運も実力のうち⑤~ソムリエが語るウイスキーの話~
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コラム
今回はカナディアンウイスキーの話です。
カナダのウイスキーは18世紀ごろ生産が始まりました。穀物が過剰生産となり余った分でウイスキーを造り始めました。ただ、当時のウイスキーはお世辞にも良品とは言えず、かなり粗悪なものだったと言われています。
現在はもちろん素晴らしいウイスキーを造っていますし、もちろん現在の法律では、当時造られたものはカナディアンウイスキーとは認められません。
そんなカナディアンウイスキーですが、他のウイスキーにはない特徴があります。それは全くウィスキーとは関係のない香味液を規定量内で用いる場合があるということです。香味液はワイン、ブランデー、シェリーが例に挙げられます。これによって、とてもフルーティーで芳醇なウイスキーとなります。
このように個性的で高品質なカナディアンウイスキーは、何がきっかけで大きく成長したんでしょうか?
アメリカの禁酒法です。この時代にアメリカに盛んに密輸をし、成長のきっかけとなりました。たくさん造ると技術や効率もどんどん上がっていきます。
そして第2次世界大戦後、このフルーティーなウイスキーは世界中で好まれます。品質も高く、世界で人気が高まりました。
ということで前回のクイズの答えはカナダからウイスキーを密輸でした。
これまでスコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダが出てきましたが5大国なのであと1か国ですね。どこだと思いますか?