【申請しないともらえない給付金】産休・育休時にもらえる給付金について

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法律・税務・士業全般
妊娠が分かり、いよいよ産休に入ろうと思った瞬間、あれ?産休・育休中にもらえる給付金ってどんな種類があるんだっけ・・??提出先は?もらえる期間は?・・・・などなど不安に思われる方もいるかもしれません。
ここでは、そのような方に向けて簡単にブログでまとめさせていただいております。
これから産休に入るから勉強したいけど、何から調べればわからないといった方がおりましたら、ぜひ参考にしてください!

|産休前|

■妊婦健診の補助
妊娠は病気ではないため、妊婦健診にかかる費用は全額自己負担になります。しかし、それでは経済的な負担になってしまうため、各自治体は妊婦健診にかかる費用の一部を助成する制度を設けています。
自治体から交付される受診票を、医療機関の受付へ提出することで、所定の検査にかかる費用が助成され、病院の窓口で支払う診療代の負担が軽減されるしくみです。

『1回いくらくらいの補助なの?』
1回につき4000〜10,000円程度が支給されます。
妊娠中は妊婦健診を受けるため、通常は14回くらい病院に通うことになるため、かなりの経済的負担になります。
そのため妊婦健診の費用は住んでいる自治体から一部助成してもらうことができます。

『申請方法は?』
まず、妊娠が確定したら自治体の窓口に妊娠の届出を行います。
そのときに母子手帳などと一緒に、自治体からの助成金で妊婦健診を受けられる補助券をもらいます。「妊婦健康診査費用補助券」などの名称で、補助券が冊子状になっているのが一般的ですが、もし貰えなかった場合は、自治体窓口に問い合わせしてみましょう!

『支給方法は?現金振り込み?』
補助券を病院の窓口に提出することで、妊婦健診の費用から助成額が差し引かれる仕組みです。
助成金の金額は住んでいる自治体によって違いますが、検査項目の多いときなら1回あたり1万円程度、通常の健診なら1回あたり4000〜5000円程度が一般的です。※補助券の枚数や金額は自治体により異なります。

※参考
健診費自己負担は、合計で5万円程度かかりります。
検査項目が多いときには、助成額を差し引いても1回で1万円以上の支払いが発生することもありますので、ある程度お金がかかるという事は認識しておいた方がいいでしょう。

傷病手当金

傷病手当金は、病気やケガで休業した方やその家族の生活を保障するための制度です。健康保険の被保険者本人が、業務とは関係のない病気やケガで仕事を3日以上連続で休んだ場合(この3日間を待機といいます)、4日目以降の仕事を休んだ日に対して、保険組合の審査後に傷病手当金が支給されます。3日間連続で休んだ後、4日目は出勤して5日目以降再び休んだ場合なども支給対象となります。ただし、休職中も給与が支払われている場合は、傷病手当金は支給されません。支払われる給与が傷病手当金より少ない場合は、傷病手当金と給与との差額分が支給される制度となっております。

『病気やけがでしょ?妊娠の場合は病気でもないんだけど、傷病手当金申請出来るの?』
こういう疑問ももちろん抱えると思います。保険組合に申請してみないと確実な事は申し上げられないですが、妊娠悪阻という事で傷病手当金が支給される可能性が高いです。
「病気じゃないから傷病手当金は申請出来ない」という事は決してございませんので、申請してみる事をお勧めします。

『傷病手当金ってどういう時にもらえるの?』
①業務以外の私傷病であること
②3日以上連続で休んだ場合
③欠勤でお休みしていること(会社から給与が出てないこと)
傷病手当金.PNG

上記の図で言うと、下2つは傷病手当金の対象となりますが、一番上は3日連続で休んでないので、傷病手当金対象にはなりません。
そのため、辛い中一生懸命勤務されるより、まとまってお休みを取った方が傷病手当金が受け取れるので、ここは会社の方と相談してください。

『被保険者の配偶者はもらえるの?』
旦那様の扶養に入られている奥様が傷病手当金申請をすることはできません。
こちらは被保険者本人のみもらえる手当金なので、旦那様の扶養に入られている場合は受けとる事ができません。

『いくらくらい貰えるの?』
計算式は下記のように求められます。
1日あたりの傷病手当金=直近12ヵ月の標準報酬月額を平均した金額÷30×2/3
※標準報酬月額:社会保険料の基準になる金額のこと
大体、給与の2/3程度が貰える認識で大丈夫です。

『申請方法は?』
各保険組合に傷病手当金申請書のフォーマットがあります。
それを記入&病院にも証明をいただいて、各保険組合に申請してください。
※会社によっては会社経由の所もありますので、規程などをご確認ください。

『支給方法は?現金振り込み?』
こちらは一度病院では支払っていただき、申請する事により後でお金が支給されます。

|産休~産後休暇|

産休~出産、産後休暇までに申請する書類は、下記の通りです。

■出産育児一時金
出産にあたっては、健康保険や国民健康保険から、出産育児一時金を受け取ることができます。出産したときに一時金が支給されます。

『いくらの補助なの?』
出産育児一時金の支給額は、2023年4月1日からは500,000円に増額されました。(双子であれば1,000,000円)

『この対象も働いている人のみで旦那の扶養者はもらえないの?』
こちらは健康保険に加入している方であれば、全ての妊婦さんが受給の対象になります。
この出産育児一時金の時に出てくる「出産」とは、妊娠4ヵ月以上の出産です。この条件に当てはまれば、生産(早産)や死産(流産)、人工妊娠中絶も対象となります。

『申請方法はどうするの?』
受け取り方法について異なります。
■直接支払い
直接支払制度を利用する場合、出産する医療機関で事前に手続きを行います。加入している健康保険組合などへの申請は必要ありません。出産育児一時金は医療機関に直接支払われ、出産費用が500,000円を超えた場合には差額を窓口で支払います。多くの医療機関では、直接支払制度を採用しています。
(この場合は医療機関に言われた通り申請してください)

■産後申請方式
産後申請方式を利用する場合、出産する方は医療機関でいったん出産費用を全額支払います。その後、加入している健康保険組合へ請求を行うことで、出産育児一時金が支払われます。
一時的とはいえ出産費用を全額負担しなければならないので、経済的な負担を感じる方もいるかもしれません。

「出産費用が高額になった場合」
帝王切開などの手術や妊娠中のトラブルなどで、入院しなければならないことがあります。その場合、公的医療保険を適用したとしても医療費がかなり高額になってしまいますが、そんな時に利用できるのが「高額療養費制度」です。
しかし、公的医療保険を適用したとしても、医療費の負担が重くなってしまうケースも考えられます。このようなときに利用できるのが、高額療養費制度です。

「どんな人が受けられるの?」
こちらも健康保険に加入している方であれば、全ての妊婦さんが受給の対象になります。

『申請方法は?』
こちら各保険組合によって異なりますので、各保険組合にお問合せください。
また「限度額適用認定証」というものもございます。
こちらを事前に準備いただければ、高額になったとしても上限10万円程度で収まるのでこちらも忘れずに申請した方がいいでしょう。
※金額も保険組合や各従業員の給与に影響してくるのであくまでも目安です

限度額認定証明書.PNG


■出産手当金(産休手当)について

『どんな人が対象なの?』
出産手当金を受給できるのは、勤務先で健康保険などに加入している被保険者本人です。パートタイマーやアルバイトで働いている方であっても、勤務先で健康保険に加入していれば出産手当金を受けられます!

※対象外
ご主人や親の健康保険の扶養に入っている方、国民健康保険の被保険者の方には、出産手当金の支給はありません。傷病手当金と同じく、自営業などの方が産休を取っても出産手当金の対象にはなりませんので、注意しておきましょう。

『申請方法は?』
産休中にもらえる給付金なので、一度会社に申請書一式を取り寄せてみましょう。もしご対応いただけない場合は、各保険組合に問い合わせて申請書を記載するようにしましょう!

『いくらくらい貰えるの?』
例えば標準報酬月額300,000円の方が受給する出産手当金の支給額は次の通りになります。
1日あたりの支給額=300,000円÷30日×2/3=約6,666円

『どのくらいの期間もらえるの?』
こちらは産前産後休暇中です。出産日がズレてしまった場合でも産後56日までは支給期間の対象となります。

『いつ振り込まれるの?』
出産手当金の申請は産前、産後など複数回に分けて行うこともできますが、申請のたびに事業主の証明が必要になるため、産後57日目以降(産休明け)に産前休暇と産後休暇分をまとめて申請するのが一般的です。
通常、申請から出産手当金の入金まで1~2ヵ月程度かかります。
※毎月〇日など決まってないので、注意しましょう!


|育児休業中|
■育児休業給付金(育休手当)について
育休手当を受給できるのは、雇用保険の被保険者で、一定の要件を満たし、1歳未満の子どもを育てるために育児休業を取得する方です。
ただし、保育所に入所できないなどの理由で職場復帰ができない場合は、子どもが1歳6ヵ月に達する日の前々日まで、子どもが1歳6ヵ月に達する日以後も職場復帰ができない事由がある場合は、最長で子どもの2歳の誕生日の前々日まで、育休手当の支給対象期間を延長できます。

『どんな人が対象なの?』
下記全て満たす方が対象になります
①育児休業開始前2年間に賃金支払基礎日数11日以上の完全月が通算12カ月以上あること
②育児休業期間中の1ヵ月ごとに、育児休業開始前6ヵ月における1カ月あたりの賃金の8割以上の賃金が支払われていないこと
③就業日数が支給単位期間(1カ月)ごとに10日以下(10日を超える場合は80時間以下)であること
※正社員以外の、契約社員や派遣社員、パートタイマーであっても、育休を取得し、所定の要件を満たしていれば育休手当を受給できます。


『申請方法は?』
こちらは会社経由で申請をすることになります。
各保険組合、年金事務所、ハローワークそれぞれに申請をする事になりますので手続きを忘れないように注意しましょう。

『いくらもらえるの?』
下記計算式で求められます。
育休手当の支給額=育児休業開始時の賃金日額×支給日数×67%(育児休業開始から180日経過後は50%)
育休給付.PNG


|復帰後|

■養育特例
3歳未満の子を養育している組合員の標準報酬月額が低くなった場合に、共済の掛金は実際の低い標準報酬月額をもとに算定・徴収しますが、将来もらえる年金は、子が生まれる前の高い標準報酬月額で計算する制度です。 

「どんな人が取得できるの?」
3歳に満たない子を養育し、又は養育していた組合員なら誰でもできます。  子が扶養認定を受けている必要はありません。  父母いずれも申出をすることができます。  産休や育休を取得していない方も申出をすることができます。  子が3歳を超えている場合(※)でも申出をすることができます。 ※ 申出日の属する月の前月から遡って2年間のうちにあるものに限り養育特例を受けることができます

「申請方法は?」
一般的には会社に申し出る事が通常です。人事の方がこの制度を知らない場合もございますので、もしご存じない場合はお伝えください。

また、産休育休の説明やもっと詳しい話が聞きたいなどご要望がございましたら、サービス(ビデオチャット)でも受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。



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