ドイツ語暗号解読 癖字のW、悲劇の予感③

記事
コラム
思い込み+想像力=∞勘違い
この法則は、今回のお仕事での教訓といたします。

さて、次の土曜日、私は張った網からいい情報を得ることができました。
知り合いのドイツ人の数人に協力をお願いしていましたが、返信が来ていたのです。
外出から帰ってウキウキと返信を確認してみました。

だが、「ごめーん、全然分かんない」「最初の宛名しか分かんない」。
さほど期待してはいなかったものの・・・さすがにガッカリ。
でも、最後の一人が、「スイスドイツ語だからもしかしてと思って調べたんだけどー」と、有力な手掛かりになる情報を提供してくれたのです。

ポストカードの本文、最初の方にS・・・と読める部分があるのですが、「これってSpitalじゃないかな」って。
カバー画像の写真をご覧ください。

なんすか、シュピタールって?と辞書を引いたら、スイスドイツ語で「病院」という意味であると分かった。
ドイツ語で「病院」はKrankenhaus,Klinikum,Praxisがよく使われますが、
Spitalなんて初めて聞いた!
だけど、英語で病院ってHospitalだから、なんかラテン語的な関係があるかもね。

こ、これだよ、君!これこれ!!
依頼主様の情報からも、病院関係者であると分かっていた。だったら、病院を指す言葉が出てくるのは不思議じゃない、むしろ当然と言えば当然!
さすがドイツ人!本場のドイツ人は違うね!!

スイスドイツ語ってどこまで普通のドイツ語と違うのか、底が見えないところが恐いですよね。
今度から、依頼にスイスっぽさがちらっとでも混じったら、断る方が無難かもしれない(→勉強しろよって話なんですけどね)
ドイツ人にとっても、手書きの文字、スイスドイツ語は解読が難しいようですね。

そして、私は私のイースター仮説のまま、ポストカード本文の訳を試しに書いてみたのです。

親愛なる〇〇へ
パパが働いている病院では、常勤医の上にドクター・アドミラル(提督)がいます。この提督はどうして私にカードを書いたのでしょうね。
面倒ごとを引き受けたのが、この提督だったのでしょう。
君に頼みたいことがあります。ママによろしくと伝えて。
おじさんの住所が・・・・・・(→不明)
バイバイ イースターおめでとう
君のパパより

まとまりのない内容だが、家族内ならこういうこともあるだろう。
私はこう思った。
パパが働いているスウェーデンの病院に、「アドミラル・提督・海軍大将」とあだ名をつけられている偉いドクターがいる。そのアドミラルは、パパの上司にあたる人という意味かなと解釈した。

そもそも、パパがスウェーデンに来たのは、このアドミラルの招聘だった。
実際呼ばれて来てみたが、確かに病院は混乱している。これをどうにか収めようと、アドミラルとパパは奮闘中・・・という状況なのではないか?

「パパのお仕事どうですか。頑張ってね!娘より」、そんなイースターの手紙の返事に「でへへ、パパってすごい?」みたいな自慢を遠回しに書いてしまったのではないだろうか・・・。

ほら、ドラマとかでもありがちじゃないですか。
あんまりデキのよくないサラリーマンが、家庭で見栄はって「部長から頼られちゃってさぁ、信頼されてるのよ、俺。ダハハ」と大風呂敷広げるシーン。
たいてい、その後、ダメサラリーマンは会社の金を横領したり、取引先にハメられたり、同僚に裏切られたり・・・散々な目に遭う展開です。
※阿部サダヲさんでお願いします。

パパに手紙を書ける年齢といったら、小学生以上。
そして、パパは、娘にあてて「パパが働いているところではー」とか書いちゃってるから、娘は中学生以下であろう。10歳前後の娘さんじゃないかな。

と、自分で色々納得して「うんうん、私はよくやったよ、短時間でここまで形になるなんて~」と一人悦に入っていたわけだが。。。。
えぇ・・・・これ、今となっては大変恥ずかしい大幅にズレまくった勘違い、ひどい間違いなんです!

我ながら、この無駄な想像力をなんとかしたい・・・。絶対、私、この先このアホな想像力で大ケガする!!自信ある!
思い込み+想像力=∞勘違いの法則です。
あぁ、恥ずかしい。
これを依頼主様に送ることはしなかったので、良かったとしておこう。

またまたつづく
次回、妄想世界の完全崩壊!モクゲキセヨ!!

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す