教養としての現代思想➀:深層心理学

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フロイト:精神分析学の創始者。無意識の存在を発見し、無意識の層に潜んでいる根源的な欲望を性の衝動であるとしました。

ユング:人間の行動や意識には無意識の領域が深く関与すると考え、無意識を個人的無意識と集合的無意識とに分類し、人類共通の集合的無意識と自我との関連を神話や伝説の分析を通して指摘し、集合的無意識を構成している元型に注目しました。

集合的無意識:個人の体験を超えて、人類が太古から繰り返してきた体験が積み重なってできてきた普遍的無意識。

ソンディ:フロイトの個人的無意識とユングの集合的無意識の間に家族的無意識の存在を認め、家系の遺伝に基づく無意識的衝動を分析しました。仏教の因縁思想を思わせるソンディ心理学は衝動心理学と呼ばれ、その手法は運命分析と呼ばれます。それによると、個人の運命は次の5つの重要な選択から明らかになるとされ、ここに先祖の影響(運命の反復)が見られるというのです。これはソンディ自身の体験がきっかけになっていますが、ドストエフスキーやバルザックなどの伝記研究から、検証されています。
(1)愛:なぜ多数いる人々の中から相手を選んだのか(恋愛・結婚)。
(2)友情:なぜその人と友人になったのか。
(3)職業:なぜその職業を選んだのか。
(4)疾病:なぜその病気になったのか。
(5)死:死を選べるなら、どのような死を選ぶのか。

アドラー:精神疾患を抱えた人を研究対象にしたユング、フロイトに対し、健常者を観察対象にして、個人心理学を創始しました。その基本理論は「自己決定性」「目的論」「全体論」「認知論」「対人関係論」の5つです。
(1)自己決定性:どんな状況であれ、どのような人生を歩むかは自分自身が決められる。
(2)目的論:人間の行動には原因があるのではなく、未来の目的があるとし、原因ではなく、目的に重きを置く。
(3)全体性:意識と無意識、理性と感情、心と体というように、人間には二面性があるかのように語られることが多いが、そもそも人間はその全体で一つの個であり、部分部分に分けることはできない。
(4)認知論:人間はそれぞれ自分独自のものの見方・考え方(心のメガネ)を通して現実に触れ、意味づけ、行動している。
(5)対人関係論:人間はいつも「特定の誰か」(他者であることもあれば、自分であることもある)を想定して行動している。
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