点滴の量を減らしましょう。

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コラム
ICUに勤務していると亡くなる場面に出会うことがある。
大体、昇圧剤を投与しても血圧が低くて、輸液量を増やすパターンが多い。
点滴の量も5L/日程度投与することもある。
普通の人ならおしっこで出ていくが、重症な患者はおしっこが出ない。
そんな状態の患者の体はどうなってるか。

どんどんむくんでいきます。
「長時間立ってたから足がむくんじゃった」というレベルではなく
手、足、お腹、顔、陰部などすべてむくむ。
なので、1日経つと別人のような姿になる。

そんなとき医療者は
「そろそろ点滴減らそうか」と考える。

これは「点滴減らして、さっさとあの世に送り出そう」ということではなく、
容姿が変わるのが不憫でしょうがないからだ。
この治療方針の変更について家族の理解を得るには丁寧な説明が必要で、
「点滴を減らします」だけ伝えると「この医師や看護師はおかしい」と思ってしまう。
特にICUや救急など今まで元気だった方が急変し数日がんばっても亡くなる場合は、状況を理解できず医療者を責めるパターンが多い。

なので、点滴を減らす場合は
(こまめな病状説明を行い状況を理解してもらったうえで)
・予後が短いがAさんの姿が変わるが家族はそれを望むか
・輸液により、呼吸に影響を与えている可能性がある
など輸液を減らすことも患者のためであることを理解してもらうような説明が必要である。
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