『図解眠れなくなるほど面白い自律神経の話』小林弘幸著

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前回に引き続き著者時は順天堂大学教授の小林弘幸先生です。やっぱり自律神経と言ったらこの人でしょう。
前回と重複する部分以外で、ざっと要約していきます。
ぜひ前回ブログも併せてお読みください。
前回ブログ↓

第1章 自律神経ってどんなもの?

病院に行っても解決しない不調の正体、その原因は自律神経の乱れにあり。
仕事や人間関係で強いストレスを受けると、たとえ肉体を酷使していなくても体がずっしりおもくなるような酷い疲れを感じることがあります。問題となるのはこうした不快な症状を伴う疲れです。

自律神経の乱れによる不調の種類
自律神経が乱れると、血管が収縮して血液が滞り血液がドロドロになり、脳や内臓にダメージを受け、以下のような不調が生じてきます。
精神的な不調
…不安、やる気が出ない、不眠、イライラする、集中力低下、情緒不安定
身体的な不調
…頭痛、動悸、息切れ、めまい、肩こり、便秘、疲れやすい、冷え、倦怠感、息苦しさ、手足のしびれ

「自律神経の乱れ」と「うつ」の大きな違い
めまいや倦怠感、肩こり、腰痛、頭痛、動悸などで受診すると「自律神経失調症」という診断名がつけられることがあります。これは正式な病名ではなく、自律神経の乱れが原因と考えられる上記の「症状」を指し、これらの症状はあるが、特に身体に異常がみられない場合に用いられます。
うつ病は、脳内の伝達物質の分泌異常によって症状が現れる「病気」で、精神エネルギーが著しく低下している状態です。

自律神経が乱れ始める年齢がある
交感神経は年齢を重ねても、さほど低下はしませんが、副交感神経は急激に低下する年齢が男女それぞれにあるということがわかっています。それが、男性なら30代、女性なら40代ころから。

自律神経を整える最強の方法
 ①正しい生活習慣…規則正しい生活やバランスのとれた食生活を心がけていれば、自律神経は整ってきます。まずは早起きして朝食を食べることから始めましょう。
 ②適度な運動…ウォーキングやストレッチなど、深呼吸をしながらでもできるような軽い運動が効果的。
 ③メンタルケア…強いストレスは交感神経を急激に高めてしまい、全体のバランスも乱してしまいます。しかし、ストレスのない生活は残念ながら難しいので、上手に付き合う方法をマスターしましょう。

自律神経をセルフチェックしてみよう
自分でできる自律神経セルフチェックシート(16項目)
 ・すぐ疲れる
 ・やる気が出ない
 ・風邪をひく回数が多い
 ・むくみが気になる
 ・頭痛がある
 ・いつも不安
 ・気が散漫になりやすい
 ・理由もなくイライラしやすい
 ・手足が冷たい
 ・肩が凝っている
 ・緊張しやすく、ストレスを受けやすい
 ・腰痛がある
 ・いくら寝ても疲れがとれない
 ・思考力、決断力が低下した気がする
 ・お腹の調子が悪く、便秘か下痢の症状がある
 ・肌は乾燥気味、髪はパサパサしている

一つでも当てはまればすでに自律神経が乱れている可能性があります。また、チェックした数が多ければ多いほど自律神経の乱れが大きい可能性が高いです。

第2章 自律神経を整える生活習慣

「病気」のネット検索が新たな「病気」をつくる
インターネットやテレビなどに氾濫する様々な情報にまどわされて心を病んでしまうことは「サイバー心気症」と呼ばれています。ひどい場合は自分が病気だと思い込み、体に痛みとして症状が出てくることまであります。

疲れが溜まった時こそ動いたほうがいい
ハードスケジュールが続くと週末はつい朝寝坊になりがちですが、あえて早起きするのがオススメです。交感神経は日中、副交感神経は深夜にピークを迎えます。休みだからといって朝寝坊やダラダラ昼寝をしていると自律神経が乱れ、かえって疲労が抜けにくくなるのです。

column:スマホで自律神経の状態がわかるアプリ「CARTE by Cyberagent-自律神経をスマホで測れる!」
小林弘幸先生が全面監修協力をしたスマホアプリ「CARTE」。
スマホのバックカメラに60秒指を置くだけで「インナーパワー」として1~100の数値で自律神経の状態を教えてくれます。計測したスコアは保存できるので健康管理にも役立ちます。

第3章 自律神経を整える食生活

心と腸はつながっている
安定した自律神経は、体内にきれいな血液があってこそ実現します。この血液をつくるのは「腸」。腸の健康が自律神経に直結しているのです。

腸内環境が悪くなると腐敗物質や毒素がいっぱいの血液が全身を巡り、脳の酸素不足を招きマイナス思考になるなどメンタルの不調につながります。また、便秘になった場合、腸で幸福物質の「セロトニン」がつくられなくなり脳からのセロトニン分泌がストップして、気力の低下や、やる気の低下、うつ病にまっで発展してしまうリスクもあります。

自分の腸の状態をセルフチェック!
「日々の排便がスムーズかどうか」は腸の状態のバロメーターと言えるのです。日頃から腸に気を配り、便秘気味なら食生活を改善するなど早めに対処しておきましょう。

大腸は体内に4ヶ所固定されており、この4ヶ所に便が溜まりやすいといわれています。この4ヶ所を重点的にマッサージすると、腸のぜん動運動を促進し快便を促します。

腸がきれいになるとがんも遠ざかる
免疫細胞のなんと70%が腸内にあると言われています。つまり、腸内環境が悪化すれば免疫力もダウンし、改善すれば免疫力もアップするということ。正しい食生活で常に腸内環境をきれいに保てば、心身ともに健康になれるのです。

炭水化物のとりすぎは体を疲れさせる
炭水化物メインの食事をお腹いっぱい食べると一気に交感神経が優位となり、食後はその反動で副交感神経の働きが急上昇します。3回の食事のうちしっかり炭水化物をとるのは1回にすること。

自律神経を整えるには動物性たんぱく質が必須
自律神経の原料となる栄養素はたんぱく質です。必須アミノ酸の種類と量を比較すると、自律神経の原料としては植物性たんぱく質より動物性たんぱく質のほうが断然優れています。

動物性たんぱく質には、脂肪がつきものです。単品でそのまま食べてしまうと脂肪が血液中で参加して血液がドロドロになり、腸内環境が悪化してしまいます。こうならないためには、抗酸化成分が豊富な野菜を一緒にとる。ということを念頭におくことです。
 ・キムチ、サンチュ、大根、レモン

貧血の症状は自律神経症状に似ている
貧血の症状と自律神経症状はよく似ていて、普通の人には見分けがつきにくいのです。貧血の場合は鉄分を補うサプリメントや食事をとることで改善しますが、自律神経症状を治すために必要なのは心身を休めることです。

健康でいられる最強の”長生きみそ汁”
「みその発酵が老化制御機能を生む」「血圧上昇を防ぐ」「胃がんを制御する」などの効果も実証されています。
1日1杯飲むことで健康が維持でき、病気を予防し長生きにつながる、みそ汁は最強の健康食と言えるのです。

眠くならないランチのとり方
「食べる」という行為で体が活発に動き、交感神経の働きが高まります。しかし食後は胃腸が活発に働くことで副交感神経も急激に優位になります。よって、不意に疲れを覚え眠くなってしまうのです。
ポイントは2つ。食べる前にコップ1~2杯の水を飲むこと。もうひとつは、ゆっくりよく噛んで「腹6~8分目」の量を食べること。

チョコとナッツで疲労回復&血流アップ
チョコレートは太ると思われがちですが、様々な効能のある栄養素が含まれている「完全栄養食」です。
アーモンドやくるみなどのナッツもビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富なうえ、悪玉コレステロールを減らして肥満を予防するオメガ3脂肪酸もたっぷり含まれています。

ホットコーヒーで腸から幸せ物質が?
コーヒーの効能はカフェインだけではありません。末梢血管を拡張させる作用や抗酸化作用といった血流アップ効果のほか、大腸のぜん動運動を誘発するので便秘解消、腸内環境の改善にも効果を発揮するのです。
また特筆すべきは、主に腸壁で作られるセロトニン、またはドーパミンといった幸せ物質の分泌量を増やす効果があるということです。

第4章 自律神経を整えるメンタル力

人の意見に左右されない人間力を磨く
精神的なストレスの中でも避けて通れないのが、対人関係によるストレス。他人が自分の思い通りにならないことにもどかしさを感じたり、他人と自分を比べて劣等感を抱いたり……これらは私たちの心を蝕むストレスとなり、自律神経のバランスを大きく崩す原因になります。

「気にしない」ことよりも、「放っておく」ことへ考え方をシフトすること。自分に向けられる評価や他人の目から距離を置き、関知しないようにするのです。

自律神経の乱れは伝染する
自律神経が整うと自分自身にメリットがあるだけでなく、周りにもよい影響が広がります。自律神経の安定した人がいると、その落ち着いた立ち居振る舞いや声かけにより他の人にも安心感が伝わります。

次のことを考えすぎると不安定になる
焦りは自律神経の乱れを引き起こし、体や心のダメージとして積み重なってしまいます。そうした事態を避けるには、やるべき作業の見直しが必要。「いま」最優先すべきことに集中、一つずつ片づけていくのです。そして一つのことを確実に処理するまでは次を考えないようにすることが、パニックにならず落ち着いて物事に対処するためのポイントです。

第5章 自律神経を整える運動

自律神経を整えるには運動がおすすめ
血流が停滞すると細胞に栄養が行き渡らず不調の原因となり、ひいては自律神経のバランスを崩すことに……。
この悪循環を解決してくれるのが運動です。例えば、デスクワークの合間に20回スクワットをする。これだけで滞っていた血流が改善され、おのずと自律神経が整ってきます。

ハードな運動は自律神経に悪影響
ウォーキングなら体に負担がかからず、ゆっくり深い呼吸ができるので自律神経を整えるには最適。副交感神経を高く保ったまま血流を促すことが可能です。自律神経に必要なのは、体が温まり血流がよくなる程度の軽い運動。ハードな運動は筋力や運動能力の向上には効果的ですが、自律神経のためにはなりません。

自律神経が整う小林式スクワット
スクワットは、かがむ運動を繰り返す運動です。この繰り返しの動作が全身の6割もの筋肉が集中している下半身のポンプ機能を働かすことができるので、血液が全身へスムーズに運ばれます。ポイントは深い呼吸をしながら正しいフォームで行うという2点です。

【感想】

前回の「まんがでわかる自律神経の整え方」は自律神経でお悩みの方の超入門。今回の本は入門から深堀まで、という感じでしょうか。本を読みなれている方であれば1時間かからず読めるのではないでしょうか?どちらか1冊であれば、こちらの図解をおすすめします。

この本を読んだのは2回目で、前回読んだのは随分前なのですが、その時からアプリ「CARTE」使っています。ストレスを測定し記録していくだけではなく、アドバイスまでもらえます。無料なので、自律神経失調がある方はぜひご活用してみてください。
こんど読もうと思っている枡野俊明著「放っておく力」を彷彿とすることも出てきたり、アンデシュ・ハンセン著「運動脳」も読みたくなったり、読書浴がムクムクしてきまたー(笑)

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心理セラピストtakashi

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