ケンカを有効活用する方法

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うつ病の家族が相手だと、今まではスルーしていたような言葉に敏感に反応して、場合によってはケンカに至ることも少なくないでしょう。

しかし、ケンカすること自体は「悪」ではないと思います。
ケンカした時は、折角なのでため込んだ本音を共有し合いましょう。
そのときの注意点は「人ではなくテーマを意識して」「アイメッセージ」で伝え合うこと、です。


1.ケンカは理由より「きっかけ」の力が大きい

一緒にいる時間が長く、関係性が近ければ、お互い楽しいことばかりではありません。
違う人間同士なのですから、感情がすれ違ったり、優先順位が違ったり、好き嫌いが異なることでケンカに繋がっても不思議ではありません。

多少の行き違いではなく、ケンカのレベルにまで至ったそもそもの理由はなんでしょう?
・言い方が気に入らない
・タイミングが悪い
・責められた感じがした
・ずっと我慢してきた(我慢が限界)
など、理由よりは「きっかけ」のほうが大きいのではないでしょうか。


2.ケンカの場を相互理解のために有効活用する

普段からスムーズにお互いの気持ちを共有し、気遣い合えているならあまりケンカになることも無いでしょう。
または価値観や優先順位が似ているなら、ぶつかることも少ないかもしれません。

ただ、どちらかがうつ病などの精神疾患状態だと、以前は問題なかったと認識していた言葉や状況がトリガーになってケンカに発展することもあります。

「ケンカしないように」生活するのは、逆にお互い窮屈になってしまうので、おススメできません。
あえてケンカする必要はありませんが、結果としてケンカに発展することを怖がり過ぎないほうがいいと考えます。

もしもケンカ状態になってしまったなら、そこは逆に有効活用しましょう。
上記で書いたように、きっかけとして「ずっと我慢してきた」ことがあるなら、今こそそれを伝えるチャンスではないでしょうか。

なぜ我慢してきたのでしょう?
言えばケンカになるから言えなかった、のではないでしょうか。
言わずに放置して忘れられるような事柄なら問題ありませんが、自分の中に秘め続けて爆発してしまうとしたら、それは相手に理解して欲しいと思っていた重要な事柄なのではないでしょうか。


3.ケンカを相互理解の場にするための注意点

ただお互いをののしり合う場にしてしまうか、お互いの価値観をぶつけ合って研磨して今後の生活の役に立てるための話し合いの場にするか、は、以下のポイントで変わってくるでしょう。

①人を責めるのではなく、テーマについて意見を出し合う
ケンカは当然感情が激化しているので、つい言葉が鋭くなります。
その矛先が相手の人格へ向かうと、ののしり合いの場になってしまいます。
鋭く切り込むなら、相手の人格ではなく、ケンカになっているテーマへ切り込みましょう。

②可能なら一度ブレイクタイムを入れる

経験がある人もいると思いますが、ケンカは始めるとノンストップです。
特に制限時間がない家族や夫婦なら尚更です。
トイレでも飲み物持ってくるのでもいいので、途中で休憩を入れることをお薦めします。
相手の言い分や、自分が言った言葉を振り返ることで、本当に言いたいことが浮かび上がってきます。

ここで1点注意したいのが、片方だけ家に残して外出する、ということは避けましょう
特に相手がうつ病の場合、目を離した瞬間に予想外の行動に出ることがあります。


③アイメッセージで伝える

「アイメッセージ」とは、『「私(アイ)」を主語にして、メッセージを伝える』ことです。
(引用:リクナビNEXT)

私は〇〇だと思う・考える、と伝える方法です。
逆の「ユーメッセージ」は、
「あなたは〇〇だ、〇〇と考えている(それは間違いだ)」のような言い方や伝わり方になり、言われた側は自分が批判・拒絶されたと感じ、聞き入れることが難しくなります。

自分の考えや価値観を伝える場にしたいのですから、相手を批判するのは二の次でいいです。
「私は〇〇と思った・感じた」という言い方を心がけてみましょう。

勿論ケンカしないに越したことはありません
ただ、ケンカを回避したいがためにお互いの本音を隠し通して生活していると、自分が隠している辛さばかりではなく、『相手も隠し事があるのではないか』という疑念を持つ場合もあります。

お互いの尊厳を認め合いつつ、親しい関係だからこそできるケンカという交流を、無駄に怖がらずに有効活用しましょう。


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