保険料は損なのか 納得できる環境を

記事
マネー・副業
先週の朝日新聞にパート社員の社会保険料の負担についての記事が出ていましたので、引用してみます。

政府は社会保険の加入対象者を拡大している。パートやアルバイトら短時間の労働者も、保障を手厚くする狙いだ。雇用主として保険料の負担が増えることに企業側の反発もあり、段階的に時間をかけて実施してきた。(中略)

岸田政権は、年収の壁を越えても手取りが減らないように賃上げした企業に助成金を出す制度を始める方針だ。(中略)

本格的な対応は9月以降、厚労省の審議会で議論する。「壁」問題の根っこにある3号の在り方に踏み込むことになるが、区分を廃止し、新たに保険料をとるのはハードルが高い。

慶応大の権丈善一教授は、パートの保険料は事業主負担分だけとし、労働者は払わない代わりに給付も減らす「厚生年金ハーフ」という選択肢の時限的導入を提唱する。大和総研の是枝俊吾主任研究員は、40歳以上の女性ら就労が難しかった世代には3号を残し、共働きが当たり前になってきた世代から、育児や介護などで働けない人に絞った制度への移行を提案する。(中略)

私たちも「保険料を払うのは果たして損なのか」という問いに、向き合う必要がある。手取りは減っても、社会保険に入るメリットは大きい。傷病手当金などが受け取れるようになり、老後の年金も増える。負担と給付の関係を見えやすくして、誰もが納得して保険料を払える環境づくりこそ重要だ。(引用終わり)

今回ご紹介する記事はパート社員さんの社会保険料についてです。

年金保険制度を末永く維持していくために、社会保険に加入する条件を緩和し、できるだけ多くの人に保険料負担をしてもらおうという趣旨です。

パート社員さんからすると、いわゆる「収入の壁」にあたり、働いても社会保険料が増えることで実質手取りが少なくなる現象があることから嫌がられる傾向があります。

ですが、制度全体のことを考えると決して悪いことではありません。

今まで収入がない、または少なく扶養に入っている主婦、主夫の方は保険料を払わずして基礎年金を受け取れる第3号という立場になっています。

ですが、本来支払うべき保険料を支払わないまま年金だけ受け取れるというのは年金制度にとって良いことでしょうか?

もし、制度が半永久的に存続できるならそれでも良いのかもしれませんが、この少子高齢化の時代にあっては、そのようなことは許されない、つまり受け取る年金が急激に少なくなる未来が予測されています。

それを考えると、少なくとも収入のあるパート労働者はいくらかの保険料は負担すべき、というのも納得できると思います。

とは言うものの、いきなりそこにつなげるのは変化が急すぎる…ということで考えられているのが以下の2案だそうです。

①厚生年金ハーフ(個人分は保険料負担せず事業者分のみとする)
②若年層世帯から年金負担する

さすがに②はある一定年齢でいきなり立場が変わるとすると、ちょっと納得性が低いと言われてしまいそうな気がするので、時限的に①で対応しつつ、一定年度でハーフを辞める、そんな方向が良いのかなという気がしています。

いずれにしましても、パート社員が社会保険に加入することは決して悪いことばかりではありません。

記事にもある通り、保険料に応じて厚生年金も増額できますし、遺族年金や健康保険の傷病手当金を受け取る資格ができたりするので、有利なことも多いのです。

ぜひそのプラス面をしっかり確認していただいて、積極的に社会保険に加入していただければと思います。

ライフプラン、家計の見直しなどご相談に乗れます。ぜひ本サービスをご活用ください。


サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す