必要以上に自分を責めてしまうとき

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コラム
こんにちは。心理カウンセラーをしています。

 臨床時代もそうでしたが、今は、カウンセラーとして、
ご相談者様とお話させていただくことを通して、私自身も大切なことに気づかせて頂いたり、一緒に感動を味わう機会をいただいたり、いつも、多くを学ばせていただいています。
 ご相談者様には心から感謝しております。本当にありがとうございます。

 ブログを書き始めて間もなく、読みずらいところもあるかと思いますが、少しずつ、ご覧いただく方も増えてきました。
 いつもご覧いただき、ありがとうございます。
これからも、少しずつ書き進めていけたらと思っています。よろしくお願い致します。

今日は、『いつも自分を責めやすく、落ち込んだ気持ちを引きずりやすい。』と、ご相談いただいた方のお話をご紹介したいと思います。

職場に就職して10年以上が経過し、時折、後輩の方を指導しながら、
業務にあたっておられるという、穏やかで優しい印象のご相談者様でした。

*私    :「どういった出来事があったときに、
        ご自身のことを責めて考えることがありますか?」
*ご相談者様:「何かミスをして、誰かに迷惑をかけてしまったときです。
        仕事の業務でミスをしたり、自分の配慮が欠けていて、
        誰かに嫌な思いをさせてしまったりしたときです。」

*私    :「例えばミスによって、誰にも迷惑は掛からず、
        ご自身だけが困るような状況になる場合はいかがですか?」
*ご相談者様:「その場合は、あまり気になりません。
        すぐに反省して、次に生かそうと前向きに考えることができるときもあります。」

*私    :「そうすると、『誰かに悪い影響が出てしまったとき』に、
        ご自身のことを責める気持ちになるのですね?」
*ご相談者様:「そうですね。自分のことが嫌になるくらい、
        情けない気持ちになります。」

*私    :「そういう気持ちになると、お辛いですよね。」
*ご相談者様:「自分を責める気持ちが次々湧いてきて、
        自分がこれまでにしてきた、良く出来た事とか、
        成功した事とかが、見えなくなってしまうんですよね。」

*私    :「ただただ、自分は悪いという気持ちになるのですね?」
*ご相談者様:「ずるずると、一日中、その気持ちを引きずります。
        切り替えが、上手くないんでしょうかね?」

*私    :「ご相談者様は、誰かに迷惑をかけるような失敗をしたときに、落ち込みやすいと、おっしゃっていましたね?」
*ご相談者様:「そうです。誰かに自分の失敗や未熟さのせいで、
        迷惑をかけたときなどです。」

*私    :「もし、目の前の人が一生懸命仕事をこなされていた上で、
        ミスをし、周りに多大な迷惑をかけてしまった人がいたら、
        どう感じますか?」
*ご相談者様:「私も時々ミスをするので、相手の焦る気持ちや、
        情けない気持ちなどはわかりますので、
        同情する気持ちでしょうか?
        何とか私の方で、ミスをカバー出来ないかと考えるかもしれません。」

*私    :「ミスをすること自体は、どう感じますか?」
*ご相談者様:「明らかに、業務を怠っていた上でのミスでない限り、
        あまり責める気持ちにはなりません。」
*私    :「ご相談者様の周りに、『失敗をしても何事も無かったかのように平然としている人』と、『失敗をしてから、ずっと落ち込んでいて、暗い表情をされている人』と、『失敗をしたけど、すぐに自分のミスを認めたり謝り、いつも通りに業務をこなしている人』がいるとすれば、
        どなたを一番、心穏やかに、見守っていれますか?」
*ご相談者様:「周りに迷惑をかけたのに、ただ平然とされているのは、なんだか癪ですね。暗い顔で、ずっと落ち込んでいられるのも、気を遣う感じはします。反省をして、すぐに、いつも通りに業務をこなしている人だったら、気を遣わずにいれるし、助かります。」

*私    :「『自分のミスを認め、対処し、すぐにいつも通りの自分へ戻られる方』が、 周りの方にとっても、気を揉まずに済む、よい反応と感じておられるのですね?
*ご相談者様:「この三者でしたら、そうですね。」
*私    :「ご相談者様のミスは、周りの方にとっても、取返しのつかない結果となることが多いのですか?」
*ご相談者様:「ちょくちょくミスはしますが、そこまで悪い結果になることはないです。…私、自分に厳しすぎたんですね?」

ご相談の途中から、ふっと気づかれたように、笑みを浮かべながら話しておられましたが、最後にそうおっしゃり、
ご自身に厳しくなる理由として考えられものとして、子供の頃のエピソードを話してくださいました。

子供の頃、勉強が苦手だったご相談者様は、お父様に熱心に勉強をお教えいただいていたそうです。

お父様は、大人になってから困らないようにと、ご相談者様が途中でやめたくて泣いても、
出来るようになるまで、勉強に付き合ってくださっていたそうです。

お仕事がお忙しいお父様は、早く夕飯を済ませ、就寝したいはずなのにと、
ご相談者様は、申し訳ない気持ちでいっぱいでいたそうです。

そうして、夜遅くまで教えてもらったのに、教わった通りにできず、
いつも情けない気持ちでいたこと思い出されていました。

自分のできないことで、お父様にいつも迷惑をかけてしまっていたという、
悔しくて、情けないという気持ちが、思い出と共に、ご相談者様の脳裏に焼き付いていたことが、
このお悩みに影響を与えていたのかもしれません。

小さい頃のエピソードや経験を通して感じたことが、
大人になってからの考え方や習慣に、無意識のうちに影響を受けていることは、よくあります。

このご相談者様は、周りの方のミスには寛大に考えておられるのに、
ご自身の失敗やミスにはいつも厳しく考えておられました。

ミス自体は周りの方にそんなに大きな影響は無くとも、無意識のうちに、失敗やミスは、必ず誰かに迷惑をかける結果になると感じられ、必要以上にご自身を責めて考える癖がついておられました。

質問にお答えいただいている内に、ご自身にだけ厳しく考えておられることに、ふっと気づかれ、
同時に、子供の頃のエピソードが鮮明に思い出されたそうです。

そのエピソードが原因とは言い切れませんが、その時の感情と、
仕事でミスをしたときの感情が似ていたとおっしゃり、
『大人になった今の自分なら、あの頃の自分に
「そんなに頑張らなくていい。間違っても大丈夫。」と、言ってあげたと思う。』
と、最後に述べられていました。

お悩みの原因が、無意識のうちに身についた考え方や習慣にある場合、
まずは、そのことに気づくことで、お悩みが軽減される方もいらっしゃいます。

カウンセリングでは、医療現場でも用いられる、
認知行動療法を用いて、このように、ご自身で『気づくこと』を大切にしています。

そして、その『気づき』を、次の行動に反映し、
いつもとは違う結果を得ることで、さらに成長したり、
新たな気づきを得ることで、少しずつ、
お悩みを軽減し、自信をつけていくことを目標にしています。

同じ悩みを繰り返しやすいとお思いの方、
自分で気持ちの整理をつけることが出来るようになりたい方、
少しずつ自信をつけて変わりたいと、お思いの方におすすめです。

よろしければ、お試しください。

※こちらに記載した内容は、ご相談者様にご承諾いただいた上、記載させていただいております。
 また、ブログを不特定多数の方々がご覧いただくことを考慮し、会話の文言を一部、省略・変更させていただいている場合がございます。

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