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ココナラブログ
【仕事と生活の調和】
記事
コラム
カウンセリングルーム【弥九蔵の部屋】
2020/11/12 09:35
私の大学卒業後の最初の勤務先では遅く
まで残っていることが意味もなく美徳と
され、定時で帰れるのは女性社員のみで、
男性社員は連日22時23時が当たり前
だった。それでいて残業代の支給もない。
今の基準に照らし合わせれば間違いなく
ブラック企業だと言われるだろう。当初、
親会社からの出向社員扱いだったために、
自宅から通勤可能であるにもかかわらず、
その親会社の方針で入社一年目は寮生活
を余儀なくされた。しかも、寮費として
給与から毎月三万円天引きされるという
理不尽極まりない有様だった。そんな中、
昼休みの雑談である先輩社員が口にした
「幸せになるために仕事をしているのに、
その仕事のせいで幸せでないのは、本末
転倒」という言葉が今も頭から離れない。
その後、新婚の同僚がそんな状況のため
夫婦仲がうまくいっていないという話を
聞いたり、ある日その同僚が愛妻弁当を
食べる間もないほど忙しく、持って帰る
のは拙いからと言って私に食べてくれと
頼みに来たりしたことがあったり、私も、
自分自身が忙しさに紛れて想いを寄せて
くれた後輩の女性社員に対してきちんと
向き合えず悲恋に終わり、以後、人生が
一変し、現在に至るまで影響を及ぼして
いる、という事実があるので、当時から
そうだが、今でもこの言葉は身に沁みる。
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「幸せになるために仕事をしているのに、
その仕事のせいで幸せでないのは、本末
転倒」という言葉は言い得て妙だと思う。
現在は、2007(平成19)年策定の
「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・
バランス)憲章」により、様々な取組が
進められているが、ハラスメントですら
セクハラ以外あまり騒がれていなかった
あの当時、「就労による経済的自立」と
「健康で豊かな生活のための時間の確保」
のバランスを取ることが仕事の生産性の
向上に繋がる、などと職場が考える筈も
なく、「早く帰る暇があるのならば何か
できるだろう」という根拠のない論理を
一方的に押し付けるのみだった。今では、
従業員がメンタルヘルスを悪化させれば
集中力や注意力が低下し、仕事の生産性
や企業イメージの低下に繋がるとされる
ようにもなったが、「ワーク・ライフ・
バランス憲章」がなかった当時の企業の
認識は、「殺されてもやれ」「死んでも
やれ」の如き仕事ファーストが多かった。
実際には、労働基準監督署の是正勧告を
何度か受けていたし、退職した元社員が
退職後間もなく亡くなり、死因は苛酷な
労働環境のせいだとしてご両親に裁判を
起こされたこともあったから、「仕事と
生活の調和」を考えるべきだったと思う。
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「仕事と生活の調和」が大切なのは何も
社会人だけではあるまい。私自身の経験
で言えば、中学生になった頃から日曜日
以外はテレビを観ずに机に向っていると
いう形だけはとっていたが、大学生の頃、
それが失敗だったようだとふと気づいた。
と言うのも、当時、放送部でアナウンス
を担当していた私は、昼休みに音楽系の
クラブの野外ライブの司会をする機会が
多く、その度に、自分のボキャブラリー
不足やキャラクターの平凡さを痛感して、
「いろんなところから情報を得ることが
できていなかったのは俺の致命的な弱点」
と思うようになっていたからで、これも、
「健康で豊かな生活のための時間の確保」
をしてこなかったために仕事の生産性が
低下している、と考えていいと思うのだ。
また、テレビを観ずに形だけ机に向うと
いうのは、「早く帰る暇があるなら何か
できるだろう」と同じで、「テレビなど
観る暇があるなら勉強できるだろう」と
いうことになる。この二つの根拠のない
論理の共通点は、その奥に「やっている」
という安心感を得たい欲求があることと、
自分に無理を強いた結果として集中力や
注意力の低下により十分に力を出せない
でいること、である、と私は思っている。
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今後、コロナの影響でパラダイムシフト
(当然とされていた認識・思想・価値観
等の劇的な変化)を余儀なくされるのは
必定だから、ワーク・ライフ・バランス
に関係なく「多様な働き方・生き方」を
選択肢に入れて考えなければならないと
思う。かく言う私自身も、コロナ騒動の
前から、組織の一員には向かない自分に
見切りをつけて、これまでの苦い体験を
無駄にしない生き方を模索中なのである。
「久木弥九蔵」の顔を持つ現在の私には、
クッキーだのソーイングだの替え歌だの
ボランティアだののプライベートを充実
させる要素がいくつもあり、寧ろそちら
の方にバランスが傾きがちになっている
くらいだから、日々の研鑽さえ怠らねば、
いずれは、カウンセラーとしての向上も
果たせるだろうと根拠もなく信じている。
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御閲覧、心より感謝申し上げます。
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カウンセリングルーム【弥九蔵の部屋】
心理カウンセラー メンタルヘルス指導員 / 50代後半 / 男性
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