【60年代】レトロなアート・デザインスタイルのトレンド Vol.5

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コラム
こんにちは、Webデザイナーのしんやです!

レトロなデザインは過去にどんなトレンドやスタイルがあって、それぞれどのような特徴があるのか、、
レトロなデザインは今でも多くの製品やポスターなど色んなところで人知れず使われています。

その原点となったアートやデザインの歴史的な流れを、ざっくり簡単に10年単位で記事にしていきたいと思います。

少し真面目な内容になってしまいますが、かつてのデザインのトレンドを知ると町を歩くのがちょっと楽しくなるのでぜひ読んでみてくださいね!

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60'sデザインとは

第二次世界大戦後の1960年代は公民権運動、学生運動、月面着陸、ヒッピー文化、ロック、サイケデリック、ミニスカートの流行などなど、アメリカを中心に社会的にも文化的にも大きな変化が社会にもたらされた激動の時代。

若者が文化の中心となって、戦争によって荒れてしまった社会とそれまでの古い芸術スタイルに対しての批判から、カウンターカルチャーとしてたくさんの新しいアートや思想が生まれ、デザインにも落とし込まれていきました。

そんな60年代に生まれたアートのトレンドとして

・ポップアート
・サイケデリックアート
・オプ(オプティカル)アート
・ミニマリズム
・コンセプチュアル アート

が現れ、これらはその後のアート、デザインシーンに大きな影響を与え続けています。

今回はこれらの中から、特に有名なポップアートとサイケデリックアートを取り上げてみましょう!

ポップアート

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1950年代の第二次世界大戦の後、アメリカをはじめとした先進国はテクノロジーの発展によって大量生産、大量消費の時代がやってきました。
この頃にはテレビや雑誌などのメディアも影響力を増し、人々の生活は大きく変化していきます。

ポップアートはそういった日々変化し続ける生活の中で、繰り返し大量に生産されるテレビCMや商品などをアートの題材とすることで誕生しました。

このような大衆の生活に焦点をあてた表現がアートと呼ばれることは当時とても画期的なことでしたが、そこには大量生産・大量消費社会への皮肉で風刺的なメッセージが込められていました。

同時にそれまで芸術の世界で主流となっていた感覚的で感情的な抽象表現主義と呼ばれるスタイルに対して、実際に存在する具象的な商品を題材にしたポップアートは、新しいものを取り入れ、古い潮流を打ち砕くその思想から、反逆的なアートスタイルであるといえます。

ポップアートのデザインの特徴

・大胆で鮮やかな色
・有名人・メディア・商品の画像の使用
・コラージュ
・皮肉
・風刺
・ユーモア
・ロイ・リキテンスタインのコミックスタイル
・アンディ・ウォーホルのスクリーンプリント

などを特徴とする華やかでエネルギッシュなポップアートのスタイルは、グラフィックデザインからファッション、ライフスタイルにまで大きな影響を与えました。
はっきりとして分かりやすく力強いビジュアルのため、現在でもあらゆる分野で使われているとても身近なデザインスタイルとなっています。

ポップアート界の有名アーティスト

アンディ・ウォーホル
◯ロイ・リキテンスタイン
◯ジャスパー・ジョーンズ
草間彌生
◯奈良美智
◯村上隆


サイケデリックアート

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1960年代半ばに誕生したサイケデリックアートは、薬物や幻覚の体験にインスピレーションを得た、内なる精神世界を表現する視覚的なアートスタイルでした。

60年代から70年代にかけてのアメリカでは、公民権運動、ベトナム戦争、麻薬の使用、性の自由、差別からの開放など、多くの深刻な問題に取り組みました。
その中で多くの若者は東洋の神秘主義やサイケデリックな薬物を通じて精神的な体験から癒やしを求め、自身の内なる視覚体験をインスピレーションとしてアートやデザインに表現していきました。

そのあまりにスピリチュアルで奇抜な世界観は、瞬く間にアート、映画、ファッション、音楽にまたがる独自のアート・デザインジャンルとして広がっていきました。
サイケデリックアートのスタイルは今日でも大きなトレンドであり続け、さまざまなデザインやアート作品において広く使われ続けているとても重要なスタイルとなっています。


サイケデリックアートの特徴

・ネオンのような明るく強烈な色合い
・渦巻き模様
・目の錯覚を引き起こす色や線
・美しく、判読が難しい書体
・アールヌーボー風の曲線
・複雑で幾何学的なパターン

などを特徴として、トリップの感覚を視覚的に表現していました。
これらを特徴とするサイケデリックアートのスタイルは、当時のバンドやコンサートのポスター、アルバムのカバーなどに多く見ることができます。

サイケデリックアート界の有名アーティスト

◯ヴィクトル・モスコソ
◯ウェス・ウィルソン
◯ボニー・マクリーン
◯田名網敬

おまけ オプアートとミニマリズム


オプアート
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視覚的な錯覚や効果を追求し、視覚体験を通じて人々に訴えるアートスタイル。
幾何学模様はオプアートの重要な要素の一つで、現在では一部トリックアートなどで日常生活の中に使われています。

現代のアーティストではピーター・コグラーのインスタレーションが圧巻。

ミニマリズム
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ミニマリズムは豊かな感情やアイディアを描く抽象表現主義に反抗する形で始まりました。
個性や自己表現ではなく、そのもののありのままの姿を表現する、極度にシンプルなデザインスタイル。

フランク・ステラやロバート・モリスが有名。

まとめ

1960年代は大変な混乱期にありながら、それ以前から続く流行や慣習、そして生活様式すらも変えてしまったとてもエネルギッシュで魅力的な時代でした。

その頃に誕生したそれぞれのトレンドはただビジュアル的に人々を楽しませただけでなく、生き方や哲学として現在でも残り続けています。

多分当時生きていた人たちには辛いことや悲しいことも多かったと思いますが、それに立ち向かう強い精神がこれらのアートスタイルによく現れているように思えて、私の大好きな時代の一つです。

記事中では本当にさらっと上辺をなぞる程度しか紹介できていませんが、これをきっかけに少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです!

今後もちょくちょく年代別のトレンドをアップしていきたいと思っているのでよかったら見てやって下さいm(_ _)m


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