2020年のマスク不足騒動の真相(Ver.1.1)

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(4月1日の中国政府お達しの日本語要旨を加えました。)2020年初頭から日本でも猛威を振るい始めた新型コロナウィルス。同年2月頃からマスク不足がはっきりして来て、3月になると日本は欧州にマスクを「買い負け」して、ますますマスク不足になっていました。
 政府はそれを「転売ヤーが買い占めているから」として、確か4月には逮捕された人まで出ましたが、果たしてその真相は一体どうだったのでしょうか。

【今明かされる「マスク不足」の本当の理由】
 マスク不足問題の当時、私はツイッターでリアルタイムにこの問題をツイートしていましたが、それを思い出しながらスクショも交えて書きます。

 3月に入ると、中国ではマスクメーカー以外の会社がこの特需に大量に参入して、未熟な技術でマスクの粗製乱造を始めました。そのため先にマスクを「買い勝ち」していた欧州には、その粗雑なマスクがどんどん送られて問題になり始めていました。
 一方、中国ではその頃にはマスク不足も落ち着き始めて、代表のところにも以前仕入れた事が有る中国の中堅商社から「マスクを買わないか」という打診がWeChat(日本のLINEの様なアプリ)で来ました。
以下はその時のやり取りでです。
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    ~(中略)~

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 こんな感じで、業者は強気で売ろうとしますが、たとえ仕入れたとしても輸送コストや税金を加えると3千円で売っても1円の利益も出ません。(だから当時輸入した業者は50枚4千円ぐらいで販売していた訳です。)

 当初、私はこんな高い物を仕入れても絶対に値崩れすると思ったので、最初は買う気は全く有りませんでした。(当時のツイッターにも書きましたが、5月には値崩れすると予想し的中します。)
 しかし政府が輸入すると言いながら3月下旬になってもマスク不足が解消しないので、これは社会貢献のつもりで輸入しよう(なぜなら業者からオファーが有るんですから。)と思い、最初は民生用を検討しましたが、結局、値段が2倍する医療用のマスクにしました。
こちらがのちに届いたマスクです。
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高かったけれど大変品質の良いマスクが届きました。

 このマスクを3月末にアリババ経由で4千枚発注し、届くのを今か今かと待ちましたが、普段なら数日で届く荷物が4月中旬になっても届きません。追跡情報を見ると上海の空港で止まったままです。

【習近平主席が粗製乱造のマスクに激怒し輸出が滞る】
 実はこの時、欧州からクレームが殺到したのに激怒した習近平主席が、輸出に際してマスクの検閲を厳しくする様に「お達し」を出していたのです。
 輸出業者のところには運送会社から次の様な緊急連絡が入っていました。
要は、4月1日から検査が厳しくなったので発送には特に注意して下さいと。
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【要旨】
(2020年)4月1日から海関(税関)も検査を厳格化。空海運輸会社等は正式に報告(品質表示や検査結果表のことか)された防疫物品(マスクなど)しか扱えません。同時に検査機関に送り、国家基準を満たしていれば輸出が出来ます。さもなければ没収廃棄され、法的責任を追求される可能性も有るので担当者は特にご注意下さい。

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 国内では、政府が転売ヤーが買い占めているという「印象操作」でマスクの「買い負け」をごまかそうとしていましたが、事実はそうではなかったのです。
 欧州は日本と違い、国のトップが中国と交渉してマスクを買っていたのですが、残念な事に届いた品物は不良品だらけ。だから習近平主席はメンツを潰されて激怒したのです。

【4千枚仕入れたマスクはどうなった?】
 5月中旬になってようやく注文したマスクが届きましたが、既にマスクは市場に溢れて値崩れ(表現が良くないですが、元々仕入値が高かったので決して暴利ではなかったのです。)していたため、今さら届いたマスクを売っても送料で更に損するだけなので売るのは諦めました。
 しかしそうは言っても160サイズぐらいの大きな段ボール2つも有るマスクは一生かかっても使い切れないので、半分はリサイクル店にタダ同然で売却処分し、残りは自己使用(原価で自分が買った形)として会計処理しました。多分この先、一生かかっても使い切れないでしょう。

【おまけ】
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中国は日本の様なポケットティッシュは無いのか、個人コンビニ店ではこういうタイプしか有りませんでした。値段は忘れましたが、量が多い割には安かったと思います。

(つづく)
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