『ケアする人も楽になる認知行動療法入門 BOOK1&2』伊藤絵美著

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学び
私事により更新に少し時間が空いてしまいました。
本日は以前にも少し触れた認知行動療法をさらに深めていきたいと思いこちらの本を選んでみました。

前回のブログ↓

この本は2冊に分かれているのですが、通して基本的には実際の事例からさまざまな技法を学べるようになっています。
事例は本書に譲るとして、技法や考え方の解説から一部抜粋・要約していきたいと思います。

BOOK1

心理学的ストレスモデル
心理学ではストレスを「ストレス状況(ストレッサー)」と「ストレス反応」に分けて、ストレス体験をプロセスとしてとらえます。

認知行動療法の基本モデル
「環境」と「個人」の相互作用を循環的にみること。
そして「個人」の体験を〈認知〉〈気分・感情〉〈身体反応〉〈行動〉の4つに分けてそれらの相互作用を循環的にみること。
つまり相互作用を二重に、しかも循環的にとらえることができるのがこの基本モデルの特徴です。

階層的認知モデル
認知行動療法の基本モデルにおける「認知」を、深いレベルのものと浅いレベルのものに分けて階層的に提示したのが、この「階層的認知モデル」です。
浅いレベルの認知を「自動思考」、深いレベルの認知を「スキーマ(信念・思い込み)」と呼びます。

自己観察
認知行動療法の基本モデルに沿って自分の体験を観察することを「自己観察」といいます。
認知行動療法で最も重要なのはアセスメントの作業ですが、アセスメントをするためにはこの自己観察の作業が不可欠です。

外在化
認知行動療法では観察したこと、話し合ったこと、計画を立てたことなどはすべて、紙などのツールに書き出します。それを「外在化」といいます。
ツールに外在化することで、私たちは距離をおいてそれを眺めることができます。つまり、それを客観視できるようになるのです。

アセスメント
認知行動療法のモデル(基本モデルや階層的認知モデル)を使って自分の体験を理解したり整理したりするプロセスのことをアセスメントといいます。

コーピング
「コーピング」とは、「ストレスに対する意図的な対処」のことです。
もう少し具体的に言うと、自分を取り巻くストレス状況を改善したり、ストレス状況によって生じたストレス反応を緩和するために、何らかの対処を意図的にすることをコーピングと呼びます。
コーピングには認知系のものと行動系のものの2種類があります。

マインドフルネス
「マインドフルネス」というのは「意図的に、価値判断をすることなく、今この瞬間に注意を向けること」です。

認知再構成法
認知再構成法とは、非機能的な思考を同定し、より機能的な思考を自ら考え出すための技法です。
私たちは認知再構成法を通じて、自分を苦しめる考えを取り出してそれを様々な角度から検討し、新たな考えを作ってみて自分に取り入れていく練習をすることができます。

コーピングレパートリー
その人のコーピングの手持ちを「コーピングレパートリー」といいますが、レパートリーが多種多様であればあるほど望ましい、ということになります。

問題解決法
ストレス体験において、実際に自分がどう動いたらよいか、つまり「行動」をよりよい方向に向けて工夫するための技法を「問題解決法」といいます。
一連の手順に沿って行動の計画を立て、実際にそれを「行動実験」として行い、結果を検証することが問題解決法では重要です。

BOOK2

モードワーク(スキーマ療法)
モードワークとは、スキーマ療法のひとつです。これは自分のなかに「スキーマに乗っ取られたモード(スキーマモード)」と「スキーマにとらわれない、より柔軟で健康的なモード(ヘルシーモード)」を想定して、その2つの間で問答を行いながら、自分を苦しめるこれまでのスキーマとは異なる新たなスキーマを形成していくための技法です。

リラクセーション法
ほとんどのストレス反応は、生理学的には「交感神経の暴走」とみなすことができます。それが心身に過剰な緊張をもたらします。
私たちは交感神経そのものを直接的にコントロールすることはできませんが、姿勢や呼吸を適切にコントロールすることで、心身の過剰な緊張を間接的に緩和することはできます。そのための方法をリラクセーション法といいます。
リラクセーション法は毎日こまめに練習し、少しずつ身につけていくことが重要です。

心理教育
クライアントの助けになるような知識や情報(主に心理学や精神医学に関するもの)を提供することを「心理教育」と呼び、認知行動療法ではこの心理教育を大変重視しています。

読書療法
クライアントの助けになるような書籍(主に心理学や精神医学に関する本や雑誌)を紹介し、宿題として読んできてもらったり、書籍について一緒に検討したりすることを「読書療法」といいます。

再帰属法(円グラフ法)
何か問題が起きたとき、その原因を突き止めようとすることを心理学的には「原因帰属」と呼びます。
原因帰属のあり方は人それぞれですが、問題の原因を自分ばかりに帰属させたり他人ばかりに帰属させたりすることは心身の健康にとっては好ましくありません。原因をさまざまな要素に分散して帰属させられる人が健康的であることが、心理学的にも明らかにされています。
したがって何か問題が起きたとき、ついつい1つもしくはごく少数の要素に原因帰属してしまっていることに気づいたら、あえてさまざまな要素に分散して帰属させてみることが役に立ちます。これを「再帰属法」といいます。

構造化
認知行動療法では時間の流れを成り行きに任せずに、1回のセッションで使える時間をあらかじめ確認し、セッションで何について話し合うか話題を決め(アジェンダ設定)、決めた話題(アジェンダ)に沿って話し合いを行い、決められた時間が来たら延長せずセッションを終える、というように、計画的に時間を使っていくことを「構造化」と呼び、大変重視しています。

【感想】

こうして抜粋するだけだと少なく感じるかもしれませんが、今回はかなりのボリュームの勉強ができました。
本当はさまざまな事例を通して学べるようになっているので、認知行動療法を深く学びたい人の入門書としてはかなりおすすめのものとなっています。

これからは自分自身で認知行動療法を実践してストレスケアをしていこうと思っております。また、さらに深めていくために次の本も何冊か見当をつけてあります。
もっともっと認知行動療法を身につけていきたい欲求が大きくなっています。

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心理セラピストtakashi

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