こんにちは、Webデザイナーのしんやです!
アートやデザインの歴史的な流れを10年単位でざっくり説明するシリーズ第二弾、今回は1970年代のトレンドの解説です。
レトロなデザインは過去にどんなトレンドやスタイルがあって、それぞれどのような特徴があるのか、、
レトロなデザインは今でも多くの製品やポスターなど色んなところで人知れず使われています。
60年代同様、現代でも多くの影響を与え続けている70年代のデザイン・アートのトレンドはどのようなものなのか、ぜひ一緒に見ていきましょう!
前回の記事
70年代の時代背景
1970 年代は60年代の激動の時代を引き継ぎ、
マーティン・ルーサー・キング・ジュニアが先導する人種差別とたたかう改革や、
女性が性差別と戦い、平等な権利と機会をもとめる女性解放運動など、
アメリカを中心に社会変革と社会的、文化的活動の変革の10年でした。
これらの運動はアイデンティティや人権など、人々に多くの問題について考えるきっかけを作りました。
活動家たちは古くからの社会のルールや考え方に疑問を持ち、
「人民に力を!」という声が叫ばれるようになっていきました。
デザイナーたちは、グラフィックデザインを活動と表現のツールとして使用して、ポスター、ロゴ、イラストなど、これらの運動を推し進めるアイデアを形にしていき、
1970 年代を通じてデザイナーは急速に変化する社会を反映して、デザインは抗議の武器となっていきました。
70'sデザインとは
60年代の影響がにじむ70年代は、新たな社会運動や文化、テクノロジーブームなどによって、デザインやアートにおいても飛躍と進歩の10年でした。
人々は音楽やファッションやアートを通じて、自分自身をより贅沢に、あるいは反対に、よりカジュアルで自然回帰的なスタイルを表現したいと考えていました。
自己表現の欲求と古い慣習への反抗。
60年代から続くカウンターカルチャーの全盛期。
有名なヒッピー文化や魅力的なディスコシーン、革命的なパンクの動きはそれら代表するものですが、ビジュアルの世界に影響を与えたトレンドのほんの一部です。
そんな70'sデザインの特徴には
・シンプルな形と大胆な色合い
・花がらとヒッピー
・遊び心のあるタイポグラフィ
・写真とコラージュ
・パンクスタイル
などが挙げられ、派手な色使いや60年代から続くサイケデリックで超現実なイメージから、反対に暖かさや懐かしさを伝える素朴で自然派な色調も、この時代の華やかな魅力を伝えています。
それではこれらのデザイン的な特徴を、それぞれざっくり見ていきましょう!
シンプルな形と大胆な色合い
サイケデリックスタイルとは対照的に、70年代ではシンプルでフラットな繰り返しパターンがファッションやファブリックによく使われていました。
このような装飾的なデザインは、他にもマンダラやペイズリー柄などが当時流行を呼び、洗練され、特にファッションデザインに用いられました。
花がらとヒッピー
70年代のパターンには花のモチーフがたくさんちりばめられています。
それは60年代から続く消費主義を拒否してシンプルで自然な生活スタイルを求めていたヒッピー文化の影響が、70年代のデザイナーにとっても重要な要素だったから。
花柄のモチーフはヒッピーパターンとも呼ばれ、フラワーパワーというスローガンのもと自由や喜びなどを表現する、70年のデザインで繰り返されるテーマです。
遊び心のあるタイポグラフィ
ディスコやパンクなどの音楽シーンが盛り上がりを見せた70年代は、自由でグルービーな手書きフォントの全盛期でした。
写植技術の進歩によってタイポグラフィはより不規則で多様になり、ディスコやネオンにインスピレーションを受けた線画や、流れるようなスワッシュ(文字の端のニョロニョロ)なども、この時代のタイポグラフィの大きな特徴の一つです。
写真とコラージュ
1950〜60年代はイラストが多く使用されていましたが、70年代には写真が主役となり、イラストは写真を引き立てるための一部となっていきました。
モノクロの写真にカラフルなフォントや要素の組み合わせは代表的な一例で、ブランドを宣伝するために有名人が使用されたデザインも多くみられました。
パンクスタイル・タイポグラフィ
パンクはそれまでのタイポグラフィのルールを壊し、より自由で攻撃的なスタイルを生み出しました。
新聞や雑誌の文字を切り抜いてコラージュするという方法が生み出され、パンクの革命と反抗の精神を表す代表的なスタイルとなりました。
そんなパンクのはじまりを告げたのは、1975年にセント・マーチンズ芸術大学で最初のライブを行ったセックス・ピストルズ。
彼らのアルバムには切り貼りされた文字が不規則かつ大胆にコラージュされ、パンクのスクラップ&ビルドな精神を表現しているかのようです。
まとめ
たくさんの社会運動や革命のさなかに起きたテクノロジーブームも加わった70年代は、サイケデリックやヒッピー、タイポグラフィやディスコなどの奇抜で思想的なデザインが世界を変え、今日のトレンドに今なお影響を与えるほどの大きな魅力あふれる様々なスタイルを作り上げました。
70 年代はエネルギーに満ちたアイディアにあふれ、その影響は私たちの文化全体に影響を与えています。
個人的に70年代は60年代よりも洗練されたデザインが多く見られるイメージですが、内に秘めたパワーは変わらずにさらに大きく広がった、ある種とてもワイルドで魅力的な10年だと感じています。
今回の記事は前回とおなじく、70年代のトレンドや特徴をほんの一部分ご紹介しただけのざっくり記事ですが、
70年代のデザインを少しでも知ってもらって、デザインをより面白く制作・観察するきっかけになってもらえれると嬉しいです(._.)
他にも70年代には色んなデザインの流れやアートのスタイルがあるので、興味がわいたらぜひ調べてみてくださいね。
本当なら当時のデザイントレンドが顕著に表れているポスターデザインやアルバムジャケットと並行してバンドの解説もしたいところなんですが、それはまたいつかにしたいと思いますm(_ _)m
それではまた次回の記事でお会いしましょう!
ちなみに私はレトロなデザインでホームページを制作するサービスを販売しているので、よかったら覗いてみてくださいね。