収集癖…恥ずかしい…でも認知症だから仕方ない?

記事
コラム
ある日、父のポケットが紙だらけ…

認知症を持つ父はある時から紙類を異常に集めるようになりました

はじめは家にあるティシュやトイレットペーパーを

自分のポケットに入れたりタンスに片付けたり

しかし最近では外出先のトイレットペーパーやペーパータオル

紙ナプキンまでたくさんポケットに入れて持ち帰り

自分の部屋のあちこちにため込んでいます

他の人に迷惑をかけてはいけないので

外出を控えるようにした方がいいのでしょうか

今は紙類だけですが

そのうち色々なものを持ちかえるようになるのでしょうか

心配しかないです…

こういった症状を治す事ってできますか?


こんな相談がありました

収集癖は認知症に見られる症状の1つです。特に紙類は良く聞きます

集める事で不安を解消するなどそれぞれの理由があります

まず、何故紙を集めるのか

本人の行為を否定せず観察してみましょう


収集癖が現れる理由

収集癖と言っても、その人によって集める物や

集める理由がそれぞれです

収集癖の代表的な理由を挙げてみます


*物があったことを忘れてしまい、集める

集めたものをどこかにしまい込んで、それを忘れてしまい

使わず溜まっていくパターンです。

結局使いきれないほどスーパーの袋や紙などが

集まってしまうことがあります


*もったいない、そんな感情で集めてしまう

使い捨ての物(割りばし、プラスティックスプーンなど)を

再利用しようとして集めたり、ゴミやがらくたを

また使えると思い集めたりします

使用済みの尿取りパットをまだ使えると思い

ため込んでる人もいました

物を大切にすることを美徳と考え

自分は賢く正しいと思われていますが

結局活用できず溜まってしまう


*不安を解消するために集める

一般的に物はないよりたくさんあった方が

落ち着きやすいのではないでしょうか

「なくなったら困る」「たくさんあれば安心」

と考える認知症の方も少なくありません


*代償行動として集める

代償行動とは、自分の叶えられない欲求の代わりに

その欲求を満たすための行動です

例えば孤独を感じ不安、寂しい

そんな気持ちを「物がたくさんある」

という事で満たそうとすることもあります


では収集癖の対応ですが…

まずは、本人の集める行為を否定したり

集めたものを「役に立たない」「ゴミだ」と否定しないでください

たとえそれが不潔なものに感じても

本人にとっては必要だから集めているのです

否定してしまうとかえって興奮させたり

意固地になったり、色々な事に対して拒否をしたりと

また他の症状が出てしまうこともあります

とても難しいですが肯定すると

本人の考えが分かったり、集める理由が分かったり

解決への糸口が見つかることもあります

また満足感を感じてもらうために

本人と一緒に集めたものを整理し

その成果が一目でわかるようにすると

満足感を感じ「もう十分にある」と

安心に繋がる事もあります


特定の場所に片付ける癖があるのであれば

事前にその場所を埋めておく事も一つでしょう

今回のようにポケットがその場所であれば

ハンカチタオルなどでポケットをいっぱいにしておく

といったように…


もし不安や孤独を強く感じ代償行動が起きているのであれば

本人が得意で自身の持てる事や

好きな活動が見つかると症状が軽減することがあります

収集方法や、本人を取り巻く状況、時間帯など

それぞれにあると思います

まずはそれを見つけてください

そうすれば、本人の気持ちや考えが分かり

何を解決すればよいのか

どう対応すればよいのかが分かってくると思います


集めた物の処分や回収は必ず本人と一緒に行ってください

無理にしたり、本人がいない時にすると

物を取られたと妄想などの症状が出やすくなります

処分や回収は「整理」という名目や

本人が好意を持っている人がすると許可が得やすいと思います

どうしても諸分や回収をしないといけない物

危険だったり、不衛生な物、また他人の物の場合も

一気に回収するのではなくすこしづつ様子を見ながら行ってください

また、代わりの物を用意するなど

できるだけ環境を変化させないように

工夫することも必要です


私の家族だけ…


収集癖って恥ずかしい…

と思っていらっしゃるかもしれませんが

多くの方が悩まれる課題でもあります

今は一人で対応できているかもしれませんが

今後、他人の物や溢れるくらいの量になってしまっては

社会的なトラブルを引き起こすかもしれません


早い段階で、一人で抱え込まず

仲間や理解者を相談することをお勧めします

相談相手が見つからなければ

専門家に相談する事も大切だと思います(*^-^*)

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