「お店をオープンするときのウェブ集客ってなにをやったらいいんですか?」
と聞かれることがあります。
実際、SNSを使うとかホームページを作るとか、漠然とウェブ集客に対するイメージは皆さんあるものの、体系的にウェブ集客について教えてくれる人や本がないため、全体像がとらえづらいのも事実です。
そこで、このnoteでは、「オープン前からオープン後まで」の時系列ごとに、どんなウェブ集客をすればいいのかを、わたしが実際にサポートさせていただいている店舗様を例にご紹介させていただきます。
今回のモデルケース
愛知県豊橋市に2024/3/2にオープンするwine bar Olive様。500本以上のワ
インをストックされており「日本ワインと世界のエイジングワイン」がコンセプトのお店。
店舗オープン前のできるだけ早い段階
まず一番最初に取り組むべきなのが、InstagramやFacebookページ、X(旧twitter)などの各種SNSのアカウント作成とフォロワー作りです。
これに関しては"いついつに始めればいい"というものではなく、「できるだけ早い段階で取り組む」のが正解です。
Instagram: 画像や動画がメインのSNS。飲食店なら今ややらない選択肢はないほど集客力のあるツール
Facebookページ:Facebookを持っている個人だけが作れるページ。集客力だけを見れば絶対に必要!というほどではないが、セミナーやイベントを開催するときに便利。BASEなどネットショップとInstagramを連携するときには必須のため小売店は必須
X(旧twitter):テキストベースのSNS。店舗への集客力は決して強くないが、ネットショップへの誘因やブログ記事の拡散力などが強いため、日々の情報発信に役立つ
この段階でInstagramならナチュラルな(相互フォローなどで増えたわけではない)フォロワー1,000人、Xなら2,000人、Facebookページなら100人もフォロワーがいれば、そこそこのスタートダッシュが切れるはずです。
SNSのフォロワーがいれば、集客だけでなく、クラウドファンディングなどの資金集めやメディアの取材など、様々な段階で効果が発揮できるでしょう。
以下はフォロワーを増やすのに参考になる記事です。
SNSのフォロワー数だけにとらわれない
ただ、先ほどフォロワー数を提示しましたが、フォロワー数はあくまで目安です。
たとえば、バーのような高単価のサービスだとフォロワー100人ぐらいでも十分かもしれませんし、カフェのように低単価なサービスだと2,000人いても売上全体への影響力は弱いかもしれません。
あくまでフォロワー数よりもフォロワーの質が大事なことはお忘れなく。
店舗オープン1~2か月前の集客
店舗オープンの1~2か月前に始めたいのが、ウェブサイトの作成です。
自分で作るにせよ、誰かに依頼するにせよ、初めてだと打ち合わせ→原稿作成→サイト作成でおおよそ1か月はかかるからです。
また、ウェブサイトは作ってすぐに集客効果を発揮するわけではありません。
検索エンジンに認識され、実際に検索結果として上位表示されるようになるには、プロが作ってもおおよそ3か月~半年ほどはかかります。
※競合が弱ければ、例外的にすぐ上位をとれることもあります
つまり、店舗のオープン1~2か月前に作ってもウェブサイトが実際に集客効果を発揮するのは、店舗オープン1~2か月後以降なのです。
繰り返しますが、ウェブサイトが効果を発揮するのは「サイトを作成してから3か月後以降」。
これを忘れないようにしてください。
ウェブサイトを自作するならどこがおすすめ?
ウェブサイトに関しては、もちろん予算があればプロに頼んだほうがおすすめです。
ただ、最近は自作もできる無料ツールも増えてきました。
個人店レベルであれば、無料ツールの「ペライチ」や「Jimdoo」あたりでも十分かと思われます。
実際、わたしが作成しているワインバーのサイトはペライチの完全無料版ですが、それでも十分集客効果を発揮しています。
盛り込む情報としては
・店舗名
・定休日
・営業時間
・オープン日時
・コンセプト
・店内や店外の雰囲気が分かる画像
・料理やドリンクの写真と価格が分かるメニュー
あたりです。
情報が増えるぶんには問題ありませんので、これをベースに組み立てていくとよいでしょう。
店舗オープン1か月前~2週間前の集客
店舗オープンが1か月を切ったら、いよいよ準備していきたいのがGoogleビジネスプロフィールです。
GoogleビジネスプロフィールはGoogleが提供している無料のウェブ集客ツール。
Googleビジネスプロフィールに登録すると、自分のお店の住所や位置情報がGoogleの検索結果やGoogle mapに表示されるようになります。※開業前でも、開業日が記載されるので安心!
Googleビジネスプロフィールの掲載には1~2週間ほど審査がかかる場合がありますので、オープン前の早めの登録が大切です。
Googleビジネスプロフィールは今やInstagramと並んで、店舗のウェブ集客において2台巨頭と言っていいぐらい集客力を持つツールです。
Googleビジネスプロフィールが集客効果を持つには対策が必要
特に、地域で上位3位以内に入れれば、集客効果が一気に変わります。
…というより、正確に言えば上位3位以内に表示されなければ、集客効果を感じにくいと言ったほうが正しいでしょう。
下記のように「豊橋 ワインバー」と調べたとき、基本的にビジネスプロフィールは上位3店舗までしか表示されません。
つまり、Googleビジネスプロフィールはただ作るだけでは意味がなく、その地域で上位3店舗以内に表示されるようにしなければいけないのです。
もし、ご興味があればこの辺りの検索対策などの初期設定についてご対応させていただきますので、お気軽にご相談ください。
「Googleビジネスプロフィールは店舗集客に絶対必要」
「登録するだけでは意味がなく、きちんと対策が必要」
という2点を覚えていただければ幸いです。
店舗オープン1~2週間前の集客
SNSも運用し、ウェブサイトも作成。
これで基本的な準備は完了です。
店舗オープン1~2週間前にやりたいのはプレスリリースです。
プレスリリースとはメディア向けに発信する新店舗のオープン情報などをまとめた書類のこと。
たとえば、わたしが発信した情報としては下記の通りです。
・店舗名
・定休日
・営業時間
・オープン日時
・コンセプト
…などなど、メディアの方に取材に来てもらうための基本的な情報を記載し、プレスリリースとして発信します。
「個人店でプレスリリースなんて大げさな…」と侮ることなかれ。
今や、中小企業や個人事業主でもプレスリリースは使いこなしています。
実際、プレスリリースを配信すると、「ただのオープン情報」とは異なり、一般の注目度も変わってきます。
「プレスリリースに掲載された」ことをXで投稿するだけで、ウェブサイトのクリック数も2~3時間後にはこんな感じ。
40人近い人が一度プレスリリースを発信しただけで、お店のウェブサイトを訪ねてくれたら、オープン前の集客としては御の字です。
これは豊橋という地方での、しかもXの1アカウントのリアクションなので、全体で言えばもっとリアクションは見込めるでしょう。
プレスリリースの作り方や、どこにプレスリリースを送るかといった内容に関しては、ご相談を承りますので、ご相談をお待ちしております。
店舗オープン後の集客について
さて、店舗オープン前の準備はこれだけやればOK。
キチンと話題性のある店舗が作れていれば、これらのウェブ集客だけでも行列の呼べる店舗に仕上がっているかもしれません。
ここからはダメ押しです。
下記の本でも書いたことがありますが、ウェブでのお店の認知度を上げるための簡単なやり方があります。
それは、食べログやぐるなびなど、いろいろな口コミサイトにお店の情報を掲載することです。
これを専門用語で言うと「サイテーションを増やす」といいます。
ときどき「食べログに登録したけど効果がなかった…」「ぐるなびに登録したけど効果がなかった…」といった声を効くことがあります。
これは食べログやぐるなびが悪いわけではなく、集客のやり方を間違っているのです。
サイテーションを増やすときはたった1つのサイトに登録していては意味がありません。
サイテーションはたくさんのサイトに登録して、それぞれから少しずつ集客するからこそ意味があるのです。
飲食店なら最低でも10個以上は登録しておきましょう。
食べログ、ぐるなび、トリップアドバイザーなど代表的なサイトぐらいは登録しておくことをおすすめします。
まとめ
1. SNSのフォロワーを増やす(できるだけ早い段階)
2.ウェブサイトを作成する(1~2か月前)
3.Googleビジネスプロフィールを作成する(2週間前~1か月前)
4.プレスリリースを発行する(1~2週間前)
5.サイテーションを増やす(オープン直後)
という流れでご紹介してきましたが、いかがでしょうか?
「店舗のウェブ集客がうまくできない…」という方はどれかサボっていたり、そもそもそんなやり方を知らなかったというものもあったのではないでしょうか?
ウェブ集客は「ウェブサイトの専門家に頼んだから安心」とか「食べログの有料プランに入ったから安心」といったものではありません。
むしろ、それら1つ1つをきちんと順序だてて効率よくやっていかないと、思うように効果が得られないことがほとんどです。
難しく感じるかもしれませんが、少なくとも本記事でご紹介した順序で、きちんとこなしていたければ問題はありません。
ぜひお店をオープンするときは頑張ってくださいね!