差額ベッドのなぞ 受け身でない伝えられる患者に

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マネー・副業
朝日新聞の特集記事「差額ベッドのなぞ」から引用しつつ、差額ベッド料についての理解を深めています。

今回は第4回、最終回です。

今回はささえあい医療人権センターの山口育子理事長に聞く、と題されて差額ベッド代の請求に関する相談についてコメントされています。

ー差額ベッド問題に長年関わっていますね。
「(中略)通知に反して請求された差額ベッド料が返還されたとの報告も届き、それがマスメディアで取り上げられ、相談件数は増えていきました。」

ーどのような内容が多いですか?
「空きベッドがないと言われて、差額ベッドが設定された部屋への入院を余儀なくされたというトラブルです」
「政府の答弁書には「緊急を要して、患者の選択に寄らずに特別室に入院させた場合は、差額ベッド料を求めてはならない」と書いてあります。そのうえで、患者の希望する病院に空きベッドが出たら移すという対応が想定されています」

ー差額ベッド料を払わなくていいのですか。
「そうとは限りません。ここで重要になるのは「同意書」の存在です。厚労省は、「設備や料金について明確かつ懇切丁寧に説明したうえで、患者の同意が確認される場合には、料金を徴収できる」としています。同意書があれば「患者が納得した」とみなされるのです」

ー気が動転しているときに、同意書に署名しないという判断は難しいです。
「確かにそうです。「他に受け入れてくれる病院が無い」などの理由で、同意せざるを得ないことは起こりえます。また、同意を拒んだら医療者との関係が壊れるという不安もあるでしょう」
「でも、納得できる説明が無かったり、疑問に感じたりした場合には、「いまは手元に保管する。必要に応じて提出する」とはっきり意思表示する勇気も必要です」(中略)

ーそれでも、納得できないときはどうすればいいでしょうか?
「トラブルになった場合には、医師や看護師が間に入ってくれることは少なく、病院の医事課との直接交渉になります。」
「その際、厚労省が出した通知や「疑義解釈」などの資料を入手してよく読むことをおすすめします。懇切丁寧な説明がないなど、国が「適切でない」とする対応を受けてきたと主張する根拠になります」

ー差額ベッドに限らず、患者は何に気をつけることが大切でしょうか。
「自分が医療を受ける主役という自覚を持つことです。(中略)受け身の姿勢ではなく、「私はどうしたいのか」を確認する「意識下」と、相手に伝える「言語化」が必要です」
「「差額ベッドの支払いに納得できない」という病院にとって困るメッセージを、人間関係をこわさずに伝えられるのか。患者が「賢くなる」努力とコミュニケーション能力を問われているのです」

う~ん…と唸ってしまう内容ですね。

こうすれば確実に差額ベッド料を払わなくて済みますよ…という内容はありません。

納得できない差額ベッド料を払わないために何をすれば良いか?整理すると以下の内容になると思います。

・急な入院で気が動転しているような場合は同意書は署名しない。
・「同意書は手元に保管して、必要に応じて提出する」と伝える。
・提出してしまったら、看護師長や医療ソーシャルワーカーに相談する。
・トラブルになったら、厚労省の通知など資料を元に国が適切でないとする対応が無かったかを確認し、あればそれを根拠に主張する。
・交渉は病院の医事課との間で行われ、自分で交渉する覚悟を持つ。

こんな感じです。

一番の対策は「安易に同意書に署名しない」ということです。

納得いかないことがあれば病院との交渉になるので「根拠と覚悟をもって交渉する」ということです。

相談はできても、誰かが代わりに交渉してくれるわけではない、というところが病気などで入院して不安を抱く本人に対して一種の冷たさも感じますが、それが自立した大人として必要なことなのかもしれません。


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