談者様:「ギスギスと雰囲気が悪くなるだけで、居心地悪くなりませんか?」

*私:「確かにそうかもしれません。みんなが一緒の気持ちで同じ意見を主張し合ったら、雰囲気も悪くならないし、一体感で安心するかもしれません。
*ご相談者様:「自分が少しだけ我慢すれば、波風立てず、丸く収まります。」

*私:「確かに、その方が穏やかに過ごせる感じはしますよね。例えば、
ご相談者様が、みんなに事情を話せないという状況で、みんなと同じ行動をとれないとき、どんなことが起こると思いますか?」
*ご相談者様:「友達に『距離を置こうとしている』と勘違いされたり、
最悪、自分勝手だと嫌われてしまうかも。」

*私:「つまり、いつもご相談者様が努力をして、みんなに合わせて一体感を得られていた関係性でも、いざ、ご利用者様にどうしようもない事情があったとき、その関係性は崩れてしまうかもしれないと思ったのですね。」
*ご相談者様:「…そうですね。」

*私:「違う行動とったり、意見を伝えた途端、自分勝手だと仲間外れにされたり、崩れてしまう関係性って、かなり気を遣いませんか?」
*ご相談者様:「…だから、いつも私、無理をして疲れるんですね。
でも、自分の意見を主張して気まずくなったり、独りになるのは怖いです。」

*私:「そう感じるのは、無理もないと思います。仲間に囲まれているほど、安心します。
ですが、『本当の気持ちが分からない仲間』に囲まれているのと、
『意見が違って、ときどきケンカをしてしまうことがあっても、
お互いの気持ちを理解し合えている仲間』に囲まれているのでは、
どちらが心から安心しますか?」
*ご相談者様:「ケンカは嫌だけど、お互いの本当の気持ちが分かった上で、それでも、一緒にいれる仲間の方が安心する感じはします。」

*私:「ケンカが嫌な理由はなぜでしょうか?」
*ご相談者様:「相手と気まずくなります。ケンカ別れしてしまうかも。」

*私:「気まずくなったからと、もしお相手がご相談者様との関係性を断とうとしたとき、お相手はどのように考えて、そのようにすると思いますか?」
*ご相談者様:「私と向き合うことや、関係を改善しようとすることが面倒になったからとか。」

*私:「もし、お相手の方が、本当の意見を伝えたことで、ぶつかった結果、関係性を修復することや、その努力を面倒だと感じて、離れて行ってしまう方だった場合、ご相談者様はその方と関係を維持したいと思いますか?」
*ご相談者様:「あまり思いません。自分と向き合うことが面倒と感じる人と、努力して関係を継続していても、本当の意味で、気持ちが分かり合える関係になるのは、難しいと思うので。
 これから少しずつ、自分の正直な意見を友達に伝えるようにして、心から繋がれる関係を築きたいです。」


ご相談を始めたときは、ご自身の正直な意見をご友人に伝えることが不安だと、おっしゃっていたご相談者様ですが、

実は、ご友人達と心から向き合える関係が築けていないと、どこかで感じておられました。

『仲間に囲まれていたい』
『一人ぼっちなんて、寂しい』

と感じて、無理をしながらも周りの人と関係を築こうと、努力されている方は、多くいらっしゃるかと思います。

それは、私たちが協調性を大切にすることを、
学校や教育の中で、子供のことから教わってきたことも、
その要因にあるかもしれません。

心のどこかで、『独りぼっち=寂しい人』と、
意識してしまっているからかもしれません。

同じ意見の人に囲まれると、衝突を避けられるので、安心します。
ご相談者様も、学校生活やご友人と過ごされるなかで、
『協調性』を大切にされていました。

ですが、どこかでそのお付き合いが『疲れる』と感じ、
疑問を抱かれ、ご相談くださいました。

ご相談を通じて、ご自身が関係を維持するために無理をしているのは、
『仲間外れにされることが怖い』という不安感が理由になっていたこと、

自分の本当の気持ちに蓋をして築いた関係性は、
意外と『脆い』ものだと気づかれたこと、

そして、『心から分かり合える関係をご友人たちと築きたい』と、
ご相談者様が、ご自身の本当の気持ちに気づかれたことで、
少しずつ関わり方を変えていきたいと、
心から望まれて、前向きに目標を定めておられました。

その晴れ晴れとした素敵な表情に、
私自身も、とても勇気をいただきました。

きっと、自分の意見を臆せず伝えると決意されたご相談者様には、
これから様々な、別れと出会いが待ち受けていると思いますが、

いつか本当に分かり合える、素敵な関係に出会えることを、
心から願っております。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

近頃はだんだんと、朝晩の冷え込みが強くなってきました。
どうぞ、皆さんもご体調を崩しませぬよう、
ご自愛ください。
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同じ悩みを繰り返しやすいとお思いの方、
自分で気持ちの整理をつけることが出来るようになりたい方、
少しずつ自信をつけて変わりたいと、お思いの方におすすめです。

よろしければ、お試しください。


※こちらに記載した内容は、ご相談者様にご承諾いただいた上、記載させていただいております。
 また、ブログを不特定多数の方々がご覧いただくことを考慮し、会話の文言を一部、省略・変更させていただいている場合がございます。

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