かなーり前なのですが、漫画家の、ますむらひろしさんの講演会に行ったことがあるんです。
たまたま偶然にどこかの広報で「ますむらひろし講演会」の案内を見かけ、応募したんですね。
ますむらひろしといえば「アタゴオル物語」とかヨネザアドとか・・・知ってる人は好きよね。
雑誌「MOE」に連載されていたのを思い出します。
講演のテーマは、宮沢賢治と、その作品についてという感じだったと思います。
アニメ「銀河鉄道の夜」の制作裏話的なお話だった。
ご存じの方も多いでしょう。子どもの時に見た、学校の映画会などで見た、という人も多いのでは?登場人物が猫になってるやつです。
講演の内容はほとんど覚えていないのですが、一つだけ「すごいな!」という感動と共に忘れられない話があります。
アニメ化するにあたって、ますむらひろしさんは徹底的に原作を読みこんだ。
そして、実際に映像化するわけですよね。
彼は気が付いたのです。
宮沢賢治の作品の中の描写を忠実にたどると、その季節、日付、時間まで分かってしまうということに!!
これってすごくないですか?
私、この話を聞いたとき、震えがくるほど感動したんですけど。
宮沢賢治は、作品を書く時に、誰が気が付くか分からない方法で、細かい情報を作品の中に描いていたんです。そこまで読み込む読者がいると信じてたというよりは、ご自身のこだわりだったかもしれません。
その気にならないと、見つけられない方法で、秘密の暗号みたいな方法で、彼は読者に、いや、読者の中の数人の気が付いた人だけに、特別に教えてくれていたんですね。
「君の読み方が正しいよ」って。
「よく見つけたね」って。
ますむらひろしさんは、映像化することを前提にして読み込んだからこそ、気が付いたわけです。
もしかしたら、その前にも星座の知識が豊富な人、文字情報から空間を組み立てる能力のある人なら、気づいた人がいたかもしれません。
「うわ、すごいな!」とその秘密の暗号を読み解いた達成感で、きっと震えがきたと思います。
宮沢賢治と直接つながったような気がしたはずです。
その瞬間、時間も空間も、そういう概念、全部吹っ飛んだでしょうね!
・・・いいなぁ。私もそういう体験、してみたい。
時代が違っても、時を超えて、分かる人だけに分かる。
分からない人には、見えないし、気が付かない。もちろん、分からなくても何ら変わりはありません。分かったとしても、別にそれで何か得するとかいう話じゃないです。
宮沢賢治さんも、誰も気が付かないだろうって思ったかも?
だけど、誰かが気が付いたら楽しいだろうなって思ったかも?
こういう秘密って、探せばどこかにあって、見つかるのをワクワクしながら待っているかもしれませんね。
私もいつか、こんな秘密を見つけてみたい・・・
直につなかった感覚、味わってみたいですねぇ。
いくらお金を持ってても、どんなに長く生きていても、どんなに頭が良くても、どんなに美しい見た目だとしても、背が高くても低くても、太ってても痩せてても、女でも男でも、結婚しててもしてなくても、子供がいてもいなくても・・・そんなの意味ないです。
こんなワクワク感に比べたら、そんなの、どーだっていいです。
気づかない人には意味がないこと、気づいた人にだけ意味があることなのです。他の人とシェアできない、自分だけの秘密の体験ですからね。
一つの作品、作品だけじゃなくて、いろんなものの中で、視点を変えて見たら、別の発見があるかもしれないです。
今までの印象をガッコンと壊してしまう、そして、なんで今まで気が付かなかったんだろうと不思議に思うほどリアルな像が新たに見えてくるかもしれません。
宮沢賢治から、ますむらひろしに繋がった一本の線、この先、また誰かに繋がるのでしょうね。
外国語に翻訳した人、これに気づいたかな?気づいた翻訳者さんっているかな?いたら素敵ね!宮沢賢治の秘密のメッセージが、外国の、どこかの読者さんと繋がるかも!!
ポストカードのドイツ語暗号解読、一枚目は、スウェーデンのカロリンスカ病院のパパからチューリヒの娘へ。
二枚目は、ロンドン大学、息子からブレーメンに住む母親へ。
そして最後の三枚目は・・・?
次回、再びドイツ語暗号解読。これが完結編!
この三枚のポストカード、依頼者様はもっとたくさんのポストカードを持っていらっしゃるそうです。すごい労力をかけて、目的にかなうものを探したそうです。
いったいどんな基準でコレクションをしてらっしゃるのでしょうか?!
気づいた人が「ウフフ」って気持ちになったら楽しいので、私の口からは言わないでおきます。
今のところ、このポストカードの関連性を知っているのは、依頼者さまと、依頼者様の近しい方、そして私だけなのです♡
次回、ドイツ語暗号解読 「新世界より」。
ただいま絶賛書き溜め中!
乞うご期待!!