物語の地図が脳内にある人とない人

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おはようございます、鳳堂 志幻です。

今回はハリウッドの脚本術でおなじみのシンデレラ曲線(『感情曲線』や『シチュエーションカーブ』という呼び方もある)を紹介します。

物語は主人公が目的を達成するまでの展開を追いかけるという構造を持っています。もちろんホラー作品やバッドエンドの作品、一部のドラマ重視の作品などはその限りではありません。
しかし、物語の基本は目的達成までの過程を楽しむものです。

そして、勘違いしてはいけないのは、
読者(観客)は、主人公が簡単に目的を達成することは望んでいない」ということです。

目的を達成しようとする主人公の前に「障害が現れて、葛藤する」感情があるからこそ、読者は目的達成した際に喜びを感じるのです。

――で、タイトルの画像ですが便宜上、主人公の状況が上下する線を『シンデレラ曲線』、徐々に盛り上がっていく線を『感情曲線』と分けて書きました。

それぞれの解説です。

シンデレラ曲線→物語の展開に合わせて主人公の状況が変化する。
        目的達成に近付くほど、上昇する。
三幕構成に対応して『W』の様な形になる。
        盛り上がっている状態から急激に落ち込ませることで、
        大きな感情の振れ幅を作る。
        それにより読者の感情を揺さぶるという狙いがある。
感情曲線→物語開始時から徐々に盛り上がっていく。
     盛り上がるほど上昇する。
雪だるまを坂道に転がすと徐々に大きくなっていくのに似ている。
     物語だけでなく、漫才やコントでもこの曲線は意識されている。

これらの曲線は心理学的にも証明されています。
ピークエンドの法則』と呼ばれるものです。

簡単に説明すると、ある一定の時間何かを経験した場合に、一番盛り上がった部分(ピーク)と最後の部分(エンド)で、全体の判定をするという法則のことです。

つまり、映画の場合には物語の冒頭10分が面白かったとしても、中盤とラストが退屈であったら評価は低くなってしまうということですね。
逆に言うと、ピークとエンドが面白ければ評価は高くなるということでもあります。

シンデレラ曲線や感情曲線の図のさらに詳しい説明はネットにあるので調べてください。

私が今回主張したかったのは、これらの図が頭に入っている状態で物語を考える人と何もない人では、創作する際の効率や作品の面白さに大きな差が出るということです。

私は普段はココナラでは物語創作のアイデアを提供するサービスを行っています。
依頼者の多くが展開で行き詰まっている理由として、この曲線を知らない、もしくは上手く使いこなせていないというものがあります。

なので、今回はそうした悩みを抱える人が少しでも減ることを願ってこの記事を書きました。

これからは物語の地図を頭に入れて、自由に創作を楽しみましょうね★


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