今回は、私がかつて教わった"自分を大切にする方法"について、心理学とはちょっと違う視点から、少しお話してみようと思います。
20歳くらいの頃、役者を志していた私は、半年間ほどですが、とある養成所に通っていました。
吹き替え版”くまのプーさん”(3代目)を演じていた、亀山助清先生主催の「ヴォイス&アクターズ道場」というところです。
亀山先生……助さんは、残念ながら数年前に他界してしまいました。
私は入門して半年後には、今度は「シンガーソングライターになりたい」と言い出し、道場を離れてしまったのですが、ここで学んだことはお芝居の技術云々というよりは、夢を叶えるためのマインドの持ち方や、自己実現の方法といったものでしたので、今でも私を形作る、かけがえのない財産となっています。
もう10年以上も昔の話になりますが、確か入門してすぐの頃に"幸せになるための約束事"を、3つ教わったのでした。
その3つは、こんなものでした。
1.お札は向きを揃えてお財布に入れる
2.靴は脱いだら揃える
3.使用後はトイレの蓋を閉める
……え、これだけ?(^_^;)
というような内容ですが、今でもなるべく心掛けるようにしています。
この道場での教え以外にも、例えば昔から風水やなんかでは、運気を良くするには「水周りを綺麗に」とか「玄関を綺麗に」とか、というようなのもありますよね。
要するに先人達の知恵をお借りする限りでは、幸運を引き寄せるにはまず、"丁寧に生活する"ことが大切、ということなのではないかと私は解釈しています。
ズボラに生活しても、丁寧に生活しても、他の人に迷惑になったり、他の人の役に立ったりということは、あまりないと思います(ゴミ屋敷が迷惑防止条例に引っかかったりするようなレベルまで行ったら、話は別ですが……)。
一緒に住んでいる家族がいる方は、家族の生活に影響を及ぼすことはあるかもしれませんが、基本的には"丁寧に生活する"というのは、誰かのためというよりは、一番には"自分のため"です。
では何故、それが幸せな人生のために大切なのでしょうか?
これはあくまで私の解釈ですが、"丁寧に生活する"というのは、実は"自分を大切にする"ことの一環なのではないかな、と思っています。
もし自宅に大切なお客様が来るとなったら、多くの人は、いつも以上に「お掃除しよう」という気が起きるのではないでしょうか。
その理由は勿論、お客様に快適な空間で、気持ち良く過ごしてもらいたいからです。
では今度は、"自分が"幸せと感じられるよう、快適な空間で気持ち良く過ごすためには、どうしたらいいでしょうか?
……恐らく、おわかり頂けると思います(^_^)
幸せを感じるためには"自分を大切に"とはよく言われるものの、具体的にどうすればいいのかわからない、ということはよくあると思うのですが、要は、大切な人にするのと同じように、自分を扱ってあげればいいんですね。
面倒くさくて自分じゃ普段やらないけど、人からしてもらったら嬉しいかな、というようなことも、たまには自分のためにして"あげる"。
自分のためだけど、ちょっと一手間かけて"あげる"。
きっと、ちょっぴり、嬉しい気持ちになると思います。
そんな"ちょっぴり"が積み重なって、"幸せ"は大きくなってゆくのではないでしょうか。
だからといって「今日からあれもこれも」と、無理をしてやる必要はないと思います。
「面倒くさいなぁ」と思う自分も、それはそれで"大切な自分"なので、蔑ろには出来ないからです。
一番大切なことは、決して無理はせず、自分が気持ち良く感じられるバランスを探すこと。
何事も完璧主義を目指さず「これなら出来るかも」というラクチンなことから、ひとつひとつでいいのだと思います。
逆に、自分なりに丁寧に暮らしていても、何故か幸福感なんて感じられないという人は、もっと、"ちょっとズボラで面倒くさがりな自分"も大切にして、たまには休ませてあげた方がいいのかもしれません。
いつも頑張ってくれている自分に、お礼を言ってあげて下さいね。
幸せは小さなものから、ひとつひとつの積み重ね。
特に、大きな願いを叶えようとする時ほど、その土台となる小さな願いの数々を、蔑ろにしてはいけません。
どんなことでも、自分が「幸せ!」と感じられる時間を、大切に暮らしたいですね。