「知らないこと」が悩みの解決に役立つ3つのこと

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コラム
今日は悩みに関して
「知らないこと」が悩みの役立てる3つのことを話します。

私はケアマネジャーという介護相談の仕事をしていて
色々なおうちを訪問します。


そこでは、ご利用者本人(以降、本人)だけでなく
ご家族が同席することも多いんですね。

お互いの考え方が違ったり、
期待通りに動いてくれなかったりすると
ピリピリした空気になっていることも当然あります。



先日は
家族「この人! 朝と夕の薬を飲み間違えたんですよ!
   なのに、自分がミスしたことは一切認めない!!」
本人「まぁ飲み間違えても大きな問題はないでしょ・・」
と訪問した矢先に険悪な会話が始まりました。


こういう時ケアマネジャーが役立てられる大きな要素というのが・・・

「知らない」

ということです。

なんのこっちゃって感じですよね(笑)


ケアマネジャーは介護の専門家だけど、
家族同士の喧嘩や問題は「知らない」ことがたくさんある。

そんな「知らないこと」が悩みの解決に役立つ3つのことを紹介します。


その3つとは

1.思い込みが少ない。

2.様々な角度で考えられる

3.本人を主役にできる

です。



順に説明していきますね(^^♪

1.思い込みが少ない。

利用者と家族は長い生活の歴史があります。

その中で苦々しい経験もあり、
どうしても色眼鏡がでてきやすいです。

先ほどの薬の話では
これまでも工夫してきたけどダメだった ⇒やることはやった。
家族の言うことを聞かない ⇒自分たちの言葉を聞き流している。
ミスをしたのに反省しない ⇒努力する姿勢がない

結論:家族が努力しても本人が努力する気持ちがない。

となってしまうことが想像できます。

こういう解釈になると解決しようと思えない。
そうなると皮肉を言ったり、怒りをぶつけたりするしか
気持ちの抑えどころがありません。

けど、ケアマネジャーは一緒に経験していないから「知らないこと」が多い。そのことで思い込みが少なく、感情的にならずに考えることができます。

2.様々な角度で考えられる

知らないという立場は、思い込みが少ないので様々な角度で考えられます。

そして事情を知っていたら聞けないようなことでも聞けるポジションです。


以前アルコール中毒を疑う人を担当していた時がありました。
家族はお酒を辞めさせたいけど本人が怒鳴るので話題に出せません。

そこで
私は「お酒を飲むと、どんな良いことがあるんですか?」
と空気を読まないで確認しました。
お酒を辞める方法ではなく、不都合も感じながらどうやってお酒を続けているのかを聞いたのです。

本人からは予想通り威嚇されましたが、
相手を否定するつもりで聞いていないと伝わったのか、いろいろと話すうちに
「嫌なことを忘れられるからだよ」
とポロっと本音を言ってくれました。

様々な角度で考えて質問をすることで
いつもと違う解決のヒントが出ることがあります。


そういうことがわかると、
お酒を隠したり、「お酒を飲まないで」と言ったりするよりは、
本人の嫌なことを減らしたほうがお酒を控える効果があるかな?
など別の手立てを考えられます。

 3.利用者が主役になる。

知らないことを聞くということは
専門家が主役ではなく答える利用者を主役にできる
というメリットがあります。

特に介護保険を受ける立場になると、
判断力も落ちてきますし体も動かなくなってきます。

そうなると自分で決められる裁量が減ってきます。

しかし、これまでの人生でたくさんの困難を乗り越えてきたはずです。
本人なりの解決方法があるかもしれません。

こちらで解決を提案することも多いですが、色々と質問することでご自身で答えを導けることもあります。



それでは先ほどの薬を飲み間違えて家族が怒っている例で話してみましょう。

薬を間違えて飲んでしまったおばあちゃんの話

「薬ケースに 朝 と書いてあるけど見えますか?」
私は今更聞かないような当たり前のような確認から入りました。

”見えない、聞こえない、理解できない”等の可能性を確認したかったのです。

すると「見えるんだけど、朝は慌てちゃってね」と返事がきます。

「どうやったら慌てても飲めそうですかね?」
そう投げかけると、しばらく沈黙・・・。

・・そして、

「・・・一目で分かれば飲めるかも。」
と自ら解決策を提案しました。

その話を聞いた家族が、朝の薬ケースにビニールテープで目立つように準備してくれることになったのです。


今回の話でいつもと違うことは、
これまでは家族が考えて対策してきたのですが
今回は本人が対策を考えたということ

これがうまくいくかはやってみなければわかりません。
しかし、もう対策を考えられない状況から
対策を作れたのは一歩前進です。


このように”知らない”ということで
解決の手立てにつながることがあります。


自分のことは自分が一番よくわかっている。
けど、自分のことをわかっていない人に悩みを相談することで
いつもと違った答えを考えられるきっかけになるかもしれません。


あなたにとって少しでもお役に立てる情報になれば幸いです。
それではまた!
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