神頼み...

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コラム
父の鬱は、日に日に悪くなりました。
胃がんの進行も進んでしまって、胃に穴が開いてしまうほどでしたが、本人は痛みの症状がなく、食事もしていました。
幸いなことに、痛みがなかったので食事をすることができたようですが、胃の機能が低下していたので、栄養が取れずに栄養失調になっていきました。
その頃から、食事の度に私に電話がかかってくるようになりました。
今日は、おいしく食事ができたから、ガンが消えたのかもしれない!
なんだか、胃の調子が悪いから、ガンが悪化したのかな...など
遠方に住んでいる私と連絡が取れる手段が電話だったので、毎日電話がかかってくるようになりました。
その頃、私には乳飲み子の娘と2人の息子を世話しながら、自営の仕事をしていたので、長電話する時間は正直ありませんでした。
でも、私の声を聞くと安心するから、話す時間をくれ!と言って、日に日に電話の回数が増えていきました。
最初は、1日に1回だった電話が、朝昼晩と3回になり、5回になり...ひどいときは、10分ごとにかかってくることもありました。
子供が泣いていても、父は自分の不安を解消してほしい!と縋ってきました。
父は、私を「神」のように崇めるようになりました。
以前から、神頼みをする傾向にあった父ですが、自分の娘を神にする行為がとても怖かったのを覚えています。
そのプレッシャーは、とにかく私を苦しめました。
父が私に「命」を助けてくれ!と縋るのです。
何度も病院に行くように、話ました。でも、神を信じこんでいる父は、病院を刑務所かのように悪い場所と見立てていたので、病院に行かせようとする私をひどく怖がることもありました。
ある日の事...
なかなか自由な時間が取れずにいる私を見かねた夫は、みんなで動物園に行こう!と計画を立ててくれました。
私は、久々に子供たちとお出かけできることを、本当に楽しみにしてその日を待ちました。
そして当日...
朝から、父からの電話が殺到しました。
父には、その日はみんなでお出かけをするから、あまり電話には出れないよ...と話してはありました。
しかし、父は何度も電話をかけてきました。
俺の症状はどう?見えるんだろ?どうして俺を助けれないんだ?
....
私は、我慢の限界でした。
車の中で、子供もいる中で....
「私にどうしろっていうの????私には、そんな力ないんだよ!!!!!いい加減にして!!!!!!!」
と叫んで、スマホを車内にたたきつけてしまったのです。
主人は、車を止めて
優しく背中をさすってくれました。
嗚咽するほど泣きました。
どうすればいいの...........

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