前回の「音楽祭」の最中、私はこれから死ぬまで付き合うであろう相方の
名ギタープレイヤー「T」君の進路を相談されました。
T:「なぁ、katsuは高校終わったらどうすんの?」
私:「えっ?決まってんじゃん!プロミュージシャンになるのよ!」
↑(本当に何も知らないバカ)
T:「え、でもいきなりはなれないだろ?どっか専門学校とかに行かなきゃ
ダメなんじゃないか?」
私:「そうかもな。んじゃ、そうする!Tはどうするのよ?」
T:「ん〜、まだ決めらんない。学校行きたいけど親が許さないと思う…。」
T君のウチは私の家と真反対の実写版「サザエさん」の様な家族でした。
そんな家のお父さんは「真面目」を絵に描いたような人(でも優しい)で、
とてもそんな「道楽学校」になんて入れそうもありませんでした。
もちろん、私の家は貧乏(浪費癖の強い両親)なので私も考えました。
私はお金のかからない方法を見つけました。
「新聞奨学金制度」と言うものです。
「新聞販売店に入社しながら、自分の好きな学校に行く!」
これだけ聞けば、世の中を何にも知らない高校生は私と同じ事を考えると
思います。
「働きながら金も稼いで、好きな学校に通えるんだ!ラッキー!」って。
…地獄の始まりとも知らず。(鋼のメンタルと体力を持っている人は別)
そしてすぐに、その事をT君にも教えました。
T:「いいじゃん!金も稼げるし、学校も行ける!一石二鳥だな!」
残念な事にT君は私と同じくらいの知能しか持ち合わせていませんでした。
T君は、その事を早速帰ってお父さんに報告!
その夜。一本の電話が。
母:「はい、もしもし。〇〇ですけど。」
電話の主:「あの〜〇〇さんのお宅でお間違い無いでしょうか?」
母:「えぇ、そうですけども。」
電話の主:「あの〜私、△△と申します。Tの父親です。」
母:「あぁ、T君のお父さん。あら〜どうも〜。で何か御用ですか?」
T君の父:「唐突で申し訳ございませんが、さっきTから今後の進路の話を
されまして〜。」
母:「はぁ。それで?」
T君の父:「失礼ですが、お宅はお子さんにどのような教育をなされて
いらっしゃるのですかな?」
母:「え?はい?いやぁ、どの様なって…。」
いきなり始まった個別親子教育論!
しばらくすると、部屋にいた私が電話が終わると呼び出されました。
母:「さっきT君のお父さんから電話あったよ。」
私:「んん。んで。」
母:「なんか、『お宅の教育はどうなってるんだ〜!』って怒られた。」
私:「ふぅ〜ん。んで、何て言ったの?」
母:「『ウチは勝手に生きてますから、勝手にやらせてます!』って
言ったよ。あはははははは〜!」
私:「・・・・・・。んで、お父さんは何か言ってなかったの?」
母:「『はぁぁぁぁぁ!その様な教育の仕方もあるんですね!
いやぁぁ、それは考えた事がなかった〜!素晴らしい!』って。」
私:「!!!!!マジで…?」
母:「うん、マジ。」
まさか、うちのロクでもない母親の一言にT君のお父さんが関心するなんて。
その後、「子の生き方は、子が決める!」がすっかり感心してしまった
T君のお父さんは専門学校に行かせる事を許可。
おてて繋いで仲良く進学、そして上京と相成りました。
(いずれ後半へ続く)
音屋のkatsu