愉しく生きる

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コラム
2008年10月21日、私はこんなタイトルのブログ記事を書いていました。
あなたは、毎日を愉しんで生きていますか?

今回も私の恩師、宗像恒次の著書「人生をリセットしたいあなたに―「心」と「脳」に効くバーチャルサプリ(2005、三松)」を基にお届けします。


自分が愉しいと思える仕事を日々積み重ねていくことの意味とその結果を、実際に生きて味わうことが求められていると思う。実は、そうすることで人間は健康に生きられるだけでなく、結果的に、その人ならではの個性的な仕事ができるようになる。
もっと自分の脳を信じていい。惜しいことに、こうした労働スタイルは、たいていの人にとって未知の生き方になってしまっている。
どうですか?
あなたは、日々愉しんで仕事ができていますか?

愉しいと思える仕事を積み重ねる。
そんなもの、現実むずかしいよ。
あなたは、おっしゃるかもしれませんね。

仕事は与えられるもの。
自分で好き勝手には選べないんだよ!
こんな言葉も、あちこちから聞こえてきそうです。

ホントにそうでしょうか?

私はいま忙しくても、毎日がとても愉しいですよ。
社長でもなんでもない雇われの身。
いわゆる中間管理職というやつを長年やっています。

これまで何度も部署を移り、
なんでこんなにと思ったこともありました。

でもね、その度に、私がやりたいことはなんなんだ?
それを真剣に考え、その軸だけは、どこに行っても曲げませんでした。
異動候補先で、その思いがつなげないと感じたときは、
申し訳ないがお受けできません、と断ったこともあります。

それがために昇進が遅れたこともあります。
でも私は、悔いたことはありません。

それどころか、愉しくてしかたないのです。

自分が愉しいと思える仕事を日々積み重ねていくことの意味とその結果を、実際に生きて味わう
この宗像の言葉が、私には痛いほどに突き刺さってきます。

愉しいのは、自分にウソをついていないからだと思います。
心の命ずるままに、私自身の生を、いま精一杯生きています。
五十路を目前にしたいま、味わい尽くしています。
だから愉しい。
自分で決め、それに日々邁進できているから。
そして、この結果、まわりの人々の共感を生んでいるように感じます。

自分は何をどうしたら愉しく生きられる人間なのか、自分は何に喜びを感じる人間なのかという自己理解や自己イメージが重要になりますね。

そろそろあなたも、心ときめく「未知の生き方」をしてみましょう。
あなたにも、その権利はあるのだから!


50歳手前のこの時期、私は本社統轄課長という職にあり、研究開発課の責任者として経済産業省の「情報大航海プロジェクト」に参加し、自身で開発したウェアラブルデバイス(ライフコーダ)を使って、健康管理や健康づくりのサポートについて研究していました。特許・法務課という部署の責任者も兼任し、自部署で研究し創り出したものの特許や商標を取ったり、社外との関わりに関する契約の仕事もしていました。

部下が少なく、自分でやらないとならないことも多くて、なかなかハードな職責でしたが、確かに愉しんでいましたね。今日は、そのことを少し付け加えさせてください。

この研究開発課という部署は、当時の事業部において私一代だけの責任部署で、2005年4月1日付で私が創り、私の異動とともになくなった5年3ヵ月の部署でした。

2023年8月のいま、私のいた事業部は子会社に吸収され無くなっています。私が手掛けた健康関連事業が引き継がれることはありませんでした。日常の身体活動度を計れる機器として、運動疫学の研究領域で広くお使いいただいた製品も、2022年3月末で販売終了となり、2028年3月末をもってアフターサービスも終えるようです。
実は、この機器の製品化に際して、下町ロケットのようなすごいドラマがあるんです。まだ、誰にも話していませんが、いつか、このことを文章にしたいと、私はずっと思っています。「おもちゃなんか作って…」と言われたことが悔しくて、これを業界の標準器にしてやると、私はいろんなことをやりました。日本各地の運動生理、運動疫学の研究者を回ったり、アメリカのクーパー研究所に出向いてプレゼンしたこともありました。ジョンソン・アンド・ジョンソンの子会社ライフスキャンと、糖尿病の疾病管理の面で、協業の機会を探ったこともありました。その打合せがADA、アメリカ糖尿病学会の会場だったため、オーランドの地を楽しむこともできました。
私にとって、社内の逆風も激しく、苦しい時代ではありましたけれども、このような繋がりを、とても愉しんで生きていました。

2023年9月16日、日本運動疫学会の第8回運動と健康:分野横断型勉強会が予定されています。「加速度計を使ってみよう!」と題した勉強会だそうです。
身体活動は自己申告で測ることが多いですが、正確さが問題となります。近年、加速度計を用いて身体活動を客観的に正確に測ることが可能となり、その普及が進んでいます。しかし、加速度計の実際の使い方について学ぶ機会はあまりありません。そこで、第8回勉強会では、加速度計を用いた身体活動研究でご高名な3名の先生方をお招きし、加速度計の基礎から分析の実際まで網羅的に学びます。
歴史は繰り返す。
私が創った製品がなくなろうとも、研究は続いていきますね。当時お世話になった先生方、お亡くなりになった方も少なくないですが、本当にありがとうございました。



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