白か黒 ■離婚編_26■

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コラム
ただ手をつないで
ディズニーランドを満喫している
それだけ。
なのに
今までにない高揚感。
お土産を買ってくれた。
Gが選んでくれたもの
おそろいのネックレスとバングル。
Gはこのあと
駐車場に着くまで
私の手を一度も離さなかった。


帰りの車の中
Gは私にこう言った。
「今日はありがと。ごめんね、付き合わせて」
私こそだよ!
なんの邪心もなく素直に楽しめた時間。
「ありがとうは私だよ」
そういうと
「お礼も兼ねてたけど・・
〇〇さん、なんかすごく辛そうだったから。」
この子、気づいてる。
中身は分かっていないにしても
私の心の中の闇を読んでいた。
そして
「これからも二人で出かけてくれる?」
Gの優しい言葉に
私はEへの憎しみも復讐心も
多分この時から忘れていた。

翌週、Eと仕事が被った。
二人きりの時間。
Eは相変わらず。
でも気づいた
私のネックレス。
普段、アクセサリー自体つけない私が
年齢にそぐわないような
今時なやつ。
「どうしたの、これ?似合わないよ」
似合わないのは分かってるわよ
鬱陶しいわね、この男。
「義理って大事なの、分かるでしょ?」
そう言って丸め込み
ランチ営業が始まった。

そこに現れた。
同じネックレスをつけたG。
出かけたのは土曜。
昨日は日曜。
お互い一切の連絡を取っていない。
そして今日は月曜日
大学は?と聞くと今日は大丈夫と答えた。
この店は先払いの食べ放題。
ブッフェスタイルなので
話せる機会は会計時のここだけ。
いつもなら
バイトやパートに任せてサボるE。
この日に限って
一度も事務所に下がらず
私をホールにも出さず
あれやれこれやれ指図をされた。

でもガラス張りの厨房が見える席に
座っていたG。
お互いに何度も目を合わせては
笑いあっていた。

Eは見逃さなかった。
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