"今、世界の都市を取り巻く環境の変化"

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1.新型コロナウィルスの影響で、世界の都市形成はどのように変化しているのか。



OMAのNY事務所代表でもある、世界的建築家重松象平氏にインタビューした記事(Wiredより)を以下に抜粋する。
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 コロナウィルスの影響で、ロスのヴェニスビーチやマイアミビーチといった、旧リゾート型の都市が”文化政策”を意識し、「リヴ(暮らす)」と「ワーク(働く)」、グローバルとローカルが今までにない形で癒合する新しい都市像が形成されてきていると感じている。

 今迄は、住むところは「郊外」、働くのは「都心にあるオフィスタワー」。毎日働くために都心に出て行くというのが典型的でした。

2.ミレニアル世代にとって「働くこと」とは?「生活をする」事とは?

 コロナ以前からシリコンヴァレーを中心に、IT企業で働く若い世代、ミレニアル世代を中心に、「働くこと」と「楽しく生きること」、「生活をすること」の境目が曖昧となり、楽しむことの延長として働く環境を捉えるという傾向があった。それが今回のコロナ禍以降、世代を超えてあらゆる人に「リヴ」と「ワーク」のあり方を再考する人が増えたのではないか。
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3.重松氏が手掛けたマイアミビーチの複合商業施設「Faena Forum」アート/パフォーマンスセンターが都市にもたらしたものは?


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そもそも、マイアミは観光都市、観光客を呼ぶための商業施設を中心に開発されていっている。

 しかし、昨今、徐々に自分たちが「住み」・「働き」・「楽しむ」ための都市づくりに変わっていっていったんです。
 自分たちの都市で文化を醸成し、消費だけではなくコンテンツを作り出すことに注力するなかで、若い人が集まり、クリエイティブな活動が活発化し、最終的には他の都市との差異化を図ることができた。
 その辺かの契機となったのが、アメリカ大陸最大級のアートフェア、第18回目の「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ」の誘致に成功したことでした。

 その後は、「アート」がまさにコアな産業になるまでに様々なイニシアティブが生まれました。
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4.これから加速する「都市」に対する概念変化

「Faena Forum」は、アートイベントとつながりをもち、コミュニティにも使えるような「多目的施設」という提案をし、アート/パフォーマンスセンターという形態の施設になっている。

 このように、これまで都市というのは「観光都市」「ビジネス街」等、都市の顔が明確に打ち出されていた。しかし、これからは、先述で記載しているように「住む」・「働く」・「遊ぶ」という多面的な顔を持つ都市が増え、境界線が曖昧になっている。そういった都市が世界的に増えていき、人々は「住む場所」や「働く場所」に対する概念が変わり、選ぶ選択肢も増えていくと言えるのではないか。


*今後引き続き新型コロナの影響で加速するモノ・コト、サービスについての時事ネタを随時更新していく予定です。






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