俳優をやっていたとき、いちばん好きだったのは「悪役」です。
なかなか現実にできることはありません。普段は「ミスター人畜無害」なので(笑)
でも、自分の中に「普段とは違う自分」を見つけるのは、ちょっとしたイタズラ気分で楽しくもありますね。
子供の頃は何にでもなれた気がします。
ヒーローでも、怪人でも。
もちろん、プリンセスでも。
それは子供の頃って自分の可能性を無限に持っていたから、なのかもしれません。
大人になってくると、そうした可能性に少しずつ陰りが生まれます。
学校などで、自分より可愛い子だと思う人を見た時に、自分を「お姫様オーディションの選考」から落としてしまいます。
生活する中で、学んでいた「謙虚」が膨れ上がって自己肯定感下落にまでなって「自分は何になりたい」から「何だったらやれるだろう」と考えるようになる。
就職する時も「なりたい自分」よりも「落とされないところ」に注目するようになって、自分の可能性を物凄い勢いで低く低くしてしまう。
そうした下がり切ったところで、ギリギリ「これくらいは許されるかな?」というくらいの幸せを見つけようとする。
それは悪い事ではありません。
でも、ホントは自分自身が心の中にもっている「可能性」から目をそらしているのかもしれません。
「なりたかった自分」に対する未練とか「なれたかもしれない自分」を顧みること。
すこし辛いことです。
以前、市民劇団の演出家をしていた時のことです
それぞれプロではない出演者の皆さまにワークショップをしてもらいました。
自分のイメージとは違う、まったくかけ離れた「役」になってもらう。
「自分にはこんな役は似合わないよ」と笑いながら演じるその姿は活き活き何てものではありません。もう光り輝いていました。
変身願望と簡単にいう事はできますが、もしかしたら「私はこれだけの人間じゃない」という心からの叫びだったのかもしれません。
僕の事務所で出しているサービス(これは対面が必須なのでココナラに出品できませんでした)で『あいを撮る』という撮影サービスがあります。
これは女性向けのサービスで「あなたのもっともセクシーな写真を撮ります」というものです。しかも40歳未満はお断り。完全な大人の為だけのサービスです。
おかげさまで人気サービスとなりました。
その人気の原因は、年齢制限を設けたことで「若い人」に対するコンプレックスが必要ない事。「自分はこんな年なんだから」というリミッターが解除されています。
またゆっくりとしたカウンセリングで緊張をほぐすことを大切にしていて、それまで持っていたコンプレックスを撮影した画像を見てもらうことで払拭していきます。
「初めて自分の顔を好きになった」と言って頂けることも多いです。
あまり別のサービスの事を書くとココナラに削除されますね(笑)
とにかく、そうしてリミッターを解除して喜んでくださる方がいてくださることは僕自身の活動の励みになるという事です。
ある子供さんの話です。
その子は発達障害で、とにかく誰のいう事も聴くことが出来ないかったのです。
その子の所属するグループには別の指導者がいましたが、手に負えないという事で僕がヘルプに行くことになりました。
行ってみれば指導の先生が匙を投げるのも頷けるくらいで、窓から台本とか練習用のテキストを投げ捨てていました。
僕のモットーは「自由」
なので、投げ捨てるのを手伝いました(笑)
これにはさすがに面食らったのか、すぐに仲良くなりました。
彼の中には「なりたい自分」がある。そう感じた僕はその「なりたい自分」を聴きだして、それに沿う物語を創作して彼の為にプレゼントしました。
「なりたい自分」の物語を手渡された彼はその日から豹変。誰よりも練習に熱心になり、舞台も完璧に演じきりました。
誰もが「なりたい自分」を持って居ると思います。
でも、それを押し殺してしまっている。
我慢することだけを覚えて、それが「良い事」だと思っている。
方法はともかく、表現したい自分に無理を言って我慢させている。
「無理は無理であってそれ以上でもそれ以下でもない」
あなたにも、きっとあると思います。
「なりたい自分」
それを「似合わない」とか制限をかけることなく
あなたの【物語】を創る事を、僕は一緒にやっていきたいと思っています。