ようこそおいでまし、RIONです。
#4〜#6まではマイク本体についてお話ししてきましたが、今回は少し違う視点から『コンデンサーマイクの保管方法』についてです。
ダイナミックマイクは室内であれば基本放置で大丈夫ですが、コンデンサーマイクは少し気をつけて管理しなければいけないので、今現在コンデンサーマイクを使っている人、これから買おうとしている人はぜひ参考にしてくださいね。
ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの違いについてはこちらの記事で解説しています。
はじめに
最近は安くて手の出しやすいコンデンサーマイクもたくさん発売されていて、スタジオやプロだけでなく、アマチュアでも個人で所有して使っているという方が多くなってきました。
コンデンサーマイクをうまく使うにはある程度の知識が必要ですが、アマチュアの方が見落としがちなのが保管方法です。
ケーブルでオーディオインターフェースに繋いで、ファンタム電源をオンにして、マイクスタンドとポップガードを使って、と基本的な使い方はわかっていても、録音が終わったらそのまま放置、なんて方多いんじゃないでしょうか。
結論から言うと気をつけなければいけないのは『湿度』です。
住んでいる場所が年中ほとんど雨の降らないアメリカ西海岸とかであれば別ですが、日本は湿度の差が激しく、特に梅雨から秋にかけてはめちゃくちゃ湿度が高いので、湿度対策は必須です。
また、歌を録音する場合は、歌っている間常に唾や息に晒されることになるので、使った後にそのまま放置してしまうのは故障まっしぐらです。
マイクの中の部品が錆びてしまったり、カビが生えてしまってはもうどうしようもありません。
新しいマイクを買うか修理に出すしかありませんが、対策をしないとまた同じことの繰り返しになるので、必ず湿度対策はしましょう。
さほどお金はかからないので、すぐ実践できるものからプロが実際に保管している方法まで、順番に紹介していきます。
① タッパーとシリカゲルを使う
2つとも百均で手に入るので一番安上がりですね。
使い方は簡単。
タッパーにマイクとシリカゲルを入れて蓋をしっかり閉めておくだけ。
タッパーの代わりにスパゲッティを保管するビンやジップロックでも代用可能です。
密閉できるものであればOK。
買いに行く、もしくはアマゾンや楽天でポチる時間があればすぐに実践できます。
ただ欠点ももちろんあります。
・シリカゲル(除湿剤)を定期的に交換し続けないといけないこと。
・湿度を下げることはできても調整はできないこと。
・湿度が現状どのくらいになっているかわからないこと。
どれもかなり致命的ではありますね。
定期的に交換しなければいけないのはかなり面倒ですし、湿度が下がりすぎるのも良くないです。
おまけに今の湿度がどのくらいかわからないので、うまく除湿できているのかや、下がりすぎているのかがわかりません。
この方法はあくまでも応急処置として考えるのがいいかと思います。
② 防湿庫 / デシケーターを使う
防湿庫とは、簡単に言うと勝手に湿度を調整して保ってくれる箱型のケースです。
ドライボックス、ドライキャビネットとも呼ばれます。
イメージとしては冷蔵庫の湿度バージョンでしょうか。
これが一番安全で確実だと思います。
レコーディングスタジオやプロのエンジニアもおそらくほぼ全員がこの方法で保管していますね。
私の所属するスタジオではもちろん、自宅でも防湿庫で保管しています。
強みはなんと言っても設定湿度を自分で決められることと、常に湿度計で湿度をチェックできること。
コンデンサーマイクの保管に最適な湿度は30〜50%なので、大体40%あたりに設定して保管することができます。
価格も一番小さいものであれば1万円しないので、かなり導入しやすいのではないでしょうか。
一眼レフやミラーレスカメラなどは最適な湿度がコンデンサーマイクとほぼ同じなので、持っている方は一緒に入れておくといいですね。
私が自宅に置いている防湿庫は1万円くらいでサイズも小さいものですが、コンデンサーマイク2本とフルサイズの一眼レフ、小さい一眼レフ、おまけに交換用レンズ2つ入れても大丈夫なくらい広さがあります。
マイクだけであれば7〜8本は全然入りそうな感じ。
湿度計ももちろんついていて、外からひと目で湿度をチェックできるので本当に使いやすいです。
地味にありがたいのがものすごく静かなこと。
寝室の枕元付近に置いておいても全く音が聴こえないので、夜中つけっぱなしでもストレスフリーです。
おまけに冷蔵庫やエアコンなどの温度管理家電と違って消費電力がとても低いのでお財布にも優しい。
湿度を設定した後は中にマイクなどを入れて放置でいいので楽ですし、扉を開けっ放しにしたりしなければ常に同じ湿度に保ってくれます。
※食べ残ったポテチやポップコーンを入れるのはやめましょう。
◇ おすすめ防湿庫 ◇
・Re:CLEAN 21L 7,980円 ← マイク1〜5本くらい
・Re:CLEAN 30L 10,800円 ← RION宅で使用中
どちらも楽天で買えます。
③ エアコンつけっぱなしの部屋で保管する
かなり贅沢で強引な保管方法です。
エアコンに快適湿度機能みたいなものがついている場合は、エアコンをそもそもつけっぱなしにしてマイクをその部屋に置いておくこともできます。
ただ、湿度40%だとちょっとお肌には良くないかもしれません。
乾燥肌の人、インナードライ肌の人はやめておきましょう。
エアコンの場合は24時間365日つけっぱなしだと電気代もすごいことになるので、普通に防湿庫を買ってしまった方がコスパもいいです。
◇ おすすめスキンケア ◇
・ドクターシーラボ アクアコラーゲンジェル ← 美容皮膚科の先生に教えてもらいました(インナードライ肌向け)
・KOSE 米肌 化粧水&美容液&クリーム ← 保湿だけじゃなく、水分保持機能を底上げしてくれる ライスパワーNo.11最強
おわりに
いかがでしたか?
コンデンサーマイクは非常にデリケートな機材なので、保管方法に気をつけないとすぐに故障してしまうことがあります。
音は出ても低音質になってしまったりノイズや音割れの原因にもなるので、一度保管方法を見直してみてはいかがでしょうか。
買い直すのも修理に出すのも高いお金がかかりますし、配信にも使っている場合、一時的にでもマイクが使えなくなるのは困りますよね。
修理の場合は1ヶ月くらいかかることもあります。
そうなってしまう前に防湿庫などで対策をしてしまいましょう。
デリケートなコンデンサーマイクではなくダイナミックマイクを使うというのも立派な対策です。
ダイナミックマイクは滅多なことでは音質が劣化したり故障したりはしないので、保管に自信がないという人は是非検討してみてください。
おすすめのダイナミックマイクについてはこちらの記事でお話しています。
次回以降の記事内容はまだ考えていないのですが、オーディオインタフェース要らずのUSBマイクやその他機材について、歌ってみたミックスのノウハウ、ガレージバンドの使い方などを紹介していければなと思っています。
是非覗きにきてくださいね。
以上、少しでも参考になれば嬉しいです。
ではまた。
RION