80年代の奔放デザイン、メンフィスデザインとは？？
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メンフィスデザイン、きっと一度は目にしたことがあるはずの、ポップでカラフル、ユーモア溢れる個性豊かなスタイル。
1980年代に誕生したこのスタイルは、当時の常識をくつがえすインパクトで世界を魅了しました。そして今なお、グラフィックはもちろん、プロダクトデザインにも大きな影響を与えつづけています。
この記事では、革新的なメンフィスデザインを、具体例をまじえてわかりやすく解説していきます！
メンフィスデザインとは
まずはメンフィスデザインの代表作を見てみましょう。
カラフルな色使いとポップなタッチがとても魅力的で、ぜんぜん普通の家具に見えません。
かなり挑戦的で奇抜なデザインですが、子供の落書きのようでいながら、たしかにデザインされた製品というギャップに不思議な魅力が感じられます。
このようにメンフィスデザインは、抽象的でありながら親しみやすく、機能性とアート性をあわせ持つ革新的なスタイルでありました。
メンフィスグループの誕生
メンフィスデザインは1981年、アーティストとデザイナーのグループとしてイタリアの建築家エットレ・ソットサスによって設立されました。
グループの最初のミーティング中にボブ・ディランの曲「Stuck Inside of Mobile with the Memphis Blues Again」がリピート再生されていたため「メンフィス」と名付けられたのがその名の由来です。
80年代初頭、デザイン界では無骨でシンプル、あくまでも「モノ作り」に特化したデザインが主流でした。機能性や実用性が重視され、過度な装飾は避けられていたのです。
そんな時代の中においてデザインチームをひきいたソットサスらは、「シンプル過ぎるデザインに新風を」と、挑戦的な作品作りに乗り出しました。
彼らは当時の「無機質な機能主義」に反旗をひるがえし、よりポップでユーモアあふれる自由なスタイルを表現しながら、家具、布地、パターン、陶器、その他の製品を制作していきました。
抽象と素朴、2つのキーワード
メンフィスグラフィックには2つの重要なキーワードがあります。
ひとつは「抽象的」。つまり、具体的なモチーフを持たない抽象的なデザインです。プラスチックの端材をくりぬいただけのようなモチーフが多く使われています。
もうひとつが「キッチュ」。ブランドモノを気取らず、ポップでわかりやすい素朴な魅力を指しています。ごちゃごちゃしていてカジュアルな雰囲気があるのがキッチュな特徴です。
この2つのキーワードは対照的に見えますが、実は革新性と親しみやすさを合わせ持つメンフィススタイルの特徴を表しています。
奇抜でポップ!印象的なグラフィック
メンフィススタイルの最大の魅力は、奇抜でありながらポップなタッチにあります。
原色を大胆に組み合わせ、自由なタッチで描かれたパターンデザインが印象的です。さらに三角形や四角形、円といった単純な幾何図形をデザイン要素として取り入れることで、デザインに奇妙な親しみやすさを生み出しています。
ポップアートやアールデコ、バウハウスからの影響を色濃く受けつつ、メンフィスはそれらを自在に組み合わせて独自の表現を生み出しました。
それは当時広く受け入れられていた、シンプルで趣味がよく、真面目なデザインスタイルから見れば悪趣味とみなされることもありましたが、それほどにメンフィススタイルは当時から見れば革新的で挑戦的なデザインでした。
しかしメンフィスの創造的でユーモアあふれる斬新なスタイルは、次第に当時の人々に広く受け入れられ、結果的に1980年代を代表するスタイルとなったのでした。
現代デザインに色濃く残るメンフィスの影響
当初はアンチデザインと酷評されたメンフィスですが、やがてその革新性は人々を魅了し、大きな反響を呼びました。
現在でもフィリップ・スタルクやナタリー・ドゥ・パスキエといった創設メンバーをはじめ、メンフィススタイルに魅了された若手デザイナーも活躍しています。
出典 : STUDIO MEMPHIS WAVE
さらにグラフィックデザインはもちろん、家具からインテリアまで、メンフィススタイルの影響は現代のデザインに色濃く残され、80年代に一世を風靡したメンフィスのスタイルが、デザインやイラストの分野で復活をとげています。
メンフィススタイルの変わったデザインを素晴らしいと思うか、単に悪趣味だと思うかにかかわらず、今日のグラフィックやインテリアデザイン、イラストの分野に対するメンフィスグループの影響はいろいろな場面で目にすることができるので、意識して周りを眺めてみると面白いかもしれません。
まとめ
メンフィスグループの精神は当時の批評家からは趣味が悪いと考えられていましたが、創造性にあふれたインパクト大のメンフィススタイルは、自由でポップ、そしてごちゃまぜな魅力がたっぷり詰まったデザインなのです。
・抽象と素朴が共存する革新的なデザイン
・ポップアートやバウハウスなどの影響を取り入れた独自の表現
・カラフルで奇抜だが親しみやすいタッチ
・機能美とアート性の両立を目指す前衛的なスタイル
・現代デザインにも影響をあたえる重要なムーブメント
常識や固定観念にとらわれないスタイルは、次の世代のデザインに多くの可能性と希望を与えてくれました。
私は個人的にメンフィスデザインが大好きなので、これからもずっとその魅力と可能性が広がり続けていくことを願っています。
皆さんも、これからはぜひメンフィスデザインに注目してみてください( ^人^)
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