好きな人ほど信じてあげられない、本当の理由

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恋をしている時、自分の好きな人のはずなのに、何故かどうしても相手のことを心から信じられない、確かな根拠もないのに些細なことでつい疑ってしまう、それで苦しい思いを抱えてしまう……なんて経験をしたことはありませんか?

その結果、実際に「裏切られた」と感じるような出来事が起きたり、不安な気持ちを相手にぶつけてしまって関係が悪化してしまう、しかもそれが1度限りではなく、パターン化して繰り返されてしまい、いつも恋がうまくいかない……なんてことも。

ですが、この"うまくいかないパターン"を作ってしまっているのは、必ずしも相手のせいだけではなく、実は"無意識の自分自身"が元凶かもしれないんです(勿論、パートナー間での問題は「どちらか一方だけに100%原因がある」ということは基本的にないと思いますが)。

好きな人ほど信じてあげられない……というのは、相手の側だけの問題ではなくて、自分自身が"愛されている自分"を信じることが出来ていない、ということもひとつの原因なんですね。


相手を疑うというのは「相手に傷つけられるかもしれない」と、自分が傷つくことを恐れ、警戒している状態です。

ですから「自分が愛されている」と心から感じられている人は、相手を疑う必要がありません。

また、「裏切られた」と感じるような出来事が起きた時、深い人間関係ほど、傷つくリスクも大きいものです。

どうでもいい相手であれば、そこまで深く心が傷つくこともないでしょう。

大切な人だからこそ、信じることが難しいのは、それだけ自分が傷つくかもしれない不安が大きいからなんです。

相手を疑うというのは、この"不安"を和らげるために保険をかけておくようなもの。

相手に疑いをかけておけば、もしも自分の心が傷つくようなことがあった時「やっぱり、信用できない人だった」と相手のせいにしたり、あるいは「やっぱり、私には異性運がないんだ」とか「やっぱり、男の人は(女の人は)信用できない」と型にハメて片付けてしまうことで、自分の心を守ることが出来ます。


しかし、この"不安"という感情の主人公は、果たして誰でしょうか?

もし相手が変わってくれたら、この不安はすべて消えるのでしょうか?

勿論、相手が変わったことにより、その影響をプラスに受けて不安が解消されるというケースも、あると思います。

ですが、過剰な"不安癖"を持っている人は、自分自身がこの不安の原因としっかり向き合わない限り、どんなに相手が誠意を尽くしてくれたとしても、手を変え品を変え相手への猜疑心が生まれ続けてしまうというケースも、決して少なくないのです。

そしてこの不安な心は、"愛されている自分"、"愛される価値のある自分"を心から信じられないことから生まれています。

自分で自分自身を疑っている状態ですね。

"愛されている自分"を信じられないと、当然「私は愛される価値のない人間なのだから、この人が私を愛してくれているわけがない」と、相手のことも信じられなくなり、無意識にその証拠となるものを探すようになってしまいます。

あるいは「自分には異性を見る目がない(=自分には幸せになるだけの価値がない)」と思い込んでいれば、「私の選んだこの人が、本当に素敵な人であるわけがない」と疑い始めるでしょう。

実際に、およそ自分を大切にしてくれないような異性ばかりを、無自覚に選んで引き寄せてしまうこともあります。

"相手を疑う心"の正体はこの場合、実は"自分を疑う心"なんです。


では、愛する人を信じ続けるためには、どうしたらいいのでしょうか?

そのためにはまず「相手を疑う心は、自分が傷つくかもしれないという不安から生まれるものなんだ」と、知っておくことです。

その上で、疑いの気持ちが生まれた際に、その都度「それって事実? 感情的になってない?」と自分に問いかけ、冷静に判断が出来るよう訓練をしていく。

そしてまた、自分自身の価値を信じることも何より大切です。

自分が自分を大切に思えていれば、「好きな人だから」と盲目的にならずに、異性から蔑ろに扱われる状況に甘んじることなく、本当に自分を大切に想ってくれている人をしっかりと見極めることも出来るはずです。

"信じる"というのは、ずっと疑心を持たずにいられるということではなく、疑う気持ちが生まれる度に、何度でも根気よく"信じる"を自ら選択し直せることではないかと思います。


また、"信じる"ことと"期待する"こととは違います。

相手が自分の望むとおりに動いてくれることを期待するのではなく、ありのままの相手を、より良く生きていこうとするひとりの人として、信じてあげること。

いかに相手を真摯に信じることが出来たとしても、相手には相手の価値観や事情、生きてきた人生がありますから、こちらの思い通りにはいかないこともあるかもしれません。

ですが大概の場合、自分が思うよりはるかに相手の心もデリケートだったりするもので、こちらの疑いの心が伝わってしまうことで、相手の"裏切り"とも呼べる行動を生み出してしまう、なんてことも。

逆に、ひたむきに相手を思い遣り、信頼するこちらの想いが伝わることで、相手の心を良い方向へ動かす場合もあります。

……そしてもしも、こちらの望むような結果にならなかったとしても、自分が相手と向き合い最善を尽くしたと誇れる恋愛であれば、どんな形であれ必ず、あなたを成長させる糧となるはずです。

お互いに、"保証のある恋愛"なんて、どこにもありません。

それでも、相手を"信じる"ことなくしては、本当の"愛"にはなれないのではないかな、と私は思っています。


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