防衛機制と自己愛的防衛

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精神分析の中心概念の一つ。環境変化・人間関係への不安によって人格の統合性を維持することが困難な事態に直面したとき、自我はその崩壊を防ぐため無意識のうちに「歪んだ認知」を形成する。このような自我の働きを防衛機制といい数々の種類があります。 

防衛機制を使う人は、主に自分を認められない人に多く見られますが
①歪んだ認知がその人にとっての現実だと思い込む場合は、自我障害などの精神病レベルになってしまう人が多いです。
②自己保身の為に嘘をついて歪んだ認知を行う場合もありますが、この場合は人格障害レベルの人が多いです。
①②共に自分を認めることが出来ないので、現実が見えない人達となります。
②は精神病レベルではありませんが、重ね着症候群で素因になる病気が隠されている場合もあります。(生まれ持っての人格障害はいませんので)

そして人は自閉して生まれてきます。
持って生まれた脳の構造もあるけど、ここからヒトとして成長するために学習して脳を発達させていかなければなりません。この学習の際も認知は非常に重要になります。
持って生まれたモノの障害で、自閉の域を出られなかったり、学習が出来なかったりしたり、激しいトラウマに耐え切れずに防衛機制を使うことに慣れてしまったりすると、認知が歪んで脳の癖となり成長してしまい、人格形成に大きな影響が出てしまいます。これは青年期や社会に出てから、心の病や人格障害として表出していきます。

子供の頃親に「嘘をついてはいけません」と叱られた事はありませんか?
子供の頃は「自分」が確立していないから、現実を見る事ができないので、
嘘をつかないできちんと現実を見るように促し「自分」を確立させ、人格者に育てようとするからなのです。
学習には素直さが必要となってきますが、これも持って生まれたモノとして無い人もいます。これは別の機会に書きます。

このように認知を歪める際に、使うのが防衛機制です。
精神病理だけではなく、心理学を学ぶ上でも理解しておいた方が良いと思います。
防衛機制はフロイトが提唱したものです。
下位に行くほど病的な防衛機制になります。
※最後に、軽く自己愛性人格障害についての、記事があります。

成熟した防衛(健常な個人に認められる防衛機制)
意識してなされる事。多くは12歳以降から認められる。現実や対人関係や個人的な感情を自我に統合する上で重要である。さらに、神経症や精神病レベルの防衛機制を制御する上でも重要である。

利他主義
他者の心を満たすためにサービスをすることや、他者を助けることで自己の気持ちを満たす心理機制である。利他主義は見返りを要求することはない。見返りを要求したり見返りがないと満たされないのは、利他主義ではなく、利己主義であり偽善に過ぎない。利他主義はあくまで自分の心も満たされないと意味がない。
抑制
神経症や精神病レベルの抑圧が潜在意識に閉じ込めてしまうのに対して、心理学でいう前意識や意識できるレベルの段階に要求や願望を留めておくのが抑制である。自己コントロールにおいて最も基礎となる防衛機制。
昇華
社会では受け入れがたい欲求、感情、衝動を、社会に受け入れられる建設的な価値のある活動のエネルギーへと積極的に転化させていくこと。昇華は抑圧とのセットで機能することが重要である。
予想・想定
未来の出来事を想定し、感情を伴った形で頭の中でイメージし、その時にどう対処したりどのような行動をするかを想定する
断念・諦め
断念することも必要な場合は世の中では多々ある。失敗した時が特にそうである。断念せずにこだわり続ければ時間の無駄になることが多々あろう。時間を無駄にしないのが成熟した大人である。
自己洞察
自身の感情や思考や行動を回想し不適切だと思われる部分を適切な内容に変えていくこと
ユーモア
ユーモアを言えるだけでなく、ユーモアを理解することもできないと成熟した大人とは言えない。一歩間違えると自己否定となる。自己を否定するようなユーモアはそれは道化である。
友好
他者に助けや助言などのサポートを求めること。
自己主張、自己表現 
自己の気持ちや意見や要望を言葉で直接表現し、礼儀正しく敬意を払って他者に伝えることである。
補償
自分の足りない弱い部分から生じる葛藤や不安を補うために、他の部分を強化し鍛えていくこと
同定と取り込み
相手の良い部分を見習い自分にも取り入れていく。自身の欠点を補い、自己の人格を成熟に導いてくれることになる。良心や道徳心や倫理観の形成にもつながる。(自分で理解して行うので、模倣とは違う)
気晴らし、気分転換
あくまで社会で許容されうる行動でないと気晴らしとは言えない。時々することが気晴らしであり、他のことまで犠牲にし無視して毎日するようでは、もはや気晴らしとは言えまい。それはもはや依存である。
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