良い睡眠を取るためのコツ・注意点

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良い睡眠をとることはアスリートも重視しています。
筋肉・体の修復のためだけでなく、認知機能・集中力・記憶力のためにも睡眠は重要です。
ご自身の昼間のパフォーマンスを上げるためにも是非良い睡眠を取るように心掛けてみてください。

良い睡眠をとるためのコツ・注意点について。早速お伝えいたします。
 ✅ 夜の飲酒・喫煙はやめる
 ✅ コーヒーなどのカフェイン摂取は昼の14時まで
 ✅ 室温は適温(21度前後)にキープ
 ✅ 少し重ための掛布団を試してみる
 ✅ 朝起きたら太陽の光を浴びる
 ✅ 昼間に適度な運動
 ✅ 寝る時間・起きる時間を統一する
 ✅ 寝る1時間前までに入浴する
 ✅ 夜のリビングは暖色系の蛍光灯に
 ✅ 寝室に余計な音・光や睡眠以外の物を持ち込まない
 ✅ 眠気を感じてから布団に入る
 ✅ いびき・睡眠時無呼吸がある場合にはしっかり対応を!
の12点になります。以下で各項目について具体的に説明いたします。
最後にまとめとして軽く説明もしておりますが、これら全てを一度に実践することは正直不可能だと思っています。
ご自身の生活環境・リズムに合わせてできるところから一つずつ実践してみてください。

これらのコツを実践するにあたって、各人の仕事・家庭環境によっては難しいものもあると思います。
良い睡眠をとるための疑問・お悩みについて相談するサービスを提供しています。


また、眠れない、不眠などの睡眠で困っていることについて相談するサービスも提供しています。
もしお困りのことがあれば是非ご活用ください。
ではそれぞれについて解説していきます。


✅ 夜の飲酒・喫煙はやめる

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よく言われることではありますが、飲酒も喫煙も健康によくありません。
特に睡眠へは間違いなく悪影響があります。
夜にアルコールを飲むと確かに寝つきはよくなりますが、寝ている最中に体内でアルコールが代謝されて毒素が作られてしまいます。寝ているつもりで、体は毒に侵されていて負担がかかっているので睡眠の質は落ちてしまいます。
また、タバコに含まれるニコチンも脳に作用します。
ニコチンは覚醒系の神経を活性化させるので、夜に喫煙すると寝るべきなのに目が冴えてしまいます。
少なくとも夜の飲酒・喫煙はやめましょう。


✅ コーヒーなどのカフェイン摂取は昼の14時まで

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カフェインは脳に作用します。
眠気を感じる神経を邪魔して眠気を感じなくさせるのです。
夜寝る時間に体にカフェインが残っていると睡眠を邪魔してしまいます。
カフェインの代謝速度は人によりますが、おおよそ4~6時間程度で半分くらいに減ると言われています。
その倍くらいの時間を取れればカフェインの効果はほぼなくなります。
コーヒーを飲むのは昼14時くらいまでにするのが無難でしょう。


✅ 室温は適温(21度前後)にキープ

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良い眠りにはリラックスした状態を維持することが重要です。
寝室や寝具の環境をちょうど良くするようにしましょう。
室温21℃前後、寝具内温度33℃前後が適温とされています。
室温が低すぎると、体から熱を逃がさないように手足の血管を引き締めるのに交感神経が働いてしまいます。リラックスとはいかないでしょう。
逆に室温が高いと、不快感のためにリラックスできません。
電気代がもったいないからと夏・冬の夜間にエアコンを消してしまうと睡眠の質を悪くしてしまうので注意しましょう。


✅ 少し重ための掛布団を試してみる

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2020年の論文で少し重ための掛布団を使うことで睡眠の質が改善されることが報告されました。
全身に圧がかかって、ハグされているような感覚が得られることでリラックス効果をもたらすとのことです。
この論文ではなんと金属のチェーンを編み込んだ6-8kgほどのブランケットを使用したようです。
個人的に重たい布団は好きではないので試していませんが、北欧の一部では実際に利用されているようですので、試してみる価値はあると思います。


✅ 朝起きたら太陽の光を浴びる

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睡眠の質に影響するのは夜の状況だけではありません。
1日を通した睡眠・覚醒のリズムをしっかり調えることは重要です。
朝一に太陽の光を浴びると、脳が朝であることを認識して体内時計を調整してくれます。
そして覚醒してからある程度時間が経って夜になると、脳は自然と眠気を感じるようにできているのです。
これは海外旅行の時の時差ぼけ改善法としても有効ですね。
自然界で最も強力な概日リズム調節因子である太陽光を有効活用しないのはもったいない。
しかもタダで利用できます。


✅ 昼間に適度な運動

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昼間にスポーツをした日はぐっすり眠れたという人は沢山いると思います。
1日30分以上の歩行程度の運動を週5日以上で習慣的に行うと睡眠の質が改善されることが言われています。
習慣的な運動は睡眠だけでなく、肥満・高血圧などの生活習慣病にも効果的ですし、うつ病などの精神疾患に対しても有効であることが示されています。
是非取り入れたい習慣ですね。


✅ 寝る時間・起きる時間を統一する

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平日だから、休日だからと就寝時間・起床時間が変わると、脳はリズムを見失います。
『平日は学校・仕事で睡眠時間が少ないから、週末に寝貯めしているんです』と言う人もいますが、寝貯めはできません。
単に、平日にため込んだ睡眠不足・睡眠負債を週末に解消しているだけです。
不足分の睡眠時間を取り返さないよりかははるかにマシですが、そもそも睡眠負債を積み上げないようにすることが重要です。
一度1週間の睡眠時間を合計してみて、平均を出してみてください。1日当たりの必要な睡眠時間がおおよそわかります。
現代人は学校・仕事などの社会的な影響で朝起きる時間が決められてしまっているので、逆算して夜布団に入る時間を決めましょう。
毎日の寝る時間を決めて習慣化すると、その時刻になれば自然と眠気が来て気持ちよく眠れるようになります。


✅ 寝る1時間前までに入浴する

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気持ちよく眠るためには、軽く体温を上げてから、末梢血管を開いて放熱で体温を下げて、リラックス効果を得ながら布団に入ることが効果的です。
お風呂に入るとリラックスしながら体温が軽く上がって手足の血管が開きます。
その後、手足からの放熱で程よく体温を下げて、副交感神経によってリラックス効果が得られます。
そのため寝る直前ではなく、1時間程度前に入浴するとちょうどよいでしょう。
出来れば40℃程度の浴槽につかるとなお良いです。体の深いところまで温まるので、入浴後の体温放出でよりリラックスできます。
また、就寝中の靴下は足先からのこの放熱を邪魔してしまうのでお勧めできません。


✅ 夜のリビングは暖色系の蛍光灯に

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太陽光が自然界一番の体内時計調整因子であると言ったように、目から入る光は脳を目覚めさせます。
特に太陽光や青白っぽい蛍光灯に含まれるブルーライトには覚醒作用があります。
仕事をする時や集中したい時には、青白い蛍光灯を使用するのが良いでしょう。
しかし夜に気持ちよく眠るためには、夕方からはなるべくブルーライトを避けて、オシャレな喫茶店のような少し赤っぽい暖色系のライトを使用するのがおススメです。


✅ 寝室に余計な音・光や睡眠以外の物を持ち込まない

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『寝室は寝る場所だ』と脳に覚えこませることは良眠に有効です。
寝室に睡眠以外のものを持ち込むと、脳が勘違いしてしまってうまく眠れないかもしれません。
また、寝ている間でも、音や光などの外部からの刺激を脳はある程度感じ取っています。
それが普段の生活におけるストレスと関係するような音・光であればなおさら悪いです。
電車や自動車の音、スマホの着信音、時計の針の音など、なるべく寝室には持ち込まないことをおススメします。


✅ 眠気を感じてから布団に入る

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布団に入って5~15分程度経っても眠気が来ない場合には布団・寝室から出てください。
そして暖色系のライトのついた別の部屋へ行って、本を読んだり、軽いヨガや瞑想などをして、眠気が来てから再度布団へ入りましょう。
そうすることで『寝室・布団は寝る場所だ』と脳が覚えてくれます。
眠れないまま布団の中でじっとしていると、色んな考え事が浮かんできてしまうと思います。そうなると目が冴えてきて全く眠れなくなってしまいます。
繰り返すうちに『寝室・布団は考え事をする場所だ』と脳が勘違いしてしまって、より一層眠りにくくなってしまいます。


✅ いびき・睡眠時無呼吸がある場合にはしっかり対応を!

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睡眠時無呼吸症候群は睡眠の質を著しく悪化させますし、高血圧・糖尿病のような生活習慣病を悪化させるだけでなく、心筋梗塞といった怖い病気のリスクまで高めてしまいます。
寝ているときに舌で気道が塞がって毎晩窒息しかけているような状態なので、それも納得です。
寝ている時の様子を一度自分で見てみれば、怖くて放置はできないと思います。
もし隣で寝ている人がいるのであれば、一度動画を撮影してもらうといいかもしれません。
治療しないといけないという危機感を自覚します。
一人暮らしの場合には、睡眠中の窒息感・息苦しさで目が覚めるなどあると疑わしいです。一度病院での検査をお勧めします。
睡眠時無呼吸というと太っている人の病気というイメージですよね。BMIが高い人にこの病気が多いというのは確かです。
しかしながら実は、痩せている人でも、顎が小さかったり、顎が引っ込んでいたり、扁桃腺が腫れていたりなどすると、睡眠時無呼吸を患っていることがあります。
痩せている人でも、隣で寝ている人からの指摘や、睡眠中の窒息感で目が覚めるなどある場合には病院を受診してみてください。



以上、良い睡眠をとるための様々な方法・注意点を紹介してきました。
一度に全部を実践することは現実的に不可能です。
これらのコツを実践するにあたって各人の仕事・家庭環境によっては難しい部分・疑問なども出てくると思います。
それらの疑問にお答えする相談サービスを提供しています。
できるところから一つずつでも取り入れてみて、自分に合うものを続けていってください。


しかしながら、睡眠障害の原因に何らかの病気が隠れている可能性もあります。
例えば、睡眠時無呼吸症候群、うつ病などの精神疾患、むずむず脚症候群、レム睡眠行動異常症など。
睡眠習慣・生活習慣の調整だけでは熟眠感・睡眠休養感が改善しないかもしれません。
その場合には病院を受診して相談することをお勧めします。
とはいえ、病院にかかるほどはではない、時間が取れない、などもあるかと思います。
そういった場合に睡眠の悩みを気軽に相談できるサービスも提供しています。

その他、医療・健康・介護相談サービスや、健診結果相談サービスなども提供しています。
お困りの際には是非ご相談ください。



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