受験生のみなさまへ かつての勝者&敗者&TAからのメッセージ

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受験頑張ってください!

そろそろ試験結果が出ている方もいらっしゃるかもしれません。

今回の記事は、受験に勝ったり負けたりして、ずっと受験生の指導をしてきた経験から

「試験後」の気持ちの持ち方やストレス対応について書かせていただきます。

受験生とそのご家族に読んでいただけたら幸いです。


偏差値がすべてじゃない

これは負け惜しみではありません。まともな社会人なら誰もが感じている真実です。

私の家は教育パパではないものの、物心ついた時から最低でも東大は既定路線でした。

俺の子だから当然東大だろ、という感じ(親は東大じゃないけどw)。

唯一、私の身体が全力で親に歯向かって勝ち取った勝利、

それが東大不合格でした。

私は公立中学出身なので小学校と中学校受験はしておりませんが、

高校受験では特待2校、合計7校に合格し、偏差値は70超えでした。

が、大学受験は「失敗」し、国立理系志望から高3夏に文転し、結果的に私大1学部しか受かりませんでした。

それは私の能力不足が最大の原因で、家庭の事情で鬱病に冒されていたこともありますが、

とにかく東大というキャンパスに行きたくなかったんです。ぶっちゃけて言うと。

受験生の方にも、鬱や不安障害、ストレス障害は非常に多く見られます。

その傾向は小学校受験や中学校受験など、小さければ小さいほど病気として現れやすいです。

その原因に、実は、「希望しない学校を受けさせられるストレス」がある可能性は

親御さんや塾講師が思っているよりも高い、と思っています。

そんな方に気落ちして欲しくなくてこの記事を書きました。



すべての人は東大で幸せになるか?

いったん、話を単純にするために東大受験を例にとりますが、すべての受験に共通する話です。

親を喜ばせるために東大(や開成や灘や難関女子校)を目指す人は多いです。

ただ良く考えると、この理屈はおかしい。

だって自分の学びたいことや自分の進路を、親の期待という他人軸に預けていますよね。

これって人間として不自然です。

私は私大に通って本当に良かったと胸を張って言えます。

それは、通った私大で勉強にもプライベートにも全力を尽くし、自己責任で主体的に楽しみぬいたから後悔はまったくありません。

ビジネスコンテストやもらえるタイプの奨学金を探しまくって200万円くらいバイト以外で稼ぎ、

結局は学費的にも国立大学と変わらない費用で抑えたから、親も文句を言いませんでした。

志望校に落ちたことを一生引きずる大人はすごく多く、一生それを言い訳につまらない人生を歩む人はすごく多いんです。

「どうせ僕は東大に入れなかったから」「どうせ僕は弁護士に受からなかったから」

でもそれってただの言い訳で、かっこ悪い、ダサいと思いますよね。

仮に第一志望に受かっても、受からなくても、それで終わりじゃないし、

家庭の事情でお金がきっつい状況で、学費の高い私立にいくことになっても、

やる気さえあれば「ローンの奨学金」じゃない私設奨学金がたくさんあります。

受験の日だけがすべてじゃないですからどうか安心してください。


東大生や東大教授=人格者ではない

私は正直言って「ザ優等生」があんまり得意ではなくて、地元の中卒や商業高校卒業の友達といる方が楽でした。

まだ理由は分かりませんが、きっと親か自分の弱点の投射でしょう。

とにかく大人しくて真面目で運動が苦手で神経質なアスペルガー的優等生よりも、

活発で話が面白くて創造的なADHDっぽい子や、

いわゆる運動神経がよくて心の広い定型発達の穏やかな子が好きでした。

それはまるで「レモン味とブドウ味どっちが好き?」みたいな問いであって

そこに明確な理屈や論理はありません。なんとなく、です。

唯一確かなことは、高校時代に東大生的な学問優等生の不思議なノリが肌に合わず、

なんとなく消化不良な高校生活を送り、

今も社会に出て東大的なノリについていけないことがあるということです。

でも逆に、桜蔭中学から東大へ進んだ親友は、小学校の子は話が合わなくて本当に辛かった、と言っていました。

彼女は頭はいいのに飾らなくて、受験直前まで、いつも彼女の家で「おぼっちゃまくん」というめっちゃ下品なゲームをしていたような人格者です。

本当に頭のいい人は、別にガリ勉しなくても、自然体で桜蔭から東大に行くのです。

合う、合わないは、本当に千差万別で、本人にしか分かりません。

では、合わない学校を無理矢理受験して起きた実話をご紹介します。


強硬手段で受験に落ちる、なんてことがある!

今でもハッキリ覚えています。

東大2次試験の1日目の午前中でした。

確か国語か数学を解いていた時に身体の異変を感じたのです。

フラ〜っとして、ボーッとして、

昼休みに母から私大の合格通知を受けて

「あ、これで東大行かなくて済む」

「周りを取り囲む隠キャ軍団と4年間密着する生活から逃げられる」

と思い、心底安心したのです。

帰って体温を測ったら42度ありました。

これがストレス反応の凄まじさです。

本気で抵抗するとき、人間の身体はなんだってします。

2日目も熱は下がらず、身体の思惑通りに不合格になりました。

でも、風邪でもインフルエンザでもなかったんです。試験後すぐ熱は下がりました。

親も熱のせいだからと不合格を責め立てることはなく、

身体が機転を効かせたおかげですべて思い通りに行ったのでした。

まぐれでも東大に受からないでくれたおかげで、本当に行きたかった大学に行けた。

本来なら「私はこの大学に行きたいです」と言うべきだったのに、

私本体が怖気付き、鬱病で当時失業中だった親に忖度してしまった。

自分の行きたい大学を無意識下に抑圧してまで媚びていました。

そんな経験もあり、親主導のお受験には賛成しかねるところがあります。


親御さんへ 本当に高偏差値校に向いているかどうか?

もし私がトントン拍子にまぐれで東大に合格していたら、

きっと手のつけられない自己愛ナルシストのクソアスぺさんになったでしょう。

そしてずっと社会や誰かを恨み、自分はひとり善人の被害者ヅラして

メンサ会員をチラつかせて自慢したりするような、頭は良くても地に足がついてない鼻持ちならない系の

高みの見物を決め込むつまらない人生を送ったと思います。

※私のIQは全然低いです。発達障害でワーキングメモリが異常に低いためです。

けれど、純粋に学問をしたいとか、純粋に官僚や弁護士を目指す人は、

東大はまさにパラダイスだと思います。

結局、子ども本人が何をしたいか? そこをちゃんと見ていただきたいです。

偏差値なんてこれからの時代役に立つとは思えませんが、

百歩譲って、公立高校の高校受験には偏差値は意味があると思います。

いわゆる地頭をみる試験だし、日本の同世代ほぼ全員が受験する試験なので統計的意味もあります。

15〜18歳という多感な時期では、同じIQレベルの学友と切磋琢磨するのは決して悪いことではありません。

でも、小学校や中学校、大学受験は違います。

偏差値とは言うものの、「その学校が欲しい人材」をテストで選抜しているだけなので、

その学校が欲する頭の使い方でないと受かりません。だから、ランキングではない。

むしろ多様性を学ぶべき12歳までに、同じような家庭の子ばかりの私立小学校に行かせたり、塾で勉強漬けにするのは、

大人になってからのストレス耐性(レジリエンス)に暗い影を落とします。

だから、偏差値で人間を評価するのには、私は反対です。

校風や環境や学びたいことで選ぶべきですし、私は絶対的に公立小・中論者です。

ものすごい多くの私立小学校や中高一貫校出身の友人を見てきて、そう思うのです。


偏差値レース主義・医学部信仰への疑問

高校の友達には、医学部に行った子が何人もいます。

成績が良いから東大理学部じゃもったいないというんで、医学部を受けるんです。

たまに会うと、出世はしているけれど上司やシステムや奥様への愚痴が止まりません。

彼らを見ていると、落ちこぼれには落ちこぼれのメリットがあるなぁとしみじみ思うんです。

落ちこぼれだと文句言える立場じゃないですから、腰が低くなります。

挫折を経験しているから、社会に出てからめちゃくちゃ打たれ強いです。

エリート扱いされずに済むので、最初の期待値が低い分、結果を出すとすごく喜んでもらえます!

下る坂はなく、上る坂しかないのは、ワクワクして楽しいですよ。守るプライドがないのは楽です。

あ、あと、私大に行くとスポーツ観戦が楽しくなります。どの学校も何かに力を入れてますから。

受験敗者には敗者の楽しさがあることを、受験生のみなさまには知っていただきたいんです。


名門に入れて喜ぶのは誰か?

この世に「あなた◯◯大学行きたいわよね?」と詰問して無理矢理受験させる親がいかに多いか……。

東大でなくても地元の国公立大学を無理矢理受けさせてしまう親の話は数限りなく聞きます。

ある東大卒オジサンは、私にしょっちゅうこう言っていました。

「でもさあ、オレ二浪だし、東大では落ちこぼれだったから」

その寂しそうな顔を何度も何度も見てきました。

ずっと勝ってきた。やっと掴んだ勝利の先に待っていたのは、圧倒的な敗北感。

東大生には、ストレートノー勉強で楽々入った組と、多浪でやっと入った組がいて、脳の使い方が違います。

それは、早慶上智でも、関関同立でも、MARCHでも、どこでも「鶏口牛後」があります。

そんな寂しい思いをさせるなら、どうかお子さんの自己責任で進路を選ばせてあげてください。

30年前の受験体験を語り続けるほどのトラウマなら、本人はよほど辛いのだと思います。

あと、日本は男尊女卑の国なので、女性にはあんまり東大は勧めません。

すごく嫌な文化ですが、東大卒の女性は男性からの嫉妬がヤバいです。

入社後即刻目をつけられ、事あるごとに評価を下げられ、なぜか出世できません。

そんな優秀な女性の先輩や友達をたくさん見てきて、本当にやるせない気持ちです。


受験はストレスマネジメントの学校

親御さんがお手製問題集を作るなんて話も聞きます。

私はそれが美談だとはまったく思えません。すごいプレッシャーですよね。

でもそれって、目的と手段が間違っていないでしょうか?

東大に本気で行きたい子は、勝手に勉強します。

だって本気だから。恋愛と同じです。

勉強に身が入らなくてフラフラしているのは、その大学に興味が持てないからです。

そこで親御さんがすべきなのは、お手製の問題集を作ることではなくて、

子どもがどんな校風の、どんな学科の、理系ならどんなゼミに入りたいのか

具体的にイメージを沸かせてあげることです。

そこで親子の利害が完全に一致したら、本当の勝ちパターンです。

ただ期待されてとか、ただ流れで東大に行っても、

結局は自分探しが始まってキャンパスライフや恋愛に熱を上げることになる。

なんかノリが合わないなぁ、東大つまんないなぁとの声は文系の子ほどよく聞きます。


頭が良いから東大、は時代遅れ

願書を出す前に、最後にもう一度考えてみてください。

その学校に通っている自分は楽しそうですか?

思い描く青春が送れそうですか?

親や塾の言いなりになっていませんか?

偏差値では人生は決まりません。

なぜなら、少子化の時代で、みなさんが社会に出る頃には、

Fランク大学でも高卒でも新入社員は引く手数多です。

納得できなければ仮面浪人しても良いし、大学院で学歴ロンダリングしても良いんです。

とにかく、通えるところに願書を出しまくり、お金が許す範囲で受験してみましょう。

あとは、受かったところで4年間全力を出す、それだけです。

落ちた、受かった、は人生の一瞬の通過点ですから、どうかあまり気にしないようにしてくださいね。


受かったところでモトを取れ!

私は4年間、大手予備校でTAをしていました。

そこでいつも伝えていたのは、受験はスポーツやゲームじゃないってこと。

小さな勝ち負けを楽しむものではなく、4年間通う環境を勝ち取る椅子取りゲームだと。

で、仮に、想定外の椅子に座ることになったとしても、

カスタマイズしてモトを取ればそれで良いんです。合わなければ転校転入仮面浪人何でもして良いんです。

要するに、どこを卒業したか、ではなく、なにを学んだか、が大事。

私は東大に落ちた馬鹿ですが、同期の東大生がコンパしてる間、ガチで勉強してました。

東大生がテニサーで日焼けしている間、フル単位でサークル掛け持ちして社会活動もインターンも恋愛もフルでこなしました。

だから内定は他業種大手7社からいただき、不遜ながらも「会社を選ぶ権利」をいただき、

今もあのとき選んだ会社のおかげで生活には困らない生活をさせてもらっています。

会社への不満がゼロか、といえば、私も人間ですから不満はあります(´∀`)

でも、感謝してもしきれない良い経験をさせてもらっています。

自分の人生が失敗だったと思ったことも一度もありません。


人生を失敗かどうか決めるのは誰でしょうか? そうです、あなた自身です。


だから、結果がどうであっても、受かったところでベストを尽くしてください!

肩書きじゃない、中身ある学生生活となること、心より応援しています。

親や周りの言うことなんて気にしないで、四年後に見返してやればいいんです。

可能性は無限大です! 決して満足せず、成長し続ければかならずいいことがあります。

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