子供の学校の予定表を見た。
「今日、避難訓練かぁ」。
ふふ。
笑ってしまったのは、
私が小学生だった時の避難訓練を思い出したから。
ジリリリリリ!!と、非常ベル。
「只今、火事が発生しました。
皆さん、グラウンドに避難してください」と、校内放送。
マンモス校だったので、1000人を超す児童と
大勢の先生が一斉にグラウンドに大移動。
私のクラスは4階の一番奥の教室。
1階まで階段を下りて、
長い廊下を越え、
グラウンドまでは
なかなかの距離。
グラウンドに出ると、
クラス毎に整列し、
1,2,3,…と点呼。
「あれ?
うちのクラス、一人足りない?」
おかしいな。
もう一回点呼。
1,2,3…。
「やっぱり一人足りない!」
「誰が居ないの!?」
「アマノ君が居ない!!」
「あ、ホントだ!居ない!!」
「アマノく~ん!」
「アマノ~!!」
先生たちは、
校舎内や学校の周りを探し回り、
1000人を超す児童は、グラウンドで待機のまま
その様子を眺めた。
「アマノ君は運動が苦手で
スローペースだから
どこかで怪我してるのかな…。」
「転落してたりして…」
みんなの心配はどんどん膨む。
想像力も枯渇した頃、
グラウンドにひょっこり
アマノ君が現れた!
「あ!アマノ!!」
誰かが指さした。
先生達が駆け寄った。
アマノ君に怪我は無いようだ。
担任の先生が、
顔を真っ赤にして口を尖らせ、
「アマノ!!何してた!!」と
怒鳴った。
アマノ君は
「あ、うちに帰ってました~」と
普段のテンションで、ボソッと答えた。
担任の先生は言葉ではなく
何かの動物が乗り移ったかのように
見たこともない表情をして
聞いたことのない鳴き声を連発していた。
これが訓練?
と緩い感じになりがちな避難訓練が
思いがけず、想定外発生の訓練になった記憶は
いまだに懐かしくて、笑える。