欠陥住宅の予防法

記事
ライフスタイル

欠陥住宅になってしまう可能性は、「皆さんが思う以上に高い」という事実は否めません。
国民生活センターによせられた相談件数のうち、新築物件の約37%に建築上の問題があると推測されています。
いざ、問題が起こってしまうと、施工会社や販売した不動産屋を相手とした裁判に発展することも。そうなると時間も費用も大変です。
そんな方が、実際、たくさんおられるのです。
実は、あまりの係争の多さにより、東京地裁には建築専門のセクションが設けられたようです。
当然、欠陥部分の補修、ひどい場合は建替えや買い戻してもらうなどの交渉や一時的な住み替えも。考えただけでも、ゾッとします。
安さやデザインも重要ですが、見えない部分で手抜きやずさんな工事があっては、元も子もなくなります。
予防は、一つしかありません。それは、欠陥住宅はつくらせないことです。
当たり前ですよね。
では、工事がきちんとされたかどうか、皆さんは、どうやって判断しますか?
行政や企業などのチェックは信頼できるものなのでしょうか?
通常、家を建てる時は、行政や住宅保険会社が、中間検査と完了検査の2回実施します。
行政や住宅保険会社の方は、見るポイントが決まっています。
逆に言うと、見ないポイントがあるということです。
因みに、行政の検査は、書類上の相違の有無、仕様等の違反の有無など、事務的な観点の事項を完了的に検査するものです。
決して、施工の質や完成度をチェックするものではありません。
保険会社によるチェックは、住宅保険会社が住宅業者と無関係な立場で第三者現場検査をおこない、保険をつけるようになっています。
この住宅保険は構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分に瑕疵(外観からは発見できない欠陥)があった場合だけのものですので、建築主が住宅業者の瑕疵を証明しない限り支払われません。
施工会社は、明らかな構造上の主要な部分と雨漏りの侵入の対策を講じておけば、この検査は、パスするのです。
皆さんは、施工会社の営業マンに、
「現場に工事を監督する建築士が、チェック(現場監理)しているので安心ですよ。」
と言われるはずです。
この建築士によるチェック(工事監理)は、契約内容と設計図どおりに工事がおこなわれているかどうかを検査し、間違いがあればそれを正すために必要です。
そして、工事監理は回数の決まったものではありません。
工事の最初から最後まで現場を検査するものです。
残念ながら、この建築士による工事監理は、ほとんど機能していないのが実情です。
木造2階建ての建築現場を見てみると、現場監督は、若い方が多いですよね?
延床面積が1000㎡を超えない木造2階建ての設計や現場監理は2級建築士の資格があれば、出来ちゃいます。
若い建築士は、材料・工事などを学ぶ機会がなく、学校では設計と建築法規を中心に学ぶので、実際の工事監理の知識や経験が浅い方も多くなってしまうのです。
でも、知識も豊富で、経験も充分な現場監督さんもおられます。
なので、現場監督の力量によって、「家の良し悪しが決まる!」なんて言われています。
しかし、その現場監督がどんなに優秀な方でも、多くの住宅業者がこれをすべて自社内でおこなっています。
社員である建築士は会社に不利になるようなことはできないので、当然監理は甘くなります。
サラリーマンのつらい所ですね。私も、長くサラリーマン時代を過ごしましたので、すごく分かります。
工事の元請け会社からの仕事で、建築士が監理をする場合もあります。
設計事務所を開いてはいても、普段は住宅業者から仕事をもらって「下請け」として働いています。
仕事をまわしてもらっている都合上、元請けにとって不利になるような厳しい監理はできません。
結果、それぞれがお互いの仕事を監視できなくなり欠陥住宅が建てられます。
このように、住宅トラブル・欠陥住宅を予防するための検査がそもそも弱いのだということを理解しておきましょう。
それでは、皆さんはどうしますか?
答えは、
この現場検査をきちんとさせればいいんです。
そうするためには、そもそも住宅業者とつながりを持たない第三者による工事チェックが必要です。
建築主であるあなたが依頼した建築士であれば、そもそも住宅業者とつながっていないため、利害関係がありません。
純粋に建て主のために検査をおこない、よくない工事はよくないときっぱり言ってもらうことができます。
お知り合いに「そんな設計士さんがいない」、「依頼すると高そう」という方がおられましたら、専門にされている住宅建築コーディネーターにご相談してみてはいかがでしょうか。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す