自分を認めることの重要性

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自分で自分を認めるって何?と思うでしょうが、この自分の全てを認めるという自己認知が自己肯定(自己受容)なのです。

人は他人の事はよく見えますが、自分の事は案外見られないものです。
自分の事を棚に上げて、他人の事ばかり言ってる人を見かけませんか?
そういう人をみて、この人自分の事を言ってるんじゃないのかな?自分の事が全く見えてないな?と思った事はありませんか?

自分の事が見えると言う事は、自分を認める事なのです。
自分を認められる人は、自分の良い所と悪い所の全てを、自分自身で認め受け入れて「自分・自我」(以下、自分に統一します)を確立させます。

この自己肯定が出来ていないと、自分の良い所、あるいは悪い所の一部分しか認知(自覚)できなかったり、自分に都合の悪い事を忘れたり、聞こえてなかったり、記憶を改ざんしたりしてしまい、一貫した「自分」が定まらなくなり自己承認できなくなります。
「自分」が不安定な危うい存在だから、現実感を持てなかったり常に誰かに認めたもらいたい。褒めて欲しい。という承認欲求が他人に対して強く出てしまいます。
そうして常に誰かに認めてもらう事で、「自分」を確立させようとするからです。
そして不安定な危うい存在の「自分」は常に他者承認に依存してしまい、他者承認された自分が本当の「自分」なのだ錯覚してしまい本来の「自分」を見失います。

また、他者承認を必要としない人の場合は、自分の一部だけを「自分」とみなし自己承認してしまい、自分の自慢話ばかりしたり高級品で着飾ったりして「自分」を大きく見せようとするものです。
これを※自己顕示欲を言います。

※自己顕示欲
自分以外の周りの人間から認められたいという欲求のこと。 「顕示」とは、はっきりと分かるように示すことで、自己顕示とは自分自身を目立たせるという意味のことを指します。 つまり、自分自身を目立たせることで周りの人から注目されたり、褒められたりしたいということをいうのです。

猫がケンカをする時に、相手より自分を大きく見せようとして、背中を大きく丸め威嚇します。それと似ていますよね。

逆に自分を大きく見せる事が出来ない場合は、常に文句ばかり言ってたり、他人を誹謗中傷したりします。自己顕示が強く出ない人は、この事で自己顕示をしているのです。

これはその人の持って生まれたモノで、どちらに偏るかが変わります。
どちらの場合も、普通に見かける人達だと思います。

では、きちんと自分を知り自己肯定する事によって、「自分」を持っている人はどうでしょうか?
きちんと「自分」の事を自分自身で自覚・認知し理解をする事で、自己承認できているので、どちらにも偏る事はありません。自分を認める事により、自己解決能力が備わるからです。
それだけ、自分を認めると言う事は、認知や人格形成に大きく影響がでるものなのです。

自己肯定・自己承認ができると、自己解決能力が備わるので主体性がでてきて、自分の明確な意思が生まれ目的意識を持って自分から行動を起こせるようになります。
そして、自分の意思・目的・行動の成功体験は自信になり、さらに自己肯定感を高めます。
さらに自己肯定感を持てるようになると、その言動に責任を持てるようになり他社依存しなくなり「自分」という人格を形成することが出来るようになってきます。

これには自分の明確な意思・目的意識・自分から行動を起こす・自己責任の一連の流れが必要になります。それには道徳心や常識的なこと、自分を取り巻く人や環境などを考慮しなければなりません。これは、何度も経験を重ねて、習得していくのが一番だと思います。
そしてその責任ある言動は、他者承認してもらえることにより、他人の事も考えられるようになり、利他主義の精神が生まれてきます。
これが自尊心です。
自尊心の高い人は利他主義の精神により、幸福感を得られる度合いが高くなっていきます。

利他主義とは、相手に合わせることではありません。
相手にただただ合わせる事は協調と言い、意に反する事をある程度合わせる事は妥協と言います。
これは尊重とも意味が違います。
利他主義はお互いが利害も無く、本当の意味でwinwinになれる関係を築くことを言います。
だから相手の事や立場を考えながら言動する事が出来るようになり、その事で常に自己成長をもたらす事ができるようになって行けます。

※利己主義
自己の利益を重視し、他者の利益を軽視、無視する考え方。
他者が不利益や損害を被ることも少なくない。
※利他主義
困っている状況にあると判断される他者を援助する行動で、自分の利益を主な目的としない行動

ネットで「自尊心=プライド」と書いてあるブログを時々見かけますが、自尊心とプライドは同じ意味ではありません。
独りよがりになってしまい高慢になってしまったような場合は、プライドになります。
プライドが高い人は絶対人に弱みを見せませんし、他人の言う事に耳を貸さない人が多いように思います。自分に自信が持てない人の反動形勢だと思います。
これもまた自己肯定ばかりになり、他者承認が得られないために、自己受容が出来なくなり利己主義に走ります。

自尊心は高すぎても低すぎても、その人自身に良い影響を与えませんが、「自分」を認める事ができるようになると、ありのままの「自分」を受け入れ自分の気持ちを大切に出来るようになりますし、他人と比べる事もしなくなります。
この他人と比べないと言う事も、自尊心を高める一つの要素でしょう。

これとは逆に、自分の言動に責任が持てない人は、自分が認められない自己否定を無意識に自分で行っています。
他者承認を得るために、その場その場で周りに合わせたり、良い事ばかりを口で言うだけで、実際の言動は伴わず、文句・不満・言いっぱなし・やりっぱなしで、最後は他人のせいにして逃げる無責任な人達です。
こう言う人は、必ずスケープゴートやマウントする人が必要になります。
他人と比べて自分の方が上だと思いこませるマウントや、自分の責任を他人に被せるスケープゴートが必要になるからです。
絶対表立ってがやりませんので、知らず知らずにあなたもマウントされていたり、スケープゴートにされている事があるかもしれません。

こういう人達は、本当の自分の事を全く認められないから、言動に無責任なのです。
顕在意識(自覚できる意識)では、相手に合わせ協調性を示していますが、理解して同意しているわけではありません。
潜在意識(自覚できない意識)の中では、相手に合わせた自分自身を否定しています。この自己矛盾が不満になり、影で文句や誹謗中傷したり、無責任な言動に出るわけです。
自己否定した自分自身の不満を、相手への不満のように言うわけです。
そして全て相手の責任にします。
この不満を愚痴や言い訳とも言いますが、これは全て自分自身に対して言っていることなのです。
嫌だったら、自分が断れば良いだけのことです。(この場合利害のある仕事などは別です)
断れない自分、相手に嫌われたくない自分、この自己否定した自分を言い訳で正当化して他者承認をもらうことで、自己承認してしまいます。

主に自己愛性人格障害の人に良く見られますが、人格障害は持って生まれたものではありません。素因(元になる原因)があり、それを覆い隠す為の障害です。これが脳の癖です。

このように自分を認めて、正しく物事を認知する事は、非常に大切な事です。
これは自覚できたら、自分で治そうと思わないと治りません。
他人が何を言っても、見えている世界が違うからです。

持って生まれたモノは、発達過程からも幼少期からも、認知として出てきます。この認知の凹凸が、発達障害と言われるものです。
これは定型発達(いわゆる健常者)にも、少なからずあります。
それが個性ですが、認知の歪みが激しかったり、脳の癖で認知が歪んだりすると社会生活を営む上で影響が出てくるし、やがては自分自身の精神を蝕んで病んでしまいます。

このように持って生まれたモノの素因は、青年期には統合失調症を発症させたり、人格障害を起こしたりします。これを重ね着症候群と言います。
素因になる病気に、どんどん他の症状を重ねてしまうので、重ね着症候群と呼ばれてます。
特に統合失調症は、病識(自分が病気や障害がある事を自覚できない)を持つことが出来ません。
自分を認められる人は、自分から病院に行き診断してもらえますが、自分を認められない病識の無い人は、そのまま社会に出て行きます。

統合失調症の他に、発達障害と診断されるほどではない、自閉症スペクトラム(軽度の発達障害と理解しておけば良いと思います)の人もいます。
学力の遅れが無い場合は、大学院まで進学し社会にでる人もいます。
こういう人は現実に沿った認知ができないので、思い込んだら何を言っても訂正出来ない人が殆どですし、その思い込みでレッテル張りをする人が非常に多いのも事実です。
また、その認知の歪みにより、精神作用の※防衛機制が出てくるので、妄想がある人もいます。

※防衛機制
何らかの葛藤や痛みを予感したり、危機に直面すると自分を守ろうとする心の歪み。

人には元々共感能力が備わっていますので、他人から良い影響も、悪い影響も受けます。
特に※邪気のある人と一緒にいると、悪い影響が出てしまい、知らず知らずのうちに、認知にも影響が出てきてしまいます。

※邪気
人に害を与えようとする心。すなおでない、ねじけた気持・性質。悪意。
子供の頃に、悪い事をする子供と一緒に遊んじゃダメと、親に言われた事はありませんか?
幼少時は「自分」が定まってない時期なので、邪気の影響を受けやすいからという理由があるのです。

この時に「自分」をしっかり持ってないと、他人の影響が認知にでてしまい、自分が病んでしまう人もいます。
そうならない為には、自分を認め「自分」と持つ事は非常に重要です。さらに一つ一つの知識の積み重ねと、現実に沿った正しい認知が必要とし、現実を見なければなりません。
この自分を認め「自分」を持てるように、お手伝いをするのがカウンセリングです。
認知の仕方を知識で理解し、自分で正すのが、コーチングです。
コーチング知識を得る事で、考え方が変わり認知の仕方が変わり、カウンセリングで本当の「自分」を認識出来る事で自己肯定感と自尊心が得られるようになって行きます。
そして「自分」と言う軸ができると、他人の影響を受けにくくなり、今まで見えていた世界が変わってくると思います。

※認知
認知とは理解・判断・論理などの知的機能を指し、精神医学的には知能に類似した意味であり、心理学では知覚を中心とした概念です。 心理学的には知覚・判断・想像・推論・決定・記憶・言語理解といったさまざまな要素が含まれますが、これらを包括して認知と呼ばれるようになりました。
ここで言う「知能に類似した意味」とは学力は別物です。

人はバランスの生き物です。
左右の手の先に錘の付いた、バランス人形のやじろべえと一緒です。
中心にいてバランスを取る確たる「自分」を持てずにいると、必ずどちらかに傾いてバランスを崩します。
そしてこのバランスが崩れた時に、心が病んでいきます。
認知もこのバランスを取ることが大切です。

自覚できない認知の歪みや脳の癖を治し、バランスを整え健全な「自分」を獲得してください。

さらに崩れたバランスは、老後にも影響が出ます。
以前は、老人性痴呆と言われていましたが、現在では認知症と言われるようになりました。
加齢により記憶力が衰え始めてくる50歳台から、激しく個人差が出てきますが、高齢で物忘れをする事だけが、認知症ではありません。
元々の素因が高齢による記憶の衰えにより、ごまかしきれなくなり顕在化し症状として出てきただけの事です。
若い頃から上記※に記載した、認知機能が正しく働かずに、高齢化により顕在化した症状が認知症です。
現実が見えない人が認知症になりやすいのは、昔から言われていた事です。

還暦の60歳は、十干と十二支を組み合わせた干支が一巡し、生まれた同じ暦に還る(赤ちゃんに還る)と言う意味でお祝いをしますが、現実認知できない脳も子供に返っていきます。

認知症については、別の機会に書きますが、それだけ正しい認知は人生において重要なことなのです。

※拙い文章ですので時々読み直して、読みづらいところやわかりづらいところを加筆修正してあります。

2021.8.25 公開
2021.9.4 加筆



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