ほんとうにあったかもしれない怖い話『スマホを置いていただけなのに』
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真冬なのに
何故か暑くて寝苦しい夜
あまり眠れそうに無い
突然の金縛りにも
驚かなくなっていた
動けなくなる瞬間に
身体を起こそうとしたが
手遅れだった
今日は
いつもと何かが違う
枕元にスマホが置いてあって
自分の指紋が
たくさんついているのが見える
スマホから
何か小さな音が聴こえる
指紋がうねうねと動き出して
音量ボタンに集まった
段々と音が大きくなって
人間の声だと認識する
何を言っているのかは
黒く歪んでいて聴き取れないが
どんどん大きくなっていく
困ったな
これでは近所迷惑になってしまう