運も実力のうち③~ソムリエが語るウイスキーの話~

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5大ウイスキーの2つ目、今回はスコットランドのお話です。

蒸留の技術はアイルランドから入ってきたようです。アイルランドと同じくビール文化の国です。良質な水が豊富で、ジンという蒸留酒はイギリス発祥です。スコッチウイスキーの転機は大きく2つあります。

まず1つは酒税です。当時の国王はあるとき、ウイスキーにとんでもない税金をかけます。税率は15倍だったという説もあるようです。日本の消費税っぽく言うと、税抜き1000円、税込み15000円です。この目的はフランスとの戦争資金捻出のためだそうです。こうなると正攻法でお酒を造るととんでもない税金をかけられます。こんな高額な税金をかけられると、こっそりばれないように造りたくなるものです。そうです。密造が発達していったのです。一時期は消費されているウイスキーの半分以上は密造だったそうです。この時代に密造業者の製造技術が大きく発展し、品質は正規業者を凌駕したと言われています。

ちなみに、現在はもちろんそんな高い税金がかかっておりません。酒税法改正のきっかけは、当時の国王があろうことか密造のウイスキーを愛好してしまい、王が密造酒を好むことはあってはならないと税率を引き下げたと言われています。

2つ目の転機は、ぶどうの壊滅です。当時のヨーロッパ上流階級の間では主にワインやブランデーが愛好されていました。そしてフィロキセラという病気がヨーロッパ全土のぶどうに感染しほぼ全滅に追い込みます。ワインの生産はできなくなります。同時にブランデーの生産もできません。それに代わるものとしてウイスキーが爆発的な人気を博しました。結局みんなお酒飲みたいんですよね。

ちなみに現在でもヨーロッパ原産のぶどうは100%フィロキセラに感染します。ぶどうの苗木の下部はアメリカ原産の木を接ぎ木します。

品質はもちろん高いスコッチウイスキーですが、偶然が重なり現在の地位を築いています。
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