労務の仕事とは

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法律・税務・士業全般
労務って聞いてどんな仕事が思い浮かべるでしょうか・・??
単なる事務作業じゃない?具体的に何しているか謎・・・と言われる事も多々あります。
そこで今回は、労務の業務について簡単に説明できればと思っております。


労務とは

企業における労働に付随する関連業務全般を行います。
具体的には、勤務管理や、労働の報酬となる給与の計算、社会保険の手続き、産休・育休の手続きなど、従業員のサポートをする業務となります。
これだけを聞いたら、裏方で従業員側の業務かと思いますが、実は経営にも関われる重要なポジションとなりえます。追々追記させていただければと思うのですが、まずは労務の業務全般をご説明します。

労務担当の主な仕事内容

■勤怠管理
勤怠管理は非常に重要な業務の一つです。
残業代の未払いや長時間労働は会社のリスクにしか繋がりません。
また、36協定だけではなく割増賃金であったり法定休日の理解、振替休日の理解など様々な知識が必要となる所です。
毎日の勤怠チェックは地味なものですが、見過ごした場合のリスクが大きいので気を張って業務をするべき所となります。

■給与計算
従業員への給与の支払いに関して計算業務を担当します。
残業代だけではなく、社会保険料や雇用保険料、所得税や住民税などきちんと計算できているかどうか、細かい所まで間違いなく計算しなくてはなりません。振り込み期限もありますので、より正確によりスピーディに業務する事が求められます。

■各種保険手続き
・雇用保険
・労災保険
・健康保険
・厚生年金保険
・介護保険(40歳以上)
上記の保険は対象者は必ず手続きしなくてはなりません。対象者はそれぞれ異なりますので事前に知識としていれて置いた方がいいです。
この手続きを行っていないと、会社としての責任も問われたり、従業員にとっても不利益な事に繋がってしまうので、従業員が入社されたら迅速かつ正確な手続きを行うことは、労務担当者にとって非常に重要な業務です。

■年末調整・給与支払報告書作成
年末調整は、給与所得者の1年間に源泉徴収された所得税などについて再計算し、所得税の過不足を精算する制度です。
こちらは労務だけでなく税法上の知識も必要となってきますが、原則は全従業員が対象となります。
従業員への説明から回収、内容チェックなど作業量は多くなるので、この時期は効率化を意識する必要がございます。
また年末調整した後に、それを各市町村へ連絡する給与支払報告もしなくてはなりません。
それを元に市町村は住民税を計算するため、提出しなくてはならない書類となります。年末調整が終わって一安心ではないので、忘れないように提出しましょう!

■福利厚生業務
こちらは採用力強化であったり、従業員の定着、モチベーションや生産性の向上などを目的としており、企業の維持成長において重要な役割です。
定期的に見直し・改善を行なう必要がありますが、従業員にとって良くても会社としてのコストがかかりすぎるなど経営を圧迫してしまっては、元も子もありません。
従業員の意見を取り入れつつ、会社の方針と合うような福利厚生を考えていくポジションです。

■産休・育休・休職者対応
産休・育休・休職に関しては、経営者はもちろん、当事者も分かってない事が多いです。
そのため、育児休暇とはそもそも何なのか、何のために、いつからいつまで取得できるのか、休職中の給与はどうなるのかなど、きちんと理解して従業員へ説明する必要がございます。

ここまでは一般的に裏方業務に近いのですが、下記からは冒頭で申し上げた経営にも関われる業務となります。
上記の業務に関してはマニュアルがあれば何となく業務する事も出来てしまいますが、下記を意識して業務する事によって経営にも関われる労務となれると思います。


■人事関連規程管理
就業規則や規程は、会社という組織に属するすべての者が遵守しなければならないルールです。こちらは法律にも定められているので、きちんと法律が守られた就業規則になっているかがまず大切なポイントです。
明文化されている内容は企業によって異なりますが、この内容をしっかり理解されていない経営者であったり従業員は多いはずです。
ここをしっかり理解、説明できるだけでも労務担当の価値は上がります。
さらに、この就業規則などは、企業の規模拡大や事業内容の多角化、時勢の変化などにより変更させなくてはなりません。
なぜなら、それが企業の成長の妨げとなったり、会社、従業員にとって有意義なものではなくなるためです。
法律を守りつつ、会社の方針にも常に沿える形の就業規則を維持する必要が出てきます。
そのため、経営者側の意見も取り入れながら業務をしていかなくてはならないので、重要なポジションと言えるでしょう

■安全衛生管理
従業員の安全と健康を保全するため、医師による健康診断を必ず行なわなければなりません。
この健康診断は、従業員を雇い入れたタイミングのほか、年1回以上定期的に行なう必要があります。
労務の業務は、こちらを滞りなく受けさせることと結果の記録・保存、保健指導や労働基準監督署への報告業務などがあります。
メンタルヘルスの重要性も近年聞かれるようになり、常用雇用者が50人以上の事業者に対してストレスチェックの実施も義務付けられました。
こちらの実施と運営、メンタル不全者への対応も必須業務となっております。

またそれだけではなく、労災が発生しやすい会社はなるべく発生しないようにする安全配慮義務もあります。
高い所に重いものを置かないなど、労災のリスクを軽減させるのも労務の仕事です

求められるスキル

■専門知識
こちらは言わずもがなですが、労務業務は様々な法律を知らないと業務する事ができません。その法律も都度改正が加わるため、アンテナを高くして情報キャッチ、理解を繰り返さなくてはなりません。
1度得た知識をそのままにするのではなく、常にアップデートする意識を持ちましょう

■コミュニケーション能力
こちら従業員への説明はもちろんのこと、時には法改正や会社の方針に合わせて就業規則を変える際、経営者にも説明する事が求められます。
法律だからというだけではなく、自社にとってどんな風に有益なのか(例えば採用力強化など)をきちんと説明できるコミュニケーションも必要となってきます。
また、経営者側で決まった内容を従業員へ説明する際も、従業員の立場になって説明しないと不信感につながり、退職に繋がってしまうケースも考えられます。
上手にコミュニケーションが取れる方が向いていると言えるでしょう。

■秘密保持できる方
給与計算を始め、住所や生年月日、休職履歴などすべて見られる立場となります。また、会社のインサイダー情報も事前に知る機会もありますので、秘密厳守が出来る方が向いております。

最後になりましたが、今まで労務とは何ぞやという事を簡単ですが説明させていただきました!
実際に「労務業務って何するの?」「新任労務になったけど全然やっていることがイメージつかない」という声もちらほら聞こえます。
また、労務業務についてちょっとご相談がある方も随時お話をお伺いしますのでお気軽にご相談いただけますと幸いです。


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