マズローの五段階欲求③

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ビジネス・マーケティング
自己実現欲求は創造的な活動をして自分の能力を発揮する欲求です。これは過去は一部の人だけが持った欲求でした。例えば高度経済成長期以前は日本は戦後の荒廃から立ち直ること懸命で安全欲求を満たされない人も今よりはるかに大勢いました。高度計再成長期でも書記は社会的欲求を満たす中で会社の歯車としてひたすら働いて稼ぐサラリーマンも多数いました。その反省から日本は経済成長を成し遂げた後は承認欲求や自己実現欲求へとステージを上げました。その意味で、途上国から日本に出稼ぎに来ている外国人労働者にとっては日本の会社組織に適応して稼ぐという社会的欲求(帰属欲求)を優先する人もまだまだいる状況でもあります。

さてこの自己実現欲求は個性を大事にしてそれぞれの能力を発揮するという意味においては素晴らしいステージであると思います。特にこの後の章で解説するように集団の中の上位層を育てるにはこのステージまで上がってくることを求めることになります。したがって組織運営のカギとなる人材が育つかどうかは承認欲求が満たされた人材の中から自己実現欲求のステージに上がってくる人をしっかり掴む必要があります。

この自己実現欲求にはさらにもう一段上の段階があります。それが至高の体験をする欲求です。これは「最高!」「今死んでも後悔はない!」と思えるほどの精神的にMAXな状態を指します。仕事においては大きなプロジェクトを大成功に導いたり、仕事を通してあこがれの人に出会うことができたりした瞬間などごく限られた人だけが至ることのできるステージです。

この自己実現欲求のステージに入った人は、放っておいても勝手に成長します。会社(組織)としてはそこに人材育成のためのリソースを投じなくても勝手に成長していってくれるのですから非常に楽です。

ただし落とし穴もあります。放っておいても良いからと本当に放っておくと、会社(組織)の外に自分の夢や居場所を見出して巣立ってしまうリスクが高まります。今の会社(組織)から得られている以上の評価を求めたり、より高度な自己実現欲求を満たすために転職や独立、あるいは進学などの転身を選択してしまうのです。

この貴重な人材が会社(組織)に定着してもらうには、承認欲求だけでは無理です。役職や役割といったポジションや金銭的報酬、あるいは仕事そのものが報酬となることもあります。このような人材を見出し、しっかりとグリップすることは管理者として非常に重要な使命です。


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