「図解眠れなくなるほど面白い臨床心理学」湯汲英史監修

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学び
本日読んだ本は臨床心理学です。もちろん以前別の本も読んでいたのですが、最近「図解眠れなくなるほど面白い~」シリーズで出版されたので改めて勉強しようと思いチョイスしました。

心の問題をサラッと確認しましょう。と言いながら長くなります。。。

第1章 臨床心理学と公認心理士

 <省略>

第2章 子どもが抱えやすい心の問題

・知的能力障害(ID)…同年代と比較して知的発達に遅れが見られ、上手に社会的適応ができない特性です。『DSM-5』による「IQのみで診断することはできない」との見解を受け、現在は知的機能に加えて「適応機能」も併せて診断されるようになりました。

関わり方に配慮する
  ①感情的に叱らない
  ②威圧的な指示はしない
  ③認識の間違いを正す
  ④わかるように話す
  ⑤我慢できたら認めてあげる

違いを理解し共感する
  ①本人の困り度を知る
  ②まずは共感する
  ③答えをせかさない
  ④ゆっくりと話す
  ⑤答えやすい話をする

コミュニケーションへの配慮
  ①語彙が少ないのを理解する
  ②一文一意の形にする
  ③悪気のないストレートな表現
  ④質問の表現を変えてみる
  ⑤二重否定は使わない


・自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)…特性は「社会的コミュニケーション障害」と「限局された反復的な行動」の大きくふたつに分けられます。併存症を抱えやすく、実に約88%以上がひとつ以上の疾患を持っていると言われています。

社会的コミュニケーション障害
  非言語の意思疎通が苦手
  表面的な言葉の意味に捕われやすい

限局された反復的な行動
  同じ行動を繰り返す
  特定の物や事柄にこだわる

自閉症スペクトラム症とのかかわり方・支援
  具体的な言葉で伝える
  要求の意思を確認する
  視覚情報を活用する
  パニックを起こしても冷静に
  興味の幅を広げる工夫を
  適切な療育・支援法を考える


・注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害(ADHD)…主な特性は、忘れ物が多かったりする「不注意(注意欠如)」、じっとしていられない「多動性」、考えるよりも先に動く「衝動性」の3つです。成人にも2~2.5%確認されていて、大人の注意欠如・多動症は自身の失敗を強く認識できる分、不安症や依存症などの二次障害を招くことが多いようです。

注意欠如・多動症とのかかわり方・支援
  不注意に対する支援
  ・忘れ物をしないよう、繰り返し一緒に確認する
  ・おもちゃを出していいゾーンや整理するための大きな箱を用意して、片づけのルールをつくる
  ・装飾が少ない静かなスペースを確保して外部からの刺激を少なくする
  多動性に対する支援
  ・作業時間を短く設定して小休止を挟む
  ・「プリント配り」など授業中でも体を動かせるような役割を与える
  ・多動を抑えられたときはすぐに褒めてあげる
  衝動性に対する支援
  ・おおらかな心で接する
  ・場面に応じた正しい行動を伝え、本人にルールを思い出すきっかけを与える
  ・好ましくない行動の代わりに、問題解決できる行動を一緒に考えて提案する


・チック症群/チック障害群(TD)…まばたきや咳払いなどの行為が一定期間、繰り返し続く特性です。一見すると単なる癖のように思えますが、本人の意思とは関係なく発生してしまうため、止めたくても止められません。チック症群はほかの特性を併存していることも多く、そのなかでもADHDや強迫性障害が代表的です。


・限局性学習症/限局性学習障害(SLD)・学習障害(LD)…知的能力障害などの知的発達に問題がないにもかかわらず、基本的な学習能力に著しい困難が見られる特性です。
 ・読字障害
 ・書字表出障害
 ・算数障害

限局性学習症とのかかわり方・支援の一例
  子どもが苦手な部分を見つける
  その子に合った教材を使う
  親も正しい文法を心がけて話す


・コミュニケーション症群/コミュニケーション障害群(CD)…言語、会話、社会的なコミュニケーションが苦手な特性です。

コミュニケーション症群の5分類
  1.言語症/言語障害
  2.語音症/語音障害
  3.小児期発症流暢症/小児期発症流暢障害(吃音)
  4.社会的(語用論的)コミュニケーション症/社会的(語用論的)コミュニケーション障害
  5.特定不能のコミュニケーション症群/特定不能のコミュニケーション障害群

コミュニケーション症群とのかかわり方・支援
  言語症…周囲から孤立してしまう可能性があることから、周囲に理解を求めるほか、当事者の心のケアも行いながら社会に出ていくためのサポートが必要です。
  語音症…7~8歳頃になると正確に話せるようになることが多いです。ただし、この年代を過ぎても特性が続く場合は、言語療法などの適切な治療が必要となります。
  小児期発症流暢症(吃音)…緊張やストレスが強くなると出やすいので、リラックスした環境を整えてあげましょう。
  社会的(語用論的)コミュニケーション症…SST(ソーシャルスキルトレーニング)などの行動療法により、社会生活を送るためのスキル習得を目指します。


第3章 大人が抱えやすい心の問題

・統合失調症(SZ)…考えがまとまりづらくなる精神疾患です。代表的な症状は、幻覚と妄想が現れる「陽性症状」です。一方、感情表現が乏しくなったり、行動意欲が低下するのが「陰性症状」です。このほか、認知機能が低下する「認知機能障害」という症状もあります。

統合失調症の治療
  ・薬物療法…抗精神病薬で症状を抑える
  ・心理社会的療法…精神療法や心理教育を行う


・双極性障害(BD)…気分が高揚し活動的になる「躁状態」と気分が落ち込んで無気力になる「うつ状態」を繰り返す心の病気です。

双極性障害とのかかわり方・支援・治療
  心理・社会的療法
  ・心理教育
  ・認知行動療法
  ・睡眠の安定
  ・生活リズムの安定
  薬物療法
  ・気分安定薬
  ・抗精神病薬
  ・特定の抗うつ薬


・うつ病/大うつ病性障害(MDD)…「気分障害」という心の病気のひとつです。
 身体的症状…不眠、過眠・食欲減退、食欲過多・疲労感・倦怠感・動悸、めまい、頭痛、肩こりなど
 精神的症状…気分が落ち込む・感情の喪失・集中力の低下・意欲、気力の低下・思考がまとまらない・絶望感、劣等感、孤独感、無力感、不安感、焦燥感・行動力の低下・口数が少なくなる・自殺念慮、自殺企図など

うつ病との関わり方・支援・治療
  精神療法(認知行動療法・対人関係療法)…ストレスへの対処方法を学ぶ
  休養…心身の休養をしっかりとる
  環境調整…ストレスから離れた環境ですごす
  薬物治療…抗うつ薬などを医師の指示で服用


・不安症/不安障害(AD)・パニック症/パニック障害(PD)…不安症/不安障害(AD)で抱く不安の強さは度を越えていて、日常生活に支障をきたしてしまいます。パニック症は、ある日突然、なんの前触れもなく強い不安感が訪れ、動悸やめまいなどの身体症状とともに「このまま自分は死ぬのではないか」と感じるほどの恐怖を覚えます。

不安症の主な分類
  限局性恐怖症(SP)
  社交不安症(SAD)
  全般性不安障害(GAD)
  分離不安症(SAD)
  広場恐怖症

不安症・パニック症の治療
 不安障害の治療
  薬物療法…抗うつ薬や抗不安薬が処方されるほか、症状に応じて睡眠薬などが処方されることがあります。
  精神療法…認知行動療法・曝露療法・心理教育
 パニック症の治療
  薬物療法…パニック症にも効果が確認されている抗うつ薬のSSRIや、抗不安薬などが処方されます。
  精神療法…認知行動療法・曝露療法


・心的外傷後ストレス障害(PTSD)…命を脅かされるような出来事を経験すると、それが「トラウマ(心的外傷)」として残ります。ほとんどの人が不安、不眠、緊張、動悸などの症状に悩まされます。1カ月以上経過しても、これらの症状が継続し、日常生活に支障をきたすことがあります。これが「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」です。

心的外傷後ストレス障害の4つの症状
 侵入症状(再体験症状)
  ・トラウマの記憶が鮮明によみがえる
  ・再体験(フラッシュバック)
  ・繰り返す悪夢
 回避症状
  ・トラウマを思い出させる場所、人物、物事を避ける
  ・感情や感覚が麻痺する
 思考や気分に対する悪影響
  ・疎外感、孤独感、うつ症状
  ・罪悪感を持ってしまう
  ・幸福感や満足感がなくなる
 覚醒レベルと反応の変化
  ・眠れなくなる
  ・緊張状態の持続
  ・危険に対して過度に敏感となる

心的外傷後ストレス障害の種類と支援・治療法
  心的外傷後ストレス障害の代表的な心理療法
  ・持続エクスポージャー療法(PE)
  ・眼球運動脱感作療法(EMDR)
  ・認知処理療法(CPT)
  ・対人関係療法(IPT)


・性別違和(GD)…個人が自覚している性別と出生時に身体的な特徴によって決められた性別が一致していない状態を指します。

性別違和の治療
 精神科領域の治療
  ・精神的サポート
  ・カムアウトの検討
  ・実生活の検討
  ・精神的安定の確認
 身体的治療
  ・二次性徴抑制療法
  ・ホルモン療法
  ・性別適合手術
  ・乳房切除(FtMが対象)


・睡眠・覚醒障害(SWD)
 ・眠れない(入眠障害)
 ・何度も目が覚める(中途覚醒)
 ・朝早く目が覚める(早朝覚醒)
 ・眠れた感覚がない(熟眠障害)
 ・日中の強い眠気(過眠症)
 ・突然の筋力低下(ナルコレプシー)
 ・寝ぼけ行動(睡眠時随伴症)など


・適応障害(AD)
 ・抑うつ
 ・不眠
 ・不安感が強くなる
 ・情緒が不安定になる
 ・過剰飲酒、暴飲暴食
 ・動悸、息切れ、胸の圧迫感など

【感想】

図解シリーズの特徴である、最低限にまとまった文章と図で、短時間で濃い勉強になります。他の臨床心理学の本は分厚いものが多いので、復習用や入門に最適です。(いつもの図解シリーズと同じ感想しか言えません。。。)

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心理セラピストtakashi

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