ミックス④ ボーカルミックスと仕上げ

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音声・音楽
ココナラ初仕事のご紹介、ミックス作業は前回までに8割以上終わりました。
いよいよ最終段階、ボーカルミックスの調整と全体の仕上げを行っていきます。

ボーカルのバランス取りの難しさ

ミックスをしていてよく起きる問題が「ボーカルのバランスが大きすぎる(小さすぎる)のでは?」という迷いです。
ピッチ補正や各楽器の処理、バランス取りなど長く作業してきているので、同じ音を聞きすぎて判断が難しくなるというのも原因のひとつです。
しかし、一番の理由はオンマイクで録ったボーカルのダイナミックレンジ(音量の幅)が楽器よりも大きいからです。
そのため、レコーディングエンジニアがスタジオでボーカルを録る際には必ずと言ってよいほどコンプ(compressor)を使用します。
これによって、楽器と同じようにフェーダーでバランスを取れるようにしておきます。また、コンプがかかっていた方がボーカリスト自身も歌いやすいので良いパフォーマンスが期待できます。
こうした録り音に対してミックスの段階でさらにコンプを加えていくこともよく行われています。
「歌ってみた」など、宅録されたボーカルのほとんどはコンプが施されていないので、上記のような問題がより多く起きると思います。

強弱(表情)と音量は別物

「コンプを使うと元のニュアンスが失われるのでは?」という心配があるかも知れませんが、コンプが圧縮しているのはオーディオにおける「音量」であって、ボーカルの強弱や表情とは別の要素です。
「ささやき声」のフェーダー(音量)をいくら上げても「叫び声」にはならないと言えば伝わるでしょうか。
コンプの使用目的は、オンマイクによって過剰に広がってしまったダイナミックレンジをオケの中での適切な幅に収めるというイメージです。

リバーブとディレイ

ひと昔前は、ミックスといえば「スネアとボーカルには必ずリバーブ」と言われていました。
今ではそんなことはなく、ボーカルに全くリバーブが使われていない曲もあります。スネアに関してはリバーブをかけることの方が少ないです。
それでもやはり、ボーカルをオケの中に配置するためにはリバーブとディレイはとても大事な要素です。
詳しくはまた話したいと思いますが、様々な選択肢の中でも「プリディレイ」と「リバーブタイム」が私にとっては重要です。

最終の仕上げ&マスタリング

ボーカルミックスまで完了したら、ついに完成間近です。
(タイトルの写真は今回のボーカルミックスに活躍したプラグインです)
今回は1曲のみのご依頼なので、トータルEQやトータルコンプ、リミッターなどマスタリング処理も同時に行ってしまいます。
この場合、ミックスとマスタリングのどちらの問題に気付いても両面から対処できます。
出来上がったミックスをお客様に聴いて貰ったところ、とても気に入って頂けました!
音圧たっぷりのマスター音源と-14LUFS程度に抑えたYouTube向きの音源、2つを納品して今回のミックスは完了です。(この辺のマスタリングに関する話もまた次回以降に…)
ココナラで出品スタートしてからの初のご依頼でした。本当にありがとうございました!

4回に分けてお伝えしたミックスのご紹介、お読みくださりありがとうございました。
なかなか文章ではうまく説明できないこともありますので、質問等ありましたらお気軽にメッセージください。ご回答いたします。
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