「最新メンタルヘルス入門」吉里心理士著

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クライエントのカウンセリングと、職場の同僚の悩み相談など重なりブログ更新の時間があいてしまいました。
今回は、遂に温めていたテーマ、ポリヴェーガル理論とマインドフルネスの超入門書です。どちらもこれから深めて行きたい題材なので、これ1冊で一挙両得です!!マジです!!
何度も読み直した本ですが、今回また改めて読み直しました。

この本は生徒さんと吉里心理士さんが会話しながら進んでいくので、かなり読みやすい口語体なのに加えて、専門的概念をとても分かりやすく表現しているのが印象的です。

第1章 「最新メンタルヘルス」の基本的な考え方

(第2章と併せてまとめます)

第2章 最新メンタルヘルスの要、ポリヴェーガル理論

①メンタルの問題を当事者の問題にしない。当事者の性格、人格、本人の原因へと帰属しない。
②様々なメンタルの状態や問題も含めたこころとからだの反応は、本人のいのちを守ることを目的とした、環境に対する自然な(防衛)反応であると理解する。
③今の自分のからだとこころを観察し、どのように過ごしたらそれがどう変化するのか実験を積み重ねていく。

体が病気になったときの症状は、体がウイルスと戦うことで生じる必要な反応です。しかし、心が病気になったときに同じように考えることは少ないと思います。心の病気による症状も必要な反応なのです。

ポリヴェーガル理論(多重迷走神経理論)とは、従来の交感神経と副交感神経の2つのモードだけでは説明できない現象に、画期的で多大な影響を与えた理論です。
迷走神経(ヴェーガル)とは副交感神経の約8割を占めており、矛盾した理解しがたい神経だと考えられていましたが、1994年にポージェス博士がこの迷走神経が多重(ポリ)になっていることを発見し、整理しました。

①赤さん(交感神経)…危険な環境に対して戦うために、あるいは逃げるために働く神経
 ・エネルギーが少ないのに活動(勝負)しないといけないとき
 ・追い詰められているのに活動(勝負)しないといけないとき
に問題になる。
②青さん(背側迷走神経複合体)…戦っても逃げてもうまくいかない、とからださんが判断したときに、冬眠モードになり省エネモードになる神経
③緑さん(腹側迷走神経複合体)…からださんが刺激や遺物から離れ、休養でき充電できた時に働く神経

3人の成長のプロセスについて
青→赤→緑の順で発達していきます。

3人の連携プレーについて
緑→赤→青の順で対処します。

第3章 ポリヴェーガル理論から見たメンタル疾患とその回復

メンタル疾患の2つのつらさ
 ①自律神経のアンバランスな状態からくる、生理的なツラさ(生理的症状)
 ②「その原因は本人の性格の問題である」など、不適切な社会的な評価からくるツラさ(社会的症状)

うつ病からの回復の基本的な方針3つ
・「刺激の強い人や情報から物理的にも心理的にも離れて、省エネ生活をする(青になる)」
・「たくさん睡眠をとる」
・「今ここに生きる(緑になる)、過去や未来から離れる」

第4章 からださんが緑になるために

マインドフルネス
今ここにあるものに心を籠める生き方
 ①中心対象(あるいは観察対象)を決める
 ②「中心からそれた自分」に気づく
 ③また中心対象に戻る
この3つを繰り返し続けていく営み。

おすすめ中心対象10(一部のみ)
 2.五感を気持ち良く使う生活
 3.からだを触る
 4.気持ちがいい体験を見つけて、増やす試みをする
 6.緑の人を見る、緑の人と接する
 7.ゆっくり穏やかに動いているものを見る
 8.顔の体操
 10.感謝の祈りをする

第5章 メンタル疾患からの回復に役立つ、からださんの5つの物語

(一部のみ)
1.アニメ「働く細胞」
2.インサイド・ヘッド

第6章 メンタルヘルスの支援者は「からださんの翻訳者」になろう

①赤や青の状態を具体的に観察して、本人さんと共有する
②赤や青の状態は変えるべきものとせず、これまでの環境で過ごした結果として捉える
③少しでも緑の神経が動くように環境を整える
④緑が増えるような生活、からださんをケアするような生活にシフトしていく

第7章 身近な人がメンタル疾患になった場合

(省略)

【感想】

私のポリヴェーガル理論の原点です。久々に読み直しましたが、いろいろ勉強した今だからこその新たな発見もありました。同じ著者の本がありましたので、近々購入して読んでみたいと思います。

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心理セラピストtakashi

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