本日、2021年9月21日は「中秋の名月」で1年で一番お月様が美しいお月見にふさわしい日とされています。
ん?1年で一番美しい?
ここに私は子どものころ疑問を感じていました。
「満月は満月やん」
ここで「中秋の名月」について説明します。
これは中学受験なんかでも国語、理科に関わってくる内容です。
「中秋」というのは旧暦(太陰暦)に基づいています。
旧暦では1月~3月が春、4月~6月は夏、7月~9月が秋、10月~12月が冬です。
また旧暦は月の周期でこよみを考えるので、基本的に毎月30日までです。
つまり、旧暦の秋(7月~9月)のど真ん中にあたるのが旧暦8月15日です。
ですから、この日を「中秋」と呼んでいます。
ただし、月の満ち欠けの周期は実は30日ではなくおよそ29.5日とされていますので、毎回15日が満月にはならないのがややこしいところです。
今年は8年ぶりの「満月の中秋の名月」だそうです。
ちなみに、旧暦の昨年12月は17日が満月、今年の1月は16日、その後は17日、16日、15日、16日、15日、15日、15日(←今日)となっています。
旧暦でも月の満ち欠けとはこれだけのずれがあります。
じゃあ、どうして8月15日が「お月見にふさわしい日」なんでしょうか。
これは個人的見解ですが、お月様側の問題ではなく、人間側の問題のように思っています。
つまり、旧暦の8月ころになると、かなり涼しく過ごしやすくなっています。
今よりも気候が穏やかだったかもしれませんが、それでも扇風機すらない時代。
日没とともに昇り始める15日ころの月をみて、着物を着ていても涼しく楽しめるのがこの「中秋」だったのかもしれません。
7月(旧暦)だとまだ少し暑く、蚊も飛んでいるかもしれません。
9月(旧暦)だと、もう肌寒いのかもしれません。
きっと旧暦8月15日ごろが一番、お月見しやすい気候だったのではないかと思います。
そして、15日当日がど真ん中で「中秋」と呼んでいますが、
15日前後のこの時期を「仲秋」と呼んでいます。
「中秋」はピンポイント、「仲秋」は少し幅があると考えればいいかと思います。
今日、残念ながら曇っていて満月が見えない地域のかたは、ぜひ明日の十六夜(いざよい)の月をたのしむ「仲秋」のお月見をされてはいかがでしょうか?