女性相談所…シェルター…。
そこは私にとってとても気持ちがゆっくりした場所になった。
朝起きて、子供を着替えさせ朝ごはんを食べる、歯を磨いて部屋を掃除したり、洗濯をしたり…。
そして子供たちを遊ばせる。
お昼ご飯を食べて、お昼寝させて、おやつを食べて遊ばせる。
夜はご飯を食べて、お風呂に入り、三人で川の字になって寝る。
そんな何気ない生活も今まではできなかった…。
何日かすると、一人のおばさんが話しかけてきた。
そのおばさんとはすごく仲がよくなった。
口は悪いけど悪気がない、さっぱりした性格の人だった。
年齢は…50代くらいの人。
その人は自分からどんな理由でここに来たかを話してくれた。
その人は知人からの嫌がらせで家が火事になって全焼したそうだ。
それで急遽ここにきたらしい。
知人は捕まったのかどうかもわからず不安だというのだ。
そのおばさんをi子さんとよぶことにします。
i子さんは子供たちにも優しくしてくれた。
外で遊ばせたいから自分が付いてい行くから外に出してやってくれ、などと職員に頼んでくれたりした。
職員からは30分だけ、という条件を出されたが、それでも子供たちにとっては嬉しいことだった。
1週間くらいずっとシェルターの中にいたから子供たちも大はしゃぎだった。
すぐ近くに公園があったのもありがたかった。
生後6か月の息子はベビーカーを借り、ベビーカーで移動した。
そうして、数日経った。
その間、何もしないわけではない、
仕事を探したり、保育園を探したり…、色々なことをしていた。
けれど、車もない、特別な資格があるわけでもない、離婚もまだ済んでない状態、仕事などあるわけがなかった…。
ましてや中卒…。
子供が病気になったときに預けられる人もいない。
アルバイトすら見つからなかった…
この先どうしよう…
シェルターもずっと居られる場所ではないことは最初から言われていた。
もう時間がない…
ここにきて、二週間が経とうとしていた。
職員の方もシェルターに居るみんなの今後のことで何かたくさん会議しているようだった。
そして、ある日私だけ会議室のようなところに呼ばれた。
「あなたもわかっていると思うけど…ここに居る期間が迫っているのね、それで色々探したりしたじゃない?けれど一向に進まないのもわかるよね?なにをするにも子供がいたら身動きとれないと思うのよ、それで、子供たちを施設に預けることにしたらどうかなと思ってね…。私たちも一緒に居てほしいんだけど、何をするにも不利な条件すぎて…。子供の身の安全も考えてね…。お母さんがまずバイトでもいいから見つけてアパートを借りて、落ち着いたら子供を引き取りにいけばいいと思うの。」
……子供を施設に??
他に選択肢はないのか、どうすればいい!!
一瞬で色々なことを考えたが、その色々なことは全部してきた。
それでもダメだったんだ…。
職員の人も私たちのために色々動いてくれた、それもわかってる、そこに感謝ももちろんしてる…、
だけど施設だけは…避けたい…
けれどもうどうすることもできないのも事実…
私は承諾した。
ショックすぎた…。
娘の3歳の誕生日目前だった。
3歳の娘と6か月の息子は行く施設が違うらしい…。
離れ離れにしてしまう。
私はその夜、声を殺して泣いた。
子供たちにバレないように…。
もう一緒に死んでしまおうか
施設に預けるくらいなら
一緒に…。