【アイデア発想編】思いつきから始まるアイディアと企画の定義

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ビジネス・マーケティング
アイディアや企画について、整理をしてみます。個人的な概念になりますが、このブログを見ていただいている方にも参考にして頂けるよう出来るだけ図解を用いてわかりやすく説明を試みてみました。デザインプロセスの中でも上流に位置するアイディア出しや企画書の制作の場面を、どんな視点でどんな定義によって、進めれば良いかを以下説明していきます。

1.企画の3ステップ 思いつき、アイディア、企画

僕は企画とは面であると考えています。それは何故か?まず前提があります。企画を考えるにもそこにはアイデアがあり、そのアイデアはふとした瞬間の思いつきから始まっています。思いつき→アイディア→企画の順番です。

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❶思いつき=点
❷アイディア=線
❸企画=面
だと考えています。

思いつきはある瞬間にふと感じたことや、違和感、意見などです。この時点では単純な点です。この点を繋いでいくとアイディアになります。線です。この線をどのような視点で結ぶかでアイディアの質が変わってきます。そして線で囲われたものが面であり、企画=戦略でもあるということです。

2.アイディアを生成するプロセス

思いつきというのは、単純に自分が何か対象となるものを体験して、ふと思いついたことです。ひとつの体験と思いつきはセットになっています。思いつきというのは、1つ1つは小粒であっても、アイディアを考案するための材料になります。その材料を分類整理していくと、ある時材料の組み合わせ方に繋がりができて、アイデアに生まれ変わります。思いついたことを思い込んでいき、ある時別の視点や切り口とつながる、それがアイディアです。

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思いつきは思いついた時点では全く使えないものかもしれません。思いついたことのほとんどがそうでしょう。しかしその思いついた事はしっかりと記録に残しておき、後から加工出来るようにしておくことで、リサイクルが効くようになります。そして、思いついた素材同士をリンキングして編集することで、初めて価値のあるアイデアが産まれます。点と点を繋げ、線に構成し直すこと。つまり線がアイデアな訳ですね。 

3.思い付きをキャッチする方法

思いついたことは記録を残しておきます。なるべく思いついた瞬間を逃さないように、環境によって記録することを柔軟に変えます。即座に開けるEvernoteに文字情報として残しておくこともあれば、ノートさえあれば手描きのラフスケッチで視覚化して記録をしておきます。

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時には図として残しておくこともあります。構造の断片だけでも残しておくことで、後から引き出しやすいようにしておきます。全ては断片の情報なので、理路整然となっているかもしれません。自分にしかわからないメモにもなっています。この思いつきの段階では思いついたことをなんでもキャッチするセンサーを敏感に働かせておくことが最も大切な事になります。

4.アイディアをストックする方法

アイディアをストックする段階は、思いついた断片、欠片をつなぎ合わせて行きます。つなぎ合わせ方によって、ユニークなアイディアにもなります。アイディアは一般的に思い付きだと思われていますが、ある一定レベルのアイディアというものは、思い付きではありません。

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一手間一工夫が加えられている=切り口があるものがアイディアになります。この切り口を記録として残しておきます。スケッチ、言葉、図によって、記録しておきます。ここでは思い付きのストックと同じ図がありますが、アイディアの段階ではこの3つがセットになっていると考えてもらうと良いかと思います。

5.アイディアを企画化する方法

【アイデア】を【企画】にステップアップするには、右脳と左脳を両方上手く使って行く必要があると考えています。カオス的な右脳思考と、論理的な左脳思考を行き来しながら、戦略的な企画としてプロジェクトをまとめ上げるストラテジックデザイナーがヒラメキクリエイターとしての役割でもあります。単なる思いつきのアイデアのみで勝負するわけではありません。

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普通はアイデア単位で評価を行います。1つのアイデアを説明して、良い悪いを議論したりします。しかし、アイデアを企画にレベルアップする為には、単にアイデアだけを見ていても企画にはなりません。アイデアはなるべくシンプル化して、アイコンにします。そして、そのアイコン同士を一覧できるようにして、アイコン同士の関連性、連鎖性、対称性などを総覧しながら、眺めて目配せしていきます。

この時に僕がやっている方法を少し紹介させて頂きます。まずは、アイデアの要素や機能、属性ごとに複数のA3用紙に並べ直して、A0のスチレンボードに全て貼り付けして眺めてみる、ということをやっています。そうするとアイデアを見るというよりも、各アイコン化されたキーワードやイメージを眺めるという不思議な思考モードに突入していきます。パソコンの画面上の中だけで思考をしていると、画面の外に出ていくことが難しくなります。範囲がデスクトップ画面の中に固定化されてしまい、範囲が限定されてしまうわけです。
そこにもある意味、範囲というバイアスが掛かってしまっています。そのバイアスを外すためにも、一度大きなボードを用意して、そこに全てのアイディアを貼り出してしまうというのは、鳥の目を持つために必要なことになります。
これは僕なりに今までアイデアを企画にまとめる段階で手続き的に行ってきた事なので、独自のやり方になっています。このボードは最初はカオスなボードです。ほかの人が見たら混乱を招くことになるでしょう。

しかし、このボードを見ながらじっくり自分と議論をしていけば、ハイパーリンク状態になった脳内が出来上がります。たくさん鍵穴ができている状態になります。この鍵穴にハマる鍵を見つけ出す。その為に、アイディアを一覧化しているわけです。 

6.線を繋ぎ面を構成して統合する事=デザイン

最初の1ページ目の図に戻ります。アイデアを繋ぎ合わせて統合化=面にする事で、1つ1つのアイデアの価値はグンと向上していきます。素材同士をどのような関係として捉えるかという切り口がアイデアとなります。上の図でいうラインです。そしてこのラインをどう結んで行くかを【編集】することで、企画が出来上がります。

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このことについては濱口秀史さんが詳しいです。ログミーに濱口さんの講義録があります。
全員が賛成するアイデアはダメ–イノベーションを生む3つの条件とは 
ビジネスデザイナーとして世界で活躍されている濱口さんの視点は、イノベーティブな発想とは、このアイデア=線をどのようにデザインするかにかかっているということを上の記事で説明されています。みんなが無意識に持っているバイアスを探し、一旦そのバイアスがどこから来るのか、探索して図解化する。そしてその図解が描ければ、バイアスの外し方が分かるという方法論です。その方法が実践可能なものであれば、イノベーションは日本人でも簡単に起こせるんだと主張されています。 

これは端的に言えば、バイアスのある線を描き、バイアスの無い線をどのように引っ張るのか?ということです。事業企画は、製品開発、対象領域、対象領域の未来洞察、ターゲットユーザー、ペルソナ、自社のリソース、ニーズ、ウオンツ、事業コンセプト、製品コンセプト、具体的アイデアなど、あらゆる素材をどう繋げて行くのかというところで、デザインが必要になってくるわけです。素材同士をどのように囲めば綺麗な面構成となるか?それを徹底的に洗い出して、組み直せるか?その編集力量と情熱と想像力を持って、事業をデザインすることがこれからの時代に求められて来ることだと考えています。

ヒラメキクリエイターと自称しているにも関わらず、デザインが大切な役割をするんだよといった論調で、誤解を招くかもしれませんが、デザインという意味の誤解を解くためにクリエイターと言っているだけなので、基本ベースはデザインにあります。その本質はなかなか理解してもらうには難しいだろうなということで、デザイナーという肩書きを一旦しまいこんでみようというだけです。ヒラメキクリエイターの役割というシリーズ記事でその事は継続して書いて行こうと思っています。

追記 210127

アイデア発想の出し方については色々試しながら、
企画者のプレゼンテーションも数多く見ながら以下のような事を念頭に、
企画を見ています。

・何をどのような切り口で、どんな視点で語れるか?
・数値化しながらも直感的に共感できるアイデアまで至っているのかどうか?
・デザインはどうか?
・体感や体験の精度や面白さはどうか?
・これは売れそうかどうか?
・生活者のニーズに沿ったアイデアになっているか?
・潜在的なニーズに即しているかどうか?
・リアルな声を聴いているかどうか?
・仮説を立てるだけでなく検証出来ているかどうか?
等を踏まえてアイデア評価をしていくと良いのではないかなと思っています。










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