物忘れが多くなると、認知症と診断されています。
私は、年齢とともに忘れっぽくなるのは仕方ないと思います。
私もよく忘れます。でも認知症とは思いません。
こういう診断をつけることが何かの役に立っているのだろうか? 謎です。
毎回同じことの繰り返し
訪問に伺うと、毎回自己紹介をします。
そして、利用者さんは初めて話すかのようにご自分の話をします。先週も聞きました。
その前の週ももちろん聴いてます。毎回聞いている話を1時間聞いています。
以前も聞きましたよ。何度話をするんですか?
なんてことは言いません。
毎回初めて聞くかのように、聞きます。
そして、すごいですね!!と言って、その方を認めます。
これが一番良い対応になります。
若い頃の思い出
若い時の良い思い出にひたりたい。あの時は楽しかったな〜ってことは誰にでもあると思います。
やっぱり幸せだった時が一番記憶に残ります。
その話をしている時は、とても生き生きしていて、若返った感じになります。
今夢中で仕事して、子育てしてとやっている時間が、あの時は大変だったけど、楽しかったな〜って時に変わるんですね。
なので、そういうお話をしているときは、よく聞きます。そうすると、やはり笑顔と自信に満ちた表情がでてきます。
私はこの表情がとても好きです。
自分の生きる道を決めて、色々な苦労を乗り越えて人生90年を迎えていらっしゃる、そんな方々と出会え、お話を聞かせていただける機会があるというのは、訪問看護だからできることと思います。
人を気遣う気持ちがある
日本人は、おもてなしすることが風習としてあります。特に大正、昭和時代の方はそういう傾向があります。
暑かったでしょ!お茶どうぞ!って、それだけで、相手のことを思ってくれる優しさがあり、それに救われています。
ナースだから自分が助ける側で相手からの好意は受けない!って思う人もいるかもしれませんが、私は受けます。
何かをやってもらったら、何かお返しにやってあげたいと思うことは普通だし、それを拒否して、仕事ですからということもできますが、相手の気持ちを考えたら、やっぱり受け入れた方が、満足感が違います。
ナースであっても人間だし、利用者さんも人間です。
人間対人間の関わりがまず最初にあって、それからナースと利用者さんという肩書きがあると思います。
色々な意見があると思いますが、私は人に気遣える方は、まだまだ認知症とは思わないし、元気でい続けられると思います。
仕事をしている時が一番幸せ
なんか物忘れが多くなってきたと不安になることもあるかもしれません。心配だからあまりうちのことはやらせないようにしようとして、やることを全て取り上げてしまうことがあります。
そうすると、やることはテレビを見るだけになります。これは認知症を悪化させます。誰ともコミュニケーションがなく、ただ一方的な音を聞いているだけなので、考える必要がありません。
どんなに小さなことでも仕事として持っていた方が、イキイキ感が違います!
90歳過ぎてもタバコ屋さんをやっている方もいました。娘さんのフォローがあるからできていることでもあると思います。サポートは必要になってくると思います。
それでも、その方の自尊心を維持し続けるのは、いつまでも自分には仕事があり、自分がやらないと他の人が困ってしまうから、やり続けるという気持ちだと思います。
それを維持し続けられるように、ご家族のサポートもしていくことが在宅で求められていることだと思います。